「よい結婚はあるけれども、楽しい結婚はめったにない。」
と、フランス貴族のラ・ロシュフコーは言いましたが、日本の結婚観や夫婦関係などを海外と比べてみると案外違いがあるものです。そこで今回は、欧米の夫婦関係と比べた「日本人の夫婦関係の特徴」を4つご紹介します。外国人には理解できない「日本人特有の結婚観」とは何でしょうか?
※ ここに書かれていることは、あくまでステレオタイプを基にした一般論であり、全ての夫婦にあてはまることではないので悪しからず。
1. 「専業主婦」とやら
日本では長引く不況の影響もあって、若い人たちの間では将来、専業主婦になりたいという人が増えていると言います。「女は結婚したら家庭を守るものだ」と言われた時代を経て、女性の社会進出が進んだ時代が過ぎ、不景気な現代にまた女性の専業主婦ブーム?が再来したような印象です。しかし、1986年の男女雇用機会均等法施行後の女性の社会進出が最も進んでいた時代と比べてみても、日本は「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方が根強いと言えます。
海外では、男女関係なく働くのは当たり前と考えられている国や地域も多く、働いていない人は、どうして社会参画しないのか?と問われることもしばしば。
外国人に専業主婦をどう思うか?という質問をしたところ、「変です。母国にはいない。(ポーランド/女性/20代後半)」、「かわいそうだと思う。(ポルトガル/女性/50代前)」、「アメリカに比べたら少し時代遅れという感じ。母国ではそれほど多くない(アメリカ/男性/20代後半)」という意見が目立ちました。
2. おこづかい制
日本では妻が家庭の財布事情を管理し、夫は妻から月々のお小遣いを貰うというところが多いのではないでしょうか。しかし、このお小遣い制も海外から見ると理解しがたいことだと言います。外国人男性の意見としては「男女差別を促進しているように見えるし、快くない」というものや、「自分の彼女が家計を管理しようとしてたら…今頃破局してただろうな。」という意見までありました。
自分が稼いだお金を全て妻に預けることに抵抗感があるという意見がほとんどです。共働きが当たり前の海外では、夫婦がそれぞれ別々にお金を管理したり、2人で共通口座をつくってやりくりするというパターンが多いと言います。家計は妻が管理するものという考え方はあまりなく、夫の収入額を知らないという奥さんも少なくありません。
日本では仕事関係での付き合いや飲み会も多く、専業主婦が多かったことから夫の「おこづかい制」が生まれたのかもしれません。いずれにせよ、海外ではあまり見られる傾向ではなく、日本独特のものと言えます。
3. 愛情表現しない?
外国人が一番理解に苦しむ日本の夫婦関係がこれ。外国人向け日本情報サイトの掲示板には必ずと言っていいほど、「日本人の彼氏(彼女)が愛していると言ってくれない」という悩みがあります。
それもそのはず?日本人はめったなことがないと「愛してる」と言わず、キスやハグもしない人がほとんど。英語教師時代の夏目漱石が“I love you.”を「月が綺麗ですね」と訳せと学生たちに教示したという話も有名ですが、やはり日本人は外国人に比べるとストレートに愛情を言葉で表現することが苦手なようです。
愛情表現をたくさんすればするほど相手のことを愛しているというわけではありませんが、子どものころから「アイラブユー」と言い合う両親を見て育った外国人からすると、愛情を口にしない日本人の夫婦関係は冷たい印象を受けるようです。
4. パパ、ママと呼び合う
結婚して子どもができ、次第に夫や妻のことを名前ではなく「お父さん」「お母さん」と呼び合うようになったという夫婦も少なくないのではないでしょうか。無意識のうちにいつの間にか相手の名前を呼ばなくなったという夫婦も多いと言います。
ちなみに海外では、例えば夫が子どもと妻の話をするとき「お母さん」というのではなく「あなたのお母さん」という言い方をします。英語ではyour、フランス語ではta ですが、この短い単語を一つ付けるだけで少し感じが変わるような気がします。
日本では結婚して子どもができると「子ども中心の家庭」となり、結婚、イコールお父さん&お母さんになることという考え方が強くあります。男と女であるという感覚は次第になくなり、男女ともに親としての役割に集中してしまう傾向にあるようです。
『日本の子育てで驚いたこと』という記事では、アメリカ在住の日本人ママが「日本にはデートナイトがないことにショックを受けた」と語っていました。アメリカやヨーロッパなどでは子どもをベビーシッターなどに預け、夫婦だけで夜デートにいくカップルも多いと言います。欧米は日本に比べ、パパやママになってもいつまでも男性or女性として魅力的でいたいという思いが強く、意識の違いがあるようです。
おわりに
このように海外と日本では結婚観に違いがあります。しかし、実際に外国人と結婚した筆者は「結局は夫婦はどこの国でも似たようなもの」なのかなと思います。人生観や価値観に違いはあれど、男女2人が一緒に人生を歩むという点では日本も海外も同じです。周りの世間がどうであれ、大切なのは‟あなたの”パートナーとわかりあうこと。
あなたは日本人特有の結婚観についてどう思いますか。
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