海外生活も初めのころはホームシックになってしまいますが、海外に慣れてくると、だんだん「日本にはもう住みたくないなぁ」、「こっちでの生活のほうが楽だなぁ」と思うようになってくる人もいるようです。
そこで今回は、筆者の周りにいる海外在住日本人やネットでの意見を参考に、海外生活慣れした人が「もう日本では暮らしたくない」と思う理由を5つ紹介します。海外在住者のみなさん、あなたにはあてはまりますか?
日本での差別が嫌だから
海外での生活と言えば、「人種差別されるのでは?」と不安になりますが、日本で暮らしていた頃のほうが差別に苦しんだという人も少なくありません。
「元々、日本の生活に窮屈さを感じていました。子供の頃から外見で差別されたりイジメられたりもし、就職しても外見差別は続きました。仕事を辞めて海外に行った時、少なくとも外見では差別されなかったことから海外生活に憧れを抱くようになり、別の国に1年留学しました。」(keikoさん)
「私が日本で仕事をしていた時代の、職場でのセクハラが許し難いものであり、日本社会全体からセクハラ許容の男性天国な空気を強く感じたから。」(えびさん)
日本における差別では、特に男女差別を問題視する女性の声が少なくありませんでした。みんな同じでなければならない窮屈さ、男性社会に対する鬱憤などが原因で日本を離れる決断をする人もいます。
個人主義が楽ちん
これは上の「日本での差別」ともリンクしますが、日本の「こうでなければならない」という型にはめた考え方からくる閉塞感が苦手という人は、海外生活のほうが楽なのかもしれません。こんな人は、欧米のさっぱりとした個人主義のほうがしっくりくるそうです。
「日本では、多様な考え方が受け入れてもらえにくい、というところに住みにくさを感じます。例えば、極端な例ですけれど、学校での給食の時間。ご飯は残さず食べましょう、という道徳観念の中で、[宗教上の理由で、豚肉は食べられません]という生徒がいた場合、どうなるでしょうか。そういった、文化、宗教、人種などの問題に触れた時、日本以外の国にいた方が、楽な時が多いです。いろんな人がいて、いろんな考え方がある、という基盤がある国に魅力を感じます。」(ashtamatrikasさん)
「元々大雑把で個人主義なのでこちらが合ってます。自己責任でなんでもあれ、(基本的に)男女平等、真面目過ぎない国民気質等が良いですね。」(冬子さん)
これは筆者も同意です。日本から離れて、「周りの人にどう思われるか」を常に気にしなくてよくなり、自分らしくいられるので精神的にとても楽になりました。
子どもの将来を考えると…
意外ですが、「子どもには日本の教育を受けさせたくない」と考える海外在住者も多いようです。
「娘には広い世界の中から、彼女が好きな国で生きられる自由をあげたかった。意識して言語等そのように教育し、そのまま自然に波に乗って、一家で外国暮らしになった。」(えびさん)
「私と子供の未来の為に出たと言えます。出るくいを打つ教育方針、私は出るくいを伸ばす事に賛成です。
頑張った人間と頑張らない人間が同じ扱いはおかしいという考えです。」(ちいこままさん)
確かに、グローバル化する世界のなかで、日本は言語の教育要領や“多様性を認める”社会意識という面で遅れているように思います。こういう点で、海外での子育てをあえて選ぶ人もいるようです。
日本ではもう働けない
海外生活の長い人は、帰りたくても、現実問題で「帰れない」そうです。
「私自身、日本に帰りたいと思っていたときに、すでに30を超えていたのですが、就職の募集事項を見るとほとんどが「26歳まで 理由:この年齢層の人員が少ないため」と書かれているものばかりでした。「帰りたくない」というよりは、「帰っても、生活できない」というほうが正しいのかもしれませんが。」(zsmpiraさん)
「在米20年です。日本では学位を持った女性に対する需要が過去も現在もないですね。ですから食い扶持を稼ぎ、なおかつやりがいのあるポジションのある米国に永住権をとりました。おそらく日本へ永久帰国したら貧民になるしかありません。これでは帰ろうとは思えないでしょう。」(茶トラさん)
仮に日本で仕事が見つかったとしても、敬語の使い方やビジネスマナー、しきたりの厳しい日本でまたやっていけるのか不安だ…という声もあります。
海外の生活に慣れてしまった
海外生活は慣れるまでが勝負。海外生活に慣れるまでは辛いこともありますが、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」。熱さを忘れた頃になると、逆に日本に帰ることのほうがストレスになります。
「もう今更一から始めるのは面倒くさいからですね。今の場所で一応生活が成り立っているし、長年住んでいて慣れているし。よっぽどの事がない限り、帰ろうとは思いません。」(kinugoshipeachyさん)
確かに、海外の生活に慣れてしまった場合、また一から「日本慣れ」を始めていかないといけないと考えると、面倒ですよね。
まとめ
結局は、「日本がいい/悪い」ではなく、どこの国でも住めば都なんだと思います。海外が“都”になってしまった場合、「もう日本では暮らしにくいなぁ」と感じてしまうのも仕方がないのかもしれません。ちなみに筆者も、これまでフランスの生活に慣れるのに時間がかかりましたが、今ではこっちの生活のほうがいろんな意味で楽で、「日本でまたゼロから生活をスタートするのは面倒だな」と思います。
海外在住の皆さんは、これから先、日本で暮らしたいと思いますか?また、なぜ海外で暮らすことを決意したのでしょうか?コメント欄で教えてください。
参照:発言小町、ヤフー知恵袋、写真:Lars Plougmann