世界でたった3人しかいないとても珍しい病気と戦う、リジ―・ベラスケスさん。彼女は1日に60回食事をしないといけません。アメリカテキサス州に住む21歳のリジーさんは体重を増やすことができない病気にかかり、生き続けるためには1日5000~8000カロリーを摂取しなければならないそうです。これは15分おきに食事をして60回に相当します。
彼女は新生児早老症様症候群(Neonatal progeroid syndrome; NPS)という病気を患っています。新生児早老症様症候群というのは、出生時から見られる早老症様顔貌, 皮下脂肪組織の減少, 発達遅滞を特徴とする極希な疾患です。このため、彼女は体内に脂肪をストックすることができず、生まれてから一度も体重が30キロ代になったことがないと言います。この病気にかかる子どもは早くから成長が始まり、同時に発達遅延を招くため、彼女は右目を失明しています。
彼女は生まれた頃からとても小さく普通の乳児の洋服が大きすぎたため、母親は赤ちゃんの人形の服を着せていたそうです。生まれてからずっと社会のスタンダードに合わせられなかったと語る彼女。
「廊下を歩いて学食に行ったり、そんな日常の何でもないことで傷つきました。子どもは私をジロジロ見て、指をさし、ばかにして笑うのです。私が違うように見えるから。」
「子どもの頃はよく神様にお願いしました。ある日、目が覚めたら普通の子どもになりますようにと。」
両親は彼女を特別扱いするのではなく、“普通に”育てることにしていたそうです。彼女の両親は語ります。
「彼女に病気のことを隠したり、他の子から遠ざけたりするのではなく、彼女をみんなと同じように外に出しました。誰かが娘に疑問を抱いたなら、それを家族で話し合えばいいと思っています。」
「いつも外に出れば周りの人にジロジロ見られましたが、私は気にしませんでした。私はただ娘を連れて、その時しなくちゃいけない用事を済ます、ただそれだけで。他のお母さん方同様、母親なんです。」
彼女の両親はこれまで娘に何度も何度も手紙を書いてきたそうです。彼女が赤ちゃんだった時、歩くことも話すことも、ハイハイをすることも、考えることもできない子どもだと先刻されたこと。医者にこれ以上子どもを産むなと言われたこと。初めて幼稚園に行って、友達に避けられたことなどを手紙にしました。
しかし、好奇の目や容赦のない嫌がらせは止まりません。幼いころから「skinny bones(やせすぎガイコツ)」と呼ばれ、自分は周りとは違うということで傷ついてきた彼女。凝視されたり、嫌がらせに苦しみ、それを克服するのには何人もかかったといいます。
そしてついに、彼女は生きる意味が何なのか理解したそうです。それは、希望を伝えるメッセンジャーになること。
「信念と友人と家族と。この3つがあって、今の私があるんです。病気をポジティブに捉えるべきだということに気が付いた人生のターニングポイントでも、重要な役割を果たしてくれたと思っています。」
彼女は今、様々な教育機関で講演を行っています。彼女は語ります。
「私の話を聞いてくれる人がいる限り、私はいくらでも話します。1000人の前で講演をして、1人を勇気づけることができるならそれでいい。それが私にとって重要なんです。」
しかし残念ながら、彼女を治療する方法は現在の医療では見つかっていないそうです。彼女は笑顔で「That’s OK(それでもいいわ)!」と言います。
「私は決して変わりません。もし苦しまないで生きてきたら、今こんな風にして楽しく生きていられなかったかもしれない。」
彼女は最後にこう語ります。
“If I live my life the way I do, you can do it too, no matter what.”
私がこのようにして生きられるなら、あなたにだってできる。何があっても。
他人なんだから違って当然
恥ではなく個性
心身の障害は自ら望んだわけではないのに
健康な人よりもすこし不便なだけなのに
大変辛い思いをされていることでしょう
それでも 懸命に生きるのはあたしは
とても強くて美しくみえます
心から幸せを祈っています