私、実は日本食レストランが
嫌いだったんだよね
先日、あるフランス人男性と日本食について話していたら、こう言われて驚きました。彼いわく、初めて行った日本食レストラン(日本人経営)で嫌な思いをしたので、それ以来ずっと避けてきたそうです。2軒目に行ったレストランは気に入ったらしく、今では日本食好きだそうですが、それまで日本食に対して何となく嫌なイメージを抱いていたのだとか。
せっかくの美味しい日本食なのに、こう思われてしまっては非常に残念です。そのためには、日本で良しとされているサービスと海外とのギャップを知ることが大切なのではないでしょうか。
ちなみに政府は、2020年に訪日旅客数を4,000万人とすることを目標にしています。日本政府観光局(JNTO)によると、2015年の訪日旅客数は1,974万人。東京オリンピックの影響なども考えると、今後ますます訪日外国人は増えていくことが予測されます。
日本にやって来る外国人観光客の増加を、ビジネスの成功に繋げない手はありません。そこで今回は、日本を訪れる外国人へのおもてなしをするうえで、飲食店が気をつけるべきポイントを5つにまとめてみました。これから訪日外国人を集客したい方、これから訪日外国人を日本のレストランへ案内する予定の方などはぜひ参考にしてみてください。
店員は大きな声で接客しなくてよし
これが外国人に最も嫌われる日本のサービスの特徴です。一部の高級店を除いて、日本の接客はうるさすぎます。先ほど紹介した日本食レストランが苦手だった男性も、店員の叫び声がうるさくて嫌いになったと語っていました。
日本では大きな声でハキハキと「いらっしゃいませー」と言えば、元気が良くて威勢が良くて、感じがいいとされますが、欧米では逆です。仲間や家族と楽しくおしゃべりしていたのに、それを店員の叫び声で邪魔されたと感じます。そんなに大声出さなくても聞こえるでしょ?と。耳が痛くなる、いやがらせか?と思うそうです。
店員の声出しは店の雰囲気づくりのためでもありますが、外国人観光客にも好まれるお店にしたいのであれば、店員は声を張る必要はありません。馬鹿みたいに大きな声を出さなくても、感じのいい接客は十分に可能です。ちなみに筆者も日本人ですが、日本の大きな声で叫ぶ店員さんは苦手です。
セットメニューばかりにしない
基本的に、良いサービスに慣れている日本人に比べ、欧米人は接客の仕方にいちいちうるさくないです。多少料理が遅れても、許してくれる人が多いはず…。しかし、日本人に比べて欧米人がうるさくなるときは、料理の注文時です。
欧米人の欧米人はどちらかというと、自分の食べるものを自分好みにカスタマイズするのが好きみたいです。その最たる例が、米国サンドウィッチチェーン店のサブウェイ。パンから中に入れる野菜から、ソースから全てを自分好みにアレンジできるようになっています。こんな感じで、欧米の飲食店では「卵はちょい固めの半熟で」、「付け合わせはポテトとサラダで」、「ハンバーガーはトマト抜き、ソースは別皿で」と細かく注文しても、全て「オーケー!任せて!」と言われ、断られることはあまりありません。
日本人はどちらかというと、あれこれ注文するのは面倒くさいと思う人が多いのではないでしょうか。筆者も初めてサブウェイに行ったときは、店員にソースだのパンだの、いちいちあれこれ聞かれて面倒臭いなーと思ったものです。「もう、何でもいいからお店が自信もって美味しいと思うものを出してよ!」と思いました。しかし、この話をイギリス人の友人にしたときは「欧米人は何でも自分で決めたがるんだよ」と言われました。
なので、外国人に評判がいい店づくりを目指すなら、料理の融通をきかせられるようにしておくといいでしょう。セットメニューばかりで、何も自分でチョイスできないお店はあまり外国人受けはよくありません。
外国人は店員を呼ばない
もうひとつ、外国人向けサービスを展開する飲食店に気をつけてほしい点は、欧米人は「すみませーん」と言ったり、声を出して店員を呼ぶことはないということです。どんなに店員に来てほしいような状況でも、店員に目配せをしたり、軽く人差し指をあげる程度です。
