彼にふられ、時が経ち少しずつ彼の夢にうなされることもなくなり、楽しかった日々もだんだん「過去」と呼べるようになった。彼とばったり出くわしても、お互いに完全無視。そんな生活が3ヶ月続いたある日。決心した。彼に謝ろうと。時間が経って、心に余裕ができると自分が彼に言ったことを反省するようになった。
I’m sorry for what I told you the other day. Now I think that I said too much. You know what? When you broke up with me, I thought that there were three steps I will have to go through.At first, just after we broke up, I thought “No! I don’t want to break up. I’ll do anything for you so just stay with me!”. Then, I hated you. I felt that I could never forgive you, that I could never forgive someone who hurt me the way you did. From now on, I think that I’ll be able to forget everything and finally wish that you are happy. I think that now I’m between the 2nd and the 3rd step. I think that I’ll reach the 3rd one soon… I really feel sorry for the other day. This is only because I was in love with you that I said such horrible things, that’s all. Now, I think that we can be good friends again as you said before.
私がこの前あなたに言ったこと、ごめんね。言い過ぎたと思ってる。あなたと別れて、私は通らなきゃいけない3つのステップがあると思ったの。まず最初のステップは別れた直後。私は「嫌だ!別れたくない!何でもするから一緒にいて!」って思った。それから、あなたが憎くなった。あなたのこと絶対に許せない、こんなに私を傷つけたあなたを許さないと思った。でもこれからの私は全て忘れて、最終的にはあなたも幸せになってほしいって思えるようになると思う。今の私は第2ステップと第3ステップの間にいて、でもすぐに最終ステップにいけると思うの。この前のことは本当に悪かったと思ってる。あんなにひどい事を言っちゃたのは、ただあなたが好きだったからなの。それだけだよ。今なら、あなたが前言ってたようないい友達にまたなれると思う。
それからまた時が経ち、彼も私もお互い別に好きな人ができた。そしてその恋もまたあっけなく終わろうとしていた頃、私たちはまた2人いろいろなことで話すようになった。本当にたくさんことを語り合った。彼が日本人に対して思ってること、私の友達関係の悩み、初恋エピソード、彼の母親も私の母親も潔癖症だってこと、面白かった映画、他の外国人の噂、大好きなチョコレート、日本企業の発展と成長、馬鹿なフランス人の自意識の高さ、日本社会のストレス、日本語の難しさ、英語の勉強方法…etc.
2人でまた映画見たり、料理したり。お正月カウントダウンに行ったり、幼稚園でサンタクロースになるっていう彼のバイト姿を見に行ったり。楽しい時間は流れるように過ぎていった。
気がつけば私たちは毎晩寝る前に一緒にココアを飲む「ココア友達」になっていた。1杯のおいしいココアと彼とのおしゃべり。こんな時間が1日のなかで1番楽しみになった。彼には幸せになってほしい、心からそう思った。そんなある日、彼と「昔の友達」について話した時、私たちはこんな約束をした。
「いつか、10年後とか20年後とか誰かと結婚して家族ができたりしてさ。それぐらい時間が経ったときにまた会おうね」と。
彼がフランスに帰ってこの先誰かと幸せになって。そして日本に留学した頃のことを思い出す時に、私のことも覚えていてほしいな。この頃の私はそう思っていた。それでいいと思い込もうとしていた。本当の自分の気持ちを隠し続けた。好きで好きで仕方ない気持ちを無理やり押さえ込もうとしていた。
私はあと2ヶ月で大学を卒業する。2ヵ月後には社会人として新しい生活が始まる。まずは社会勉強。仕事に力を入れなきゃ。だからもう下手