ホームつきあいカップルフランス人と国際結婚したら相手の国に住むべき6つの理由

フランス人と国際結婚したら相手の国に住むべき6つの理由

国際結婚する人の最大の心配事といえば、「居住国をどこにするか」ではないでしょうか。思えば筆者も、フランス人の旦那と結婚した当初は日本で暮らしていくつもりでしたが、結婚してフランスに来て今年で7年。今では、フランスへの移住を選択して良かったと心から思います。

そこで今回は、筆者が思う「国際結婚した女性は相手の国に住むほうがうまくいく理由」を6つ紹介します。 「どちらの国に住むべきか?」は、カップルそれぞれ事情が異なるので“絶対にこうだ!”とは言いきれませんが、フランス人男性と結婚した方は参考にしてみてはどうでしょうか。

 

収入が安定する

私たち夫婦は日本で知り合ったこともあり、結婚当初は日本で生活する計画でした。しかし、現実問題、日本語で書かれた書類をフリガナなしでは読めない旦那は日本で仕事を見つけるのが難しく、見つけられた仕事は語学教師ばかりでした。英語のネイティブではないため、英会話講師の仕事を断られることもあり、仮に職に就けたとしても不安定収入で昇給もめったにないような仕事が多かったです。

私は当時、総合職で採用されたので仕事をバリバリやっていくという選択肢もありましたが、それでも現在の日本で、男性を押しのけて女性が昇格していくのは難しいのではないかという懸念がありました。

日本で生活して、女性の私の収入をメインで生活していくよりも、フランスで旦那がメインで働いたほうが、カップルの収入としては増えるのではないかと思ったのが、フランス移住を決意した理由の1つです。単純に、私よりも旦那のほうが仕事のできる人だろうという目算もありました。

バカンス制度

国際結婚では、夫婦のどちらかが外国で生活することになります。つまり、どちらかの帰省=海外旅行になるということです。海外への帰省となると、お金も必要になりますが、それ以上に必要になるのが時間です。

フランスでは労働者の権利として1年間に5週間のバカンス休暇が認められており、消化率も90%以上です。どの人も当たり前のようにバカンスをとるお国柄なので、週末だけの帰省がなかなか難しい外国人労働者にも優しい制度だと思います。

仮に日本とフランスのどちらでも同額の収入を得られるとしても、「どれだけ休めるか」は個人の努力や収入に関係なく定められていることなので、この点は無視できません。国際結婚の場合は、「帰省」を前提にしたライフプランを考える必要があると思います。

書類や手続き

母国語が日本語ではない外国人(中国人を除く)にとって、日本語で書かれた書類を読み、理解するのはとても難しいと思います。特に漢字は、前後の意味や熟語によって「読み」が変わり、どんな時に音読み/訓読みになるのかというルールがはっきりしていないため、日本語で書かれたものをたくさん読んで“経験”を積み、勘を働かせられるようになるしかありません。これは、漢字を初めて学習する外国人にとっては非常に厄介であり、常用漢字を使いこなせるようになるには膨大な時間がかかってしまいます。

ですので、日本で暮らす場合は、基本的に保険や支払い、契約書などの書類や手続きは外国人配偶者にまかせることができないと考えたほうがいいです。

その点、フランス語は発音や動詞の活用などは難しいですが、書かれたものを理解する読解はさほど難しくはありません。漢字に比べればアルファベットを読むのは容易く、配偶者を頼らなくても書類の手続きができるようになってきます。書類や手続きは、日本で生活すれば日本人まかせになりがちですが、アルファベットの国で生活するのなら2人とも理解できるようになるでしょう。

浮かない

日本では外国人の数が少ないせいか、日本人×外国人のカップルはどこに行っても目立ってしまいます。「外国人と結婚したの?素敵ね!」というわけのわからないお世辞も、筆者が日本にいたころは不快でした。どこに行っても旦那が目立ち、場の雰囲気に浮いてしまうのも嫌でした。

しかし、フランスでは移民が多いため、日本人の私だけが特別扱いされることなく、普通に馴染むことができます。日本×フランスの子どもも、日本ではハーフだからいじめられるのではないかと心配でしたが、パリではアジア系の子どもも多いので特別視されたり、仲間はずれにされることもないと聞きます。“外国人が浮かない”というのは、国際結婚カップルにとって重要な要素だと思います。

ゆっくりした生活

日本での法定労働時間は週40時間ですが、フランスは35時間です。月曜から金曜日までが勤務日だとして、フランスのほうが毎日1時間早く帰れるという計算になります。

法定労働時間はあくまでも最低条件なので、実際の労働時間は職種にもよります。しかし、それでもフランスのほうが“ゆっくりした”空気が流れていて、より家族向けの国だと思います。労働時間が短いのでお店が早く閉まったり、日曜日はどこも閉まっていて不便な面もありますが、そのぶん家族と過ごす時間が増え、「不便ななかから生まれる価値」を実感できると思いました。