これには2つの理由が考えられます。ひとつは、自分が大きな声を出すことで周りのお客さんの邪魔になりたくないから。大声で接客する店員を不快だと自分が感じるからこそ、周りの客も大声を出されると迷惑だと考えています。
二つ目の理由は、店員とお客さんの関係性の違いからです。欧米では、店員を大声で呼び止めて、自分がいるところまで来させるという行為自体が、まるで召使いを呼び止めているようで気が引けるのだそうです。欧米では店員もお客さんも対等が基本。偉そうで横柄なお客さんだと思われたくないからこそ、大声で店員を呼び止めるようなことはしません。
日本の接客業は「お客様は神様」というおもてなしの精神が染みついていますが、そうでない欧米はこんなところで店員に気を使っていたりするのです。外国人客を接客するときは、ちょくちょくテーブルに行ってあげるようにしましょう。
全席禁煙に
外国人客を狙いたいのなら店内は全席禁煙にし、屋外のテラス席のみ喫煙可能にしたほうがいいでしょう。欧米の先進国では、公共の場やレストランなどは全面禁煙の国が多いです。訪日外国人は、飲食店内でタバコを吸う人を見ると結構驚きます。
しかし、厚生労働省が、レストランや居酒屋などは屋内禁煙(喫煙専用室の設置可)とする受動喫煙防止策法案を今年3月に提出しました。この法案が成立すれば、悪質な喫煙の場合、施設管理者に最大50万円、たばこを吸った本人に同30万円の過料を科すことができるそうです。この影響で、今後は日本でも喫煙できる飲食店が少なくなっていくかもしれません。
ベジタリアン、豚or牛の表示、グルテンフリー
外国人客は、笑顔で接客されなくても、料理が遅れてもあまり文句を言うことはありません。飲食店のサービスに対しては日本人以上に寛容な人が多いですが、唯一うるさいのは料理の注文です。
自分で選びたい気持ちが強いのに加え、宗教上の理由で牛・豚肉が食べられないベジタリアンや、グルテンフリーダイエットをしている人もいます。さらには、グルタミン酸ナトリウム(味の素)アレルギーの人もいて、人によっては顔面の紅潮、掻痒感、頭痛、体の痺れなどが現れる人もいるそうです。
これらの海外の食事情をある程度知ったうえで、メニューに表示したり、接客の時に対応&説明ができるようにしておくといいでしょう。
おわりに
外国人観光客が増えるからといって全てを外国人仕様にする必要はないですが、外国人が不快に思う点を知っていれば、おもてなしに活かせるのではないでしょうか。それと同時に、外国人を日本に迎え入れ、紹介する立場にいる人は「日本はこういうもの」と説明してあげられる能力が求められると思います。
注文の仕方や支払がテーブルじゃなかったり、海外からの方は色々びっくりするらしいですね。オーダの時にスイマセン!と店内で声を出すのが恥ずかしかった〜とはよく聞きます(笑)。
意外と不評なのが日本のカフェでケーキのセットドリンクがコーヒーか紅茶しか選べない選択肢の無さ。セットは要らない、自由に選ばせて!と皆さん思うらしいです。
スターバックスのカスタマイズ、日本では、あまりやり過ぎるとカッコつけた客という印象だとで元店員が言ってる位ですから、サービスに対する感覚の違いが面白いな~と思いました。
客が日本人か外国人かによって店員は態度を変えろということですか? 私は客と店員のハキハキした声、気持ちが良いと思います。でも店員と客は対等だと思っています。だからこそです。店員を目くばせで呼ぶだなんて、それこそ横柄な態度でとても受け入れられません。
まあそこは些末な議論として、「日本はこういうもの」ではいけないのですか? 日本以外の国、特にフランスなどでは外国人への特別な配慮は、まずありえないと思いますが。でもフランスを訪れた人は皆「フランスはこういうもの」と受け入れていますよね。
先日、海外の反応系ブログで原宿のショップで自分達(外国人観光客)の時だけ「いらっしゃいませー!」がなかった、店員はレイシストだっていう記事を見かけたw