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【海外子育て】国際結婚の子供でもバイリンガルになれない7つの理由

国際結婚したカップルの子どもならバイリンガルに育てるのは簡単なことだ!と思っている人もいるようですが、実際はバイリンガル教育はとても難しいことなんです。国際カップルの子どもで1言語しか話せない人はたくさんいますが、2言語を両方ともネイティブ並みに使いこなせる子どもはなかなかいません。

 ドイツ人男性と結婚し、現在アメリカで暮らすアメリカ人女性のヘラーさんも、子どものバイリンガル教育に悩む親の一人。今回はそんな彼女のバイリンガル教育に関するブログから、「国際結婚の子供でもバイリンガルになるのは難しい理由」を紹介します。子どものバイリンガル教育に悩むお母さんは必見です。

 【前提】

 マイノリティー言語とは、住んでいる土地の言語とは違う言語のこと。例えば、日本人とアメリカ人のカップルでアメリカに住んでいる場合のマイノリティー言語は日本語である。一般的に、子どもは生活している土地の言語はうまく話せるようになるため、バイリンガル教育ではマイノリティー言語の習得のほうが難しいとされている。

 

国際カップルの子どもがバイリンガルになれない理由

【理由1.触れる機会が少ない

 子どものバイリンガル教育を専門に研究しているグループの発表によると、バイリンガルになるためには毎日の話したり聞いたりする言語の30%をマイノリティー言語でしなければならないとしています。30%以下の場合はバイリンガルになれないというわけではなく、習得はできるが遅くなると言われています。30%というのをひとつの目安にして、子どもがマイノリティー言語を触れる機会をつくってあげましょう。外国人配偶者と日本で生活している場合で、かつ外国人の方が一日中外で仕事をしている家庭の場合は、家にいる日本人のお母さんが外国人配偶者の言語で子どもに話しかけることも必要です。

【理由2.必要性を感じない】

 誰でも必要性を感じない勉強はしたくないもの。子どもへのバイリンガル教育もこれと同じで、親が子どもにマイノリティー言語を学ぶ”必要性”を感じさせてあげることが大切だとヘラーさんは語っています。子どもにマイノリティー言語しか話せない人(家族など)と会話をする機会をつくってあげたり、マイノリティー言語版の子どもが好きなDVDをプレゼントしたり。なかには、子どもがマイノリティー言語で話しかけないと返事をしないようにしている家庭や、外国人の親が現地の言語を話せないふりをするという家庭もあるそうです。子ども一人一人性格も違うので、その子に合わせたやり方というのを見つける必要があり、親もクリエイティブにならなければならない!とヘラーさんは言っています。

【理由3.”ルール”がない】

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 言語というのは普段あまり意識せず、すらすら口から出てくるもの。「よし、今から日本語を話そう!」と決めて話し始める人はいないですよね。しかし、バイリンガル教育では”いつ”、“どんなときに”マイノリティー言語を話すのかをはっきり決めてあげることが大切だと言います。ランダムに2言語を混ぜこぜにして会話をするよりも、「今は○○語を話すとき」と決め、2つの言語を別のものとして脳に定着させるようにしましょう。例えばアメリカ在住でアメリカ人男性と結婚した人の場合、日本に帰国した時は日本語だけと決めたり、お母さんが家にいないときだけ英語で話してもいいなどのルールを決めるといいでしょう。

【理由4.楽しめていない】

  言語の習得の一番手っ取り早い方法は、子どもにマイノリティー言語を学びたいという意欲を持たせること。親がいくら躍起になってマイノリティー言語を教えようとしても、子どもが嫌々学んでいるのなら上達するはずがありません。ヘラーさんの元へカウンセリングに行った国際カップルの多くは、「マイノリティー言語でしか販売されていないゲームを子どもに買い与えたら、子どもが意欲をもって自分から言語を学んでくれた」と言って喜ぶそうです。きっかけは何でも構いません。子どもが楽しむために学ぼうとすることが一番大切です。

【理由5.”教える”から】

 子どもをバイリンガルに育てるというのは、”言語を教える”という意味ではなく、“言語で生きる”ということ。これはすなわち、子どもといっぱい会話をするという意味です。言語を教えるということに必死になりすぎると、「手段であったはずの言語」が目的になってしまい、家庭の中がとても窮屈になってしまいます。他の言語を生活に取り入れつつ、単純に子どもと一緒に生きること。バイリンガル教育は教科書を使ったお勉強ではなく、他の文化や習慣を子どもと一緒に楽しむということです。

【理由6.子どもの年齢】

 言語の習得には様々な時期があります。特に子どもが学校の友達に合わせて「みんなと同じ」になりたいと思う思春期には、マイノリティー言語を話さなくなるというのはごく自然なことです。そんな時には子どもを叱るのではなく、なぜ多言語を話したくないのか、多言語を話すとどういった気持ちになるのか、聞いてみましょう。子どもと話し合って、互いの妥協案を一緒にみつけるようにしましょう。

 【理由7.親が焦りすぎ】

 子どものバイリンガル教育で一番大切なことは、”親が焦らないこと“だとヘラーさんは語っています。言語の習得というのは、様々なステージを経て得られる、時間がかかること。例え”今”、子どもが話さないからと言って、心配することはありません。もっと長い目で子どもの言語習得をサポートしてあげる心構えをもちましょう。今勉強しないからといって、一生、言語獲得のチャンスを失うわけではありません。

参照:multilingualliving

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