日本で手に入る仏食<フランスにある日本食

国際結婚カップルの悩みのひとつといえば、食生活。筆者は「日本食がないとダメ」というタイプではなく、旦那も日本食好きなのでさほど苦労はありませんが、やはり日仏カップルはフランス料理と日本食の両方を作っている家庭が多いようです。

その場合、どうしても日本にいながらフランス料理を作ったり、フランスにいながら日本食を作らなければいけないのですが、日本で手に入るフランスの食材は値段が高すぎて、しかも種類が少ないです。フランスに住む場合はパリに住むか、田舎に住むのかで手に入る日本食の種類は異なりますが、それでも昨今の日本食ブームと中国人のおかげで、フランスで手に入る日本食は(日本で手に入る仏食より)値段も安く、種類も多いのではないでしょうか。

日本の白米にあたる主食は、フランスではバゲットですが、フランスのパン屋で売られているのと同じクウォリティーのフランスパンを日本で探すのはかなり難しいです。しかし逆に、フランスでは最近ヨーロッパ産ジャポニカ米の改良も進んでいるので、日本産のお米でなくてもおいしい白米が食べられるようになりました。

日本で生活するよりも、フランスで生活するほうが「日仏折衷」の食生活を送りやすく、互いの不満もたまらないのではないかと思います。

 

まとめ
 どちらの国に住むか?を決めるときは、自分ひとりの希望ではなく、相手と自分、これから生まれてくる子どもの全員がどこで暮らせばより幸せになれるかを基準に考えるといいと思います。日本で暮らしても、外国で暮らしてもどちらにも一長一短はあるものです。

また、海外に住むマイナス点として、よく言葉の壁や文化の違いなどが挙げられますが、これらは自分の努力次第でどうにでも乗り越えられると思います。居住国を決める場合は、こういった基準で選ぶのではなく、自分が努力しても変わらないこと(外国人の数、休暇制など)を基準にどちらの国に住むかを決めればいいのではないでしょうか。

とはいえ、筆者は結局フランスに移住したので、「フランスで生活したほうがいい理由」を見つけられたわけで、日本で生活していたら「日本で生活すべき理由」を見つけていたのではないかと思います。正直、どちらに住むことになっても良かったと思っていますし、どっちに住むかが一番大切なことではないないような気もします。どっちに住むようになっても、「自分の決めたことは頑張る」という覚悟のほうが大切なのかな…と。

国際結婚したみなさんは、どうですか?

写真:spinster cardigan

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4 コメント

  1. 外国人が多いかどうかと異人種カップルが多いかどうかは別問題な気もします。
    以前、アメリカに行った事がありますが、滞在中に見かけた異人種カップルは1組だけ(少なくともはっきり覚えてるのは)で白人男性と黒人女性のカップルでした。
    アメリカは多人種な国とは言え人種ごとに住み分けされてる所もあり、比較的近年まで白人と有色人種の結婚が禁止されていた州が残ってたくらいなので、異人種カップルは意外と多くないのかもしれません。
    また、文化や宗教の関係で自由な恋愛が難しい国もありますし、そんな国で外国人が現地人(特に女性)と結婚するのは厳しいようにも思います。インドでインド人女性と結婚した日本人男性がいて、その人は本も出していますが、結婚した時は現地の新聞で大々的に報道されたようです。日本じゃ考えられない話ですが。

    食べ物の話ですが、フランスパンはフランスの方がおいしいのは当然でしょうが、フランスの日本食のクォリティーが日本並かどうかについてはどうなんでしょうね。単に現地のものに慣れただけで、実際は日本の日本食と比べるとまだまだって場合も有り得そうなんで、判断が難しい所です。

    • アメリカ人と結婚してアメリカに住んでいますが、アメリカだと同人種カップルでも実は国際結婚という場合も多いです。私の友人(日本人)はベトナム系移民と結婚していますし、夫の友人はアメリカ人ですが妻はロシア人です。人種が同じでも言葉や文化の違う国の人との結婚はいろいろ難しいこともあると思いますが、日本よりは国際結婚が珍しくない環境ではあると思います。同国人同士で異人種間の結婚というケースは日本では想像しにくいケースですが、カリフォルニアやNYなどマイノリティの多い地域では珍しくありません。元々マイノリティの少ない地域では必然的に割合も減ると思いますが。また白人とヒスパニックのカップルなどアメリカでは異人種と分類されても日本人からはそう見えないケースもありますね。私自身夫は異人種なので、南部では少し目立ちましたが、サンフランシスコやシアトル、ハワイなどではありふれた組み合わせでした。地域差は大きいでしょうね。

  2. フランスは「自分を開放できる環境」、「自分らしくいられる環境」が、日本に比べて整っているのではないでしょうか。

    何をするにも「正確さ」や「丁寧さ」を要求してくる日本では、それはそれで「安心」や「確実」という対価が手に入りやすいでしょうけど、それは「生きづらさ」、「人生を楽しむことに集中できない」というマイナスな面もあるわけですし。

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