パリで生活していると、観光客らしき日本人を1日に1回は目にします。小奇麗で清潔感のある日本人観光客のファッションを見ていると、やはりパリ在住の日本人とは身なりが少し違うなぁと感じることが多々あります。
海外在住の日本人に限らず、帰国子女やハーフなど、「海外度数」が高めな日本人には共通して言えることですが、日本でいいとされている日本のおしゃれとは少しずれている人が多いです。それでは実際に、海外在住者はどんなところが日本人のファッション感覚と違っているのでしょうか。
そこで今回は、筆者自身の経験や周りのパリ在住日本人の意見を参考に、「海外生活が長くなると理解できなくなる日本人のおしゃれ」を5つ紹介します。全ての海外在住者が同じような感覚になるというわけではないですが、共感できる部分もあるかと思います。
ヘアカラー

海外にいる日本人が在住者かどうかを見分けるには、髪の毛の色を見るのが一番早くて分かりやすいです。海外生活の長い日本人はほとんどが髪の色を染めていません。生え際から毛先まで、自然な黒です。逆に欧米で髪の色が明るい日本人女性を見たら、たいていが観光客、もしくは移住したての駐在員の奥様だったりします。
これは、海外のヘアカラー剤が強く、日本人の肌や髪質に合わないという原因もありますが、長く海外に住んでいると人工的に染めた茶髪がどうにもおしゃれに見えなくなってくる、という人が多いです。欧米人の自然な茶色に比べてみると、髪の色の明るいアジア人というのは何とも不自然で、ちぐはぐな感じに思えてきます。毛先までムラのない一色ならきれいですが、多くの場合が生え際だけ黒かったりして、何となく安っぽいおばさんのイメージです。
やはりもって生まれた黒い髪が一番美しいという結論に至って、髪を染めないという選択をする海外在住者が多いです。自分とは違う人種に囲まれて生活することで、ある種の”原点回避”のような現象が起こっている気がします。
男なのに眉毛を整える

日本人男性は眉毛をきれいに整えている人が多いですが、欧米ではあまり眉毛をそる男性はいません。なかには軽くカットしている人もいますが、ほとんどの人が伸びっぱなしの手付かず状態です。よく見ると、眉毛がつながっている男性も少なくありません。←これもこれでどうかと思いますが。
たまに日本のテレビや雑誌などをみると、「日本人の男性は眉毛が細いなぁ」と思います。欧米の感覚で言うと、整えすぎな印象です。海外では、「眉毛を整えるのは女性」という固定観念があるので、整った眉毛は女性らしさの象徴でもあるわけです。そのせいで、細く整った眉毛の日本人男性を見て、ゲイだと勘違いされることもあるのだとか。整いすぎた日本人男性の眉毛はダサいと思われてしまいます。
かわいい=子どもっぽい

ただでさえ、欧米人のなかにいると幼い印象の日本人。日本にいた頃は、かわいいものに惹かれてそういうものばかりを買っていた人も、欧米社会に入ると自然と避けるようになります。フリフリのフリルややわらかそうなポンポン、リボンなどの飾りがあるものよりも、よりシンプルなものを選ぶようになります。(そういったものしかないという現状もありますが…)
ブランド物は身の丈にあったものを

日本では20代の若い女性でも、ディオールやシャネル、エルメスなどの高級ブランドのバックや財布を持っている人が多いですが、海外生活が長くなると、これもだんだんなくなってきます。
特にパリでヴィトンと言うと、「シャンゼリゼ通りの前で爆買いして行列しているアジア人観光客」を連想してしまうというパリ在住者も多いです。どこかでブランド物に群がるアジア人だと思われたくないと思うせいか、逆にブランド品から遠ざかっていきます。
海外在住者は、アジア人観光客と現地人のブランドに対する価値観の違いの間に立たされるようになり、次第に無理をして見栄を張って、高級ブランドのものを身につけるよりも、身の丈にあったいいものを選びたい、より自然体でいたいという価値観が生まれてくるような気がします。
キメキメのおしゃれ=ダサい

日本人のおしゃれと欧米人のおしゃれの違いを一言で言うなら、”キメている”かどうかではないでしょうか。日本人女性は髪の毛のセットから、ストッキングにハイヒール、バッグをお嬢様持ち…といった具合に全身キメキメなおしゃれをする人が珍しくないですが、欧米人のおしゃれはどこか気が抜けた、肩の力を落とした感じのファッションが多いです。
ヘアもスプレーやヘアケア剤できれいにセットされた日本人女性の髪に比べて、とてもテキトーな感じです。しかし、それがどこかおしゃれでかっこいい。自然体なんだけどおしゃれに見えるファッションが特にフランス人女性は得意です。
まとめ
外国人、日本人と言っても実際のところは人によります。フランスでも髪を染めている人もいますし、全身キメている人ももちろんいます。しかし、日本人が海外で生活した場合、日本にいた頃よりも「日本人らしさ」を優先するのと同時に、周りに溶け込むファッションを心がけるという相反する2つの現象が起きているような気がします。
写真:Artur Chalyj
