私は毎日欠かさず海外サイトを見て、海外の人が日本のことをどのように伝えているかをチェックしている。様々な海外サイトをスキャニングするように見ているが、最近はなんとなく「海外の伝える日本」に腹の立つことが増えた。
海外サイトには、日本の「奇異な一面」を伝えるものが多い。ソフトなものでは、日本のコスプレやキャラ弁のような海外ではあまり見ない”変わったもの”。ハードなものでは”Eye ball licking(眼球舐め)”が日本で大流行しているというものや、日本ではおならのにおいが消えるパンツが流行っているというような、ウソか本当か疑わしいものだ。

海外サイトの日本情報ばかりを見ていると、日本を知っている私でさえ、「まぁ!日本はなんて変な国なんでしょう!?」と思ってしまう。なぜ海外サイトが「Japan=weird(奇妙) 」のイメージを植え付けようとするのかは謎だが、日本人としてはなんとなく面白くない現象だ。
こういったサイトを見た影響なのか、外国人の友人から日本について聞かれる質問もやはり突飛なものが多い。
「日本はロボットを家庭に一台持ってるって本当?」
「日本人はみんなやっぱりアニメが好きなの?」
「日本って死ぬほど働かされるんでしょう?」
興味を持ってくれるのは嬉しいし、彼らのイメージする”日本”もあながち外れてはいないのだが、どうにも釈然としない気分になる。彼ら外国人に知ってほしい日本は、もっと”普通”の、ありきたりの日本であって、彼らの国とは全然違う「理解に苦しむ国」ではない。
しかし、海外サイトばかりを責められない。日本のマスコミも結局は同じことをしていると感じることがある。
例えば、日本の旅番組でパリを紹介したものなどがそうだ。番組の多くは高級ブティックやファッションなどを取り上げ、「パリはおしゃれ」というイメージばかりを強調している。確かにパリはおしゃれな雰囲気の街ではあるが、実際には汚い場所も多いし、冷たいパリジャンに気分を悪くすることもある。実際にパリに住んでいる私がイメージするパリと、日本のテレビが紹介するパリのイメージには大きな差があるなと感じることが多い。
結局のところ、海外サイトも日本のテレビも人が集まりそうなもの、面白そうなものを取り上げようとするからこうなるのだと思う。自分の国とは違うところを強調して注目を集める。ステレオタイプを植え付けるという意味では、このサイトも同じように悪影響なサイトであるが(ごめんなさい)、サイトやテレビが海外のことをネタに人の注目を集めようとした場合、みな似たり寄ったりの結果になってしまうような気がする。
ただ、海外サイトや日本のテレビを見ていて、物事の一面だけを伝えるのは危険なことだと思う。パリはおしゃれな街と思って留学してきた日本人が、冷たいパリの風になじめず、パリシンドロームにかかってしまうのもその一例。インターネットやテレビで伝えている海外の情報はあくまで偏ったもので全てではない。鵜呑みにしすぎると痛い目に合うかもしれない。
こんなにたくさんの情報で溢れる現代だからこそ、見る側が賢くなる必要があると常々思う。情報を鵜呑みにせず、まずは疑ってかかるような慎重さを持つべきだ。反対に発信する側である私は、日本や外国人のことを偏りなく多面的に伝えていこうと思う。
が、物事を面白く、かつ真実に近い形で伝えるのはやはり難しい。だから、このサイトを読んで下さる方にお願いだ。
「まずは疑ってください。」
疑って、本当かどうかを自分で確かめる。情報は集めることが大切なのではなく、自分なりに”吟味”することが大切。
吟味する時間が長いほど、真実に近づくのではないだろうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。