トランプ大統領がメディアで様々な「ウソの情報」を流している現代。先日発売されたイギリスのタブロイド紙には、パリにはイスラム教徒以外は絶対に立ち入らないほうが良い地域があるという情報が流れ、フランス人たちから批判を浴びました。
2015年1月には、米国テレビ局の「Fox News」がパリには7つの立ち入るべきではないゾーンがあると報道。この入ってはいけない場所には、パリの歴史的地域であり、パリでも有数のアートギャラリーが集まるマレ地区も入っていました。このめちゃくちゃな報道に腹を立てるのが地元のパリジャンたち。
あんたらはパリを何もわかっていない
とばかりに、猛反撃をします。フランス人たちが「本当の意味で」避ける場所というのは、そういう場所ではありません。そこで今回は、「フランス人も避けたがる!パリ旅行で本当に行ってはいけない場所」を10紹介します。パリ在住8年目の筆者も「そうそう!確かに!」と頷きながら、読みました。
凱旋門の円形交差点
パリジャンなら避けては通れない円形交差点でありながら、いつもカオス状態でドライバーに嫌われるのがパリを代表する観光スポットのひとつ、凱旋門。朝の通勤時間帯や夜の18時頃は、どの車も我先に行こうとするので、動画のように無駄な渋滞ができてしまいます。交通ルールなんてものもこの時間はあってないようなもの。
しかし、ここを毎日通るドライバーにとっては「慣れると意外と簡単」だと言います。でも、慣れるまではやはり大変。パリの運転は、パリの人に任せた方が良さそうです。
夏の土曜日のエッフェル塔
エッフェル塔は、世界でもっとも多くの人が訪れた有料建造物です。毎年、世界中から700万人の観光客が押し寄せます。そして、その観光客が1年で最も多いのが、夏の土曜日の午後なんです。
エッフェル塔の人混みを避けて観光したい人は、日が沈んで暗くなってからか、早朝を狙いましょう。言うまでもないですが、平日のほうが行列は短いです。
放課後や日曜日の小さな公園
パリ市内には子どもを遊ばせるための小さな公園=aire de jeuxが、至るところにあります。ここは日本の公園とは少し違い、本当に「子どもを遊ばせるための場所」で、基本的に子どもと親以外は近づきません。
もちろんパリは土地代が高いですから、子どもが遊べる無料の場所をたくさん作ることはできず、また、多くのパリ市民の家には庭がありません。よって、土日になると子連れが大量にやって来て、一つの滑り台をすべるのにも10分くらい待たなければいけない時もあります。特に天気の良い日曜日は家族連れが多く、遊具や遊び場面積に対して明らかに子どもの数が多すぎる状態です。
またパリの働くママたちは、仕事が終わった17~18時ごろから子どもを遊び場に連れていくことが多いので、この時間帯もとても多いです。人が多くてすぐに子どもを見失ってしまうそうです。
うだるほど暑い日の地下鉄メトロ
パリ人は基本的に地下鉄(メトロ)が嫌いですが、なかでも嫌っているのが夏のメトロです。パリの地下鉄内は基本的に冷房が完備されていないので、うだるような夏の暑い日に人が多い地下鉄に乗ってしまったらもう…最悪です。暑さが不快なのに加え、汗臭い体臭が電車内に充満し、むせかえって吐きそうになります。
幸いパリでは、汗をかくような暑い日は1年のなかでも数週間程度ですが、気温が25度以上の夏の日はできるだけ地下鉄は使わず、徒歩をおすすめします。
日が暮れてからのパリ北駅
パリ北駅は、日が暮れるとともに人が一斉にいなくなります。というのも、パリ北駅周辺はパリのなかでも治安が悪いと評判が悪いのです。ドラッグのディーラーや、何もしていないのに駅をうろつく怪しい男たちなどが薄暗い駅にいる情景を想像してみてください。ね、行きたくないでしょう?
