フランスが先進国のなかでも目立って出生率の高い国であることはよく知られていることである。フランスを紹介した本でも出生率の高さを取り上げたものが多く存在する。反対に日本の人口統計を知るフランス人は日本の出生率の低さにショックを受け、懸念する。そんな出生率の高さを1つの国の誇りとするフランスでは今、どのような状況なのか?フランスニュース20minutes.frより、フランスの出生率の増加と経済効果の関係を説いた記事を見つけた。
これによるとフランスは2000年に比べ、2万人多くの新生児が2010年に誕生した。驚くべきなのは、20代から40代の女性が減少したにも関わらず…という点である。昨年は女性1人当たり平均2.01人の子どもを産むという計算になる。前回のベビーブーム以降、フランスはその出生率の高さでも世界的に知られるようになったとライターは語っている。
生まれてすぐ、新生児は経済を動かす
「幼児専門産業、および商業はI.N.S.E.E.(国立統計経済研究所)の統計を読めば、揉み手をしなければならないだろう。」
そう語るのは、フランス経済情勢研究所(OFCE)のシニア研究者であり、「国家経済と人口統計」を専門としている、ヴァンサン・トゥーゼである。彼の言葉は、幼児でもすでに経済における消費者になることを連想させる。
「家族というのは赤ちゃんに直接必要となるものだけにお金を消費するのではなく、赤ちゃんを迎えるための“投資”にも力を注ぐものです。例えば、車を買い替えたり、引っ越しすらする家庭もあるのですよ。」
経済学者ヴァンサンは続ける。
「ハネムーンの後すぐに、今度は赤ちゃんが経済を回転させるわけです。」
2010年の82万8千人という新生児の誕生は、フランス人女性の楽天主義を示すインジケータでもある、という厳しい批判もあるようだ。
今後の労働市場における若者たち
最新の出生率は今後20年間の若年労働人口を示す。フランスの人口統計による生産力は、労働市場において若者たちに重要な変革をもたらす。彼らが職を見つけることは必要なのであるが、これは現在のフランスのケースではない。しかしならば15歳~24歳の23%が無職なのであれば、事態は今後進展していくと考えられる。
「退職者になる人の数はフランスではとても多い。現役の労働力人口である若者たちにポストを解放してあげながら、ベビーブームの始まりと共にこの状況は続くだろう。」
ヴァンサン・トゥーゼはそう分析する。
I.N.S.E.E.(国立統計経済研究所)によれば、このより大きな労働需要のエネルギーは年に0.3%の潜在的な経済成長をも引き起こすと言われているそうだ。
退職者にもいい知らせ?
統計研究所によれば、フランスの人口自然増のおかげで労働力人口が2000年~2050年の間に180万人増加する。これは労働力人口が退職者に融資するような年金システムをもつ国にとって必要不可欠な要素である。労働力人口に対する60歳以上の非就業者を比べた経済依存率は、2050年に71%になると推測されており、この数値は人口増加ダイナミズムがなければ90%にまで昇ると言われている。
I.N.S.E.E.(国立統計経済研究所)によれば人口増加ダイナミズムのおかげで、少なくともGDPが2ポイント追加となるそうだ。