国際化、グローバリゼーションの進展に伴い、国際結婚は増加している。国際結婚には、日本人女性が外国人を夫にする場合と、日本人男性が外国人を妻にする場合とがあるが、後者の急増が目立っている。現在、日本人男性と外国人女性の婚姻件数は日本人女性と外国人男性の婚姻件数よりも3倍程度も多い。日本人男性の国際結婚の内訳は…
日本人男性と外国人妻の場合(1万7198組)―― 第1位 中国人41.7% / 第2位 フィリピン人20.5% / 第3位 韓国・朝鮮人(在日韓国人・朝鮮人を含む)17.5% / 第4位 タイ人6.3%…アメリカ人1.1%
日本人の男性は、日本人の女性に比べて中国人と結婚するケースが多い。また、東南アジア出身者、特にフィリピン人、タイ人と結婚することも多い。しかしながら、アメリカ人女性と結婚する男性は全体の1.1%とかなり少ない。
「数が少ないがゆえに、”日本人男性x欧米人女性”のカップルはあまり理解されない」
そう語るのは、日本人男性と国際結婚し、日本で暮らす人気ブロガーの峯田グレイスさん。今回は、そんな彼女が語る「日本人との国際結婚で良かったこと、苦労すること」を紹介する。外国人女性から見た日本人男性との結婚の現実とはいったいどのようなものだろうか。
良かったこと1. 愛する人がいる
これは国際結婚特有なことではないが、やはり愛する人がいるというのは世界で最も幸せなことだとグレイスさんは語る。愛さえあればカップルは長続きできるとは言えないが、愛があればカップルの問題にも立ち向かうことができる。愛する人がいて、相手からも自分を愛してもらえるということだけでも、十分幸せなことなのだ。
良かったこと2. 全てが違っていて新鮮
異文化カップルは常に刺激があり、飽きることがない。互いに違うところがたくさんあり、それを一つ一つ見つけていくことが異文化カップルの面白さであり、良さである。グレイスさんいわく、次に何が起こるかわからない、少しミステリアスな関係でいることがラブラブでいられる秘訣なのだとか。
良かったこと3. ”人類学”を一生涯、学ぶことが出来る
元々日本の文化に興味を持っていたグレイスさんだが、本当に日本文化を理解して好きになったのはパートナーのリョウスケさんと出会ってからだそうだ。彼のおかげで日本とはどういう文化の国なのかを学ぶことが出来たという。
リョウスケさんとその家族、友人たちと一緒に暮らすなかで、日本の家族とはどういうものか、日本文化とは何なのかを経験をもって知ることができたそうだ。パートナーから学ぶ日本文化を通して、文化人類学を一生涯学べるというのが国際結婚の良い面の一つだ。
苦労すること1. 全てが異なる
チャレンジは楽しい。しかし、毎日になると苦闘である。国際結婚の場合、何の努力もせずにやっていくことはできない。グレイスさんは語る。
「その日ぐらしのように生きていくようで怖いと思うこともある。例えば、ベットに入る前に足をウェットティッシュで拭くようにリョウスケに言われても、今はそれを可愛いと思えるけど10年後も同じように思えるだろうか…。」
その反対も言える。リョウスケさんは自立した野心のある女性がタイプだが、5年後、彼の家族や親せきから仕事を辞めて子どもをつくれとプレッシャーをかけられるかもしれない。こういった不安定さが国際結婚の難しい所だという。
苦労すること2. 「妥協できないこと」を妥協しなくてはならない
国際カップルで一番難しいことは”妥協すること”。何を流して、何を流さないでいるべきかという線引きが難しく、常に話し合いで決めていくしかない。
妥協できないことを相手のために妥協していくことが必要である。しかし、彼があなたの宗教に反対している場合はどうすべきだろうか。彼が”女性は結婚したら仕事を辞めて家庭に入るべき”という考え方の男性ならどうする?あなたの日本人の旦那さんが他のアジアの国を見下す人だったら…?彼が男性は浮気をしても当然という考えをしていたら…?
国際カップルでは必ず”相容れない”ことが生じ、これを一つ一つ互いに妥協しあっていくことが必須となる。
苦労すること3. 言葉の壁
日本人のリョウスケさんは英語が流暢で、グレイスさんも日本語が話せる。しかし、どんなに時間をかけて勉強し、どれだけ流暢に話せるようになっても、相手の家族と完全に打ち解けることはできないと彼女は語る。
日本人には理解できないブラックジョークや、外国人には理解できない親父ギャグなど、言語が違うことによる代償は少なくない。
おわりに
グレイスさんの意見は、欧米人男性と結婚した日本人女性の筆者から見て、頷ける点もあれば、理解しがたい点もあった。しかし、全体を通した感想は共通していた。
「私のベストフレンドが違う文化の人で本当に良かった。彼と過ごす毎日は、新しい人生経験の積み重ね。良い日もあれば悪い日もある。彼が私に告白した日に戻れるとしても、また彼の彼女になって結婚していると思う。」