しかしながら、パリ北駅はTGVなどの遠距離路線や、ロンドン行きのユーロスター用ホームがあり、パリの国際空港シャルル・ド・ゴール空港の通過駅でもあるので、パリに住む人は何かと使わなくてはいけない駅でもあります(もちろんパリ北駅から来た外国人観光客のパリの第一印象は最悪)。夜間にここを利用しなくてはいけない時は、わき目も降らずさっさとこの場から立ち去りましょう。パリジャンもみんなそうしています。
公衆トイレ
パリの公衆トイレは使わないほうが良いです。ずばり、汚いことが多いからです。運が良ければ、きれいな公衆トイレに入れますが、汚い時といったらもう・・・トイレに入ったことを1日中後悔するでしょう。
パリ市内でトイレに行きたくなったら、カフェやバーに入って、コーヒー代を払ってトイレを貸してもらいましょう。女性ならコーヒーを頼まなくても、悲壮な面持ちで「トイレ貸してください」と懇願すれば、ただで貸してくれるお店も結構あります。ちなみにマダムリリーは、フランスに来て一度も公衆トイレを使ったことがありません。一度チャレンジしてみて、そのトイレの汚さがトラウマになってしまったので、それ以降はチャレンジするのをやめました。
シャトレ駅、というかシャトレ界隈全体
パリの中心にあり、パリで最も大きい地下鉄の駅の一つと言えば、シャトレ駅。ここは多数の地下鉄が交差する乗換駅なので、いつ行ってもたくさんの人で溢れています。それにもかかわらず、地下鉄乗り換えの案内や標識がバカみたいに複雑です。キョロキョロしながら、わけがわからないままぐるぐると駅構内をうろついている観光客をよく目にします。
また、なぜかシャトレ駅は匂います。電車に乗っていて、シャトルに近づくにつれ臭いがきつくなり、シャトル駅では息を止めたくなるくらいです。どんな臭いかというと、土曜の早朝の飲み屋街のビルの臭いとでもいいましょうか。おしっことお酒と吐しゃ物が混ざったような、すえた臭いがします。
シャンゼリゼ通りのナイトクラブ
パリのナイトライフを楽しむなら、シャンゼリゼ通りのクラブへ行こう!と誰もが思いつきそうですが、ここ周辺のナイトクラブはお勧めしません。特に男性は損をします。
まずは途方もなく高い料金を支払ってナイトクラブに入ります。その後、1杯20€程度のドリンクを買うのですが、もちろんお釣りは返ってきません。音楽だって良くないし、クラブにいるのは10代の若者ばかり。しかし、夜が深まるとムードの良い雰囲気になっていきます。
さぁ、ここで男性諸君は帰りのタクシーをどうしようかと考え出す頃ですが、はっきり言ってタクシーはつかまりません。女性なら無料でタクシーに乗せてもらえるそうですが、男はお持ち帰りしようにも外に出されて終わり。どうにかタクシーに一緒に乗せてくれる女性を探すしかありません。
セールとクリスマス時期の大型デパート
人、人、人。どこを見ても人ばかり。ギャラリーラファイエットやプランタンなどの有名デパートは、クリスマス時期になると、家族や恋人へのクリスマスプレゼントを買うお客さんでごった返します。また、冬と夏のセールの時期もゆっくりと見て回れないほどの、人だかりです。中国などではフランスのセールの時期に合わせた旅行ツアーが人気で、セール時期には観光客の数もピークに達します。
人が多くても、お買い得商品を目指して果敢に挑める女性なら問題はないでしょうが、買い物は早く済ませたい派の人にはきついです。特に、女性の買い物に付き合うのが苦手な男性にとっては地獄でしょう。
深夜のブローニュの森
パリの高級住宅街と言えば、パリ16区。そんな16区にあるパリ市民の身近な憩いの場として、昼間や週末は散歩やジョギング・サイクリング等のスポーツを楽しむ人々で賑わうのが、ブローニュの森です。
しかし、日が暮れると表情を変え、パリ市内の一大売春地帯と変身します。以前に比べると取り締まりが強化されたのですが、現在でも日没後になると客引きをする娼婦の姿を見かけることができます。治安はあまり良くないです。間違っても、夜に家族や恋人とのんびり散歩するような場所ではありません。
おわりに
以上が、パリジャンも嫌がるパリのスポットでした。パリ在住者から見ても、なかなか現実的なリストだと思います。パリを旅行する予定の方は、このリストにある場所・時間帯は注意しましょう。