以前書いた記事「日本でモテない白人女性」では日本人男性の恋愛傾向や結婚観に関して、様々なコメントが寄せられた。確かに、欧米人女性にとって日本で日本人男性と恋愛するというのは難しいようだ。日本で”国際カップル”といえば、大抵が”日本人女×外国人男”という組み合わせで、その逆はあまりない。
その理由として、「日本と欧米では”男女の社会的な役割”が違うこと」や「欧米人女性に対する偏見」などが挙げられるが、実際に日本人男性と幸せな結婚生活を送っている欧米人女性もいる。峯田グレイスさんもそんな外国人妻の一人だ。
海外移住は甘いものではありません。日本は素晴らしい国だし、きれいで大好きな国だけど、日本のサラリーマンの外国人妻としての人生は時に寂しいものです…。
グレイスさんはご主人のリョウスケさんと米国ペンシルバニア州で出会った。共通の友人を通して知り合い、恋愛に発展した。出会った翌年に、今度はグレイスさんのほうが日本へ留学をした。婚約し、ペンシルバニアの大学を卒業して日本での結婚生活を始めたそうだ。
“国境を越えた愛”というと聞こえがいいが、日本で外国人妻として生きるのは楽ではない。
気分が落ち込むのはちょっとしたことが原因なんです。例えば、主人と2人で銀行に手続きに行った時は対応してくれた銀行員に一度も目を合わせてもらえなかったり、アパートの大家さんに私たちが結婚していると信じてもらえなかったり。
日常の小さな出来事を”小さいこと”として流せなくなってしまう時もある。そこで今回はグレイスさんが語る「私が日本で結婚生活を始める前に知っておきたかったこと」を紹介する。彼女の意見は的を得ていて、海外で生活する日本人妻にも割と当てはまると思う。
1. 日本人にはなれない
日本で生活している外国人は日本在住歴が30年以上でも、日本語がペラペラに話せるようになっても”外国人扱い”されることに腹を立てる。日本語で話しかけているのに英語で返されたり、”アメリカ人は日本の○○をどう思う?”といった質問ばかりされると、外国人の自分だけ”別物扱い”されたようで、不快に感じる人も少なくない。
しかし、グレイスさんは「これはしょうがないこと」だと言う。実際に外国人は日本人ではないし、いくら日本在住歴が長くなろうと、一生日本人にはなれない。最初に「日本人にはなれない」という事実を受け入れると、いくら周りの日本人に”ガイジンであること”を強調されても嫌な気分がしなくなるのだそうだ。
2.男は男、女は女と仲良くなる
日本人の友達も多いグレイスさん。日本人だけの集まりで外国人は自分一人だけという状況も嫌ではない彼女だが、ダブルデートは苦手なのだそうだ。
日本人のダブルデートでは女は女、男は男と仲良くなろうとするのが基本。例えば海水浴のダブルデートをしたときは、日焼けを嫌がる日本人女性は浜辺に残っておしゃべりをしているなか、グレイスさんは男性に交じって水着になって泳いで遊んだ。すると後日、女性陣のなかにの一人が輪に入らなかったグレイスさんの行動を非難したそうだ。
アメリカでは普通のことでも日本では”普通でない”こともある。特に、社会での男女の役割や行動の違いには日本と外国で違いも大きいようだ。
3. 日本人男性と出会う方法は”ある”
アジア人ではない外国人女性にとって、日本人男性と出会うのは至難の業だという。しかし、日本人男性との出会いが全くないのかというとそうではなく、探せばあるのだとか。グレイスさんによる”日本人男性との出会いの場”としては、外人バーや新宿の歌舞伎町前や渋谷のハチ公前にもあるそうだ。
ちなみに外国人だから使える技としては、”道に迷ったふり”をするというのがある。元々外国人女性に興味がある日本人は男性であっても女性であっても、話しかけてくれるそうだ。
4. ステレオタイプはよしなさい
当たり前のことだが、やっぱりステレオタイプは良くない。日本人男性がみな性的差別者というわけではないし、日本人女性がみんなおとなしいわけではない。日本人男性を全員”対象外”にしてしまったり、日本人女性を全員”心の弱い人”と決めつけてしまっては、友達を見つけるチャンスをなくしてしまう。
自分がステレオタイプに当てはめられて、決めつけられたらどう感じるか?を想像してみれば、他人への偏見をなくせると思う。自分が嫌だと感じることを他人にしない。自分自身が”嫌な人にならない”と気をつけていれば、自然と「日本人はこうだ!」という言い回しをしなくなる。
日本生活も4年目だというグレイスさん。日本での生活は彼女の人生の中で最もエキサイティングな経験だと語る。
「いい日もあれば、悪い日もある。忘れてはいけないのは、ライジングサンの国で全く新しい生き方を経験できるチャンスに恵まれているってことです。」
“要は考えよう”ということだ。