2年前に書いた記事『なぜGACKTはフランスで差別されたのか?パリ在住日本人が語る5つの理由』では、「フランスではフランス語を話せない外国人への風当たりは厳しく、シビアである」と紹介した。
確かに日本では、外国人がアクセントの強い日本語で一言二言何か言っただけで、「日本語お上手ですね!」とおだててくれる人がいるが、これはフランスではまずない。日本では、白人や黒人などの“外国人の見た目”の人は日本語を話さないというイメージがあるが、移民の多いフランスでは外国人っぽいからと言ってフランス語を話さないとは限らないからだ。
片言で一生懸命に、たどたどしい日本語を話す外国人は日本では「かわいい」とか「和む」などと言われて愛されるが、フランスでは「しっかりちゃんとしたフランス語をしゃべってくれ!」と一喝されてしまうだろう。
かくいう筆者も結婚してすぐフランスの滞在許可書を申請した大使館で「しっかりフランス語学べ!」と館員に叱られたことがある。当時はフランス行きが決まって、期待と不安を抱えつつフランス語を本格的に学び始めた頃だったので、あまりの冷たい言い方にカチンときた。
あれから8年経ち、フランスで生活するのに不自由のない程度のフランス語力は身に付けてきたが、筆者の話すフランス語はやはり日本人なまりだし、フランス語ネイティブが話すそれとは雲泥の差である。これまでたどたどしい日本人なまりのフランス語でたくさんのフランス人に話しかけてきたが、片言のフランス語で話しかけられたフランス人の反応にはある一定のパターンがあるな、と最近思う。そこで今回は、筆者のこれまでの経験を元に「片言のフランス語で話しかけられたときのフランス人のありがちな対応」を好感度の高い順から5つ紹介しようと思う。
※注
これはあくまで筆者の主観によるものなので、必ずしも「フランス人はこうだ」というわけではありません。「へー、そういう感じ方もあるのか」程度に読んでもらえると幸いです。
とーっても親切!神対応タイプ
相手がフランス語が得意でないとわかったら、普段よりも親切に、丁寧に、ゆっくり話そうとしてくれるのがこのタイプ。フランス人には非常に珍しいタイプだが、いないわけではない。「言っていることがわからなかったら教えてくださいね」と言ってくれたりするので、フランス語に自信がない人にはとてもありがたい。おそらく、外国人だけでなく困っている人がいたら献身的に助けようとするような性格の人なんだろうと思う。
動じません!変化なしタイプ
次に外国人にとってありがたいのは、フランス人と外国人で態度を変えない人。あえてゆっくり話したりはしないが、他の人と平等に感じよく接してくれる人だ。フランス人で感じがいい人といえば、ほとんどがこのタイプで、数で言うと割と多いタイプなのではないかと思う。おそらく、変に気を使ってゆっくり発音したりすると、逆に相手に失礼だと思っているのではないかと邪推する。
最小限のみ!ミニマムタイプ
次にフランス人にありがちなのは、相手が外国人だとわかったとたんに会話を最小限にとどめようとするタイプだ。お店の人の場合は、プロフェッショナルに必要最低限のことだけ話して早めに会話を切り上げようとするのが見え見えなパターン。おそらくこのタイプはフランス語がよくわからない人=面倒臭いと思っていたり、フランス語でうまく会話ができない相手に気まずさを感じているのではないかと思う。感じ悪いというマイナスの印象を与えるわけではないが、決して「感じのいい人」という印象もない。可もなく不可もないのがミニマムタイプだ。
何が何でも英語で!イングリッシュタイプ
これはとても珍しいパターンだが、外国人観光客の多い場所や催し物なのでたまにいる。若い人に多い。おそらく大学や海外留学などで培った英語力を試したくてしょうがないのだろう。こちらがフランス語で話しかけているのに、あえて何が何でも英語で話してくるパターン。過去記事『英語で話しているのに外国人をムカッとさせてしまう日本人の共通点』でも書いたが、これはあまりいい気はしない。こちらがフランス語で話しかけているのに頑なに英語を話そうとする人は、自己中心的でコミュニケーション能力に欠ける人という印象を与えてしまうと思う。これは日本人にも多いタイプなので、十分に注意すべきだ。
露骨に面倒臭がる!ぶあいそタイプ
そしてフランス人のなかで最も感じが悪いのが、思っていることが全て表情に出る無愛想タイプだ。この手のタイプの人は外国人に話しかけられると「はぁ?なにアンタ、フランス語できないの?めんどくせー」と顔に書いてある。嬉しいこともつまらないことも、仕事中であろうがプライベートであろうが顔に出るので「幼稚」な印象だ。しかし、良く言えば「表裏がない」と言える。気分屋なので、何かをきっかけに急にすごく仲良くなったり、ある日突然態度が180度変わったりもする。日本人ではあまりいない感じだが、フランスでは珍しくないタイプだ。いわゆる、あまのじゃくなフランス人の性格で、これに振り回された繊細な日本人が「パリ症候群」になってしまうのではないかと思う。
おわりに
このように、フランス語を話せない外国人に対するフランス人の対応というのは様々だ。不思議なことに、観光客の多い地域(例:パリ、カンヌなど)であるほど、その土地に住む人は感じが悪い気がする。誰も観光客の来ないようなフランスの地方都市何かに行くと、「ホントにこれが同じフランス人?」と思ってしまうくらい、感じがいい人がいて驚いたことが何度かある。県民性とやらは、フランスには確実にある。
となると、日本はどうなんだろう?やはり外国人観光客の多い京都や東京では、外国人への当たりが厳しいのだろうか。だれかわかる人いますか?
