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フランスで人を雇うのは大変だなぁ・・・その2

フランスで人を雇うのは大変だなぁ・・・その1から1週間。問題のカップル(ピザ作りとウェイトレス)は散々悪態をついて辞めていきました。それから現在まで3人が面接を受けに来ました。とりあえず急ぎで必要になるのはウェイターということで、3人ともウェイター志望でした。今日はこの3人の面接の様子と、経営者側の視点で書いてみようと思います。

まず、1人目はアジア系フランス人男性。「私以外にアジアっぽい人が来た!」と、私1人何となくテンションがあがったものの、結論から言えば即不採用。理由は「仕事に対するモチベーションを感じなかったから」です。笑顔を見せることなく、ただただ「お金の話」ばかりしていた方でした。「何でこの仕事に応募しようと思ったの?」と聞いても、「前の仕事の給料が悪くて辞めたので」と答える。一通り仕事の説明をしても、またすぐ給料の質問がでる。まぁ、これでは落とされてもしょうがないかなぁと思います。ここのキャンピングでは従業員の数が少ないため、1人1人の仕事の責任が重いわけで。いくら急募でも、やる気を感じられない人を採用したいとは思いません。

そして2人目。女性を雇いたいという経営者の希望もむなしく、またもや男性がやってきました。なんと56歳。志望動機を聞いてみると、「仕事を辞めてすることもないし、仕事がしたかったので」と、回答。私の旦那はこれを「働きたい」という意欲があるとみて、テスト期間としてディナーに入ることになりました。ところが、やっぱり56歳に立って動き回るような仕事はきつかったよう。人柄もいいし、仕事の意欲も感じるけど「体力」がついてこないというのが傍から見てとれる状態でした。途中で息切れし、無駄な動きが多い。お客さんから「あのウェイター動き回ってるわりに何もしてないわね」と言われる始末。本人は5年ウェイター経験があると言っていましたが、本当のところはどうだろうか?と経営者のお父さんは疑いました。ちなみに私の旦那がウェイターに入ったときにはテーブルチップが大体3ユーロだったのに対し、この男性はゼロでした。おそらく今の不況で前務めていた会社が倒産したか何かじゃないか?と考え、気の毒に思う経営者。結局、「他にもっとあなたに合う仕事がありますよ」と言ってお断りしました。

3人目にやってきたのは、期待していた女性。しかも経験も20年のベテランウェイトレスでした。彼女がやってきた最初の日、腰につけるエプロンを渡そうとしたら「私、自分のがあります」と言って、持参したウェイトレスエプロンをつけるほど。(ちなみに2人目の男性はエプロンをつけるのを断りました)彼女は動きもテキパキしており、お客さんからの評判もよく、チップも上々。キッチン担当ともうまく馴染んで、経営者一同「あー良かった」と思っていたのですが・・・。彼女はサービス以外のことができなかったのです。オーダーをとったり、料理を運んだりってことはできるのに、デザートを作ったり、レジ精算をしたりといった「その他」の部分ができない。これが1人でできてもらわないとまた余計な人件費がかかっていまうため、経営者の彼のお父さんは、彼女をこのまま雇って教育するか他をあたるかで、悩んでいるようです。

あ~、大変だなぁ、お父さん。

毎日バカンスに来るお客さんを相手にして、お父さんは全然充電する時間がない。人を携帯電話に例えるなら、このキャンプ場にバカンスに来るお客さんたちは毎日「充電中」状態で、対するお父さんは「充電ゼロ」になった携帯電話をちょっと充電して使い果たす、といったことを毎日繰り返しているように思えます。

これからまだ、ピザつくりも探さなきゃいけないのに。

お父さんはこのウェイトレスを採用するのでしょうか?これからどうなるのかなぁ?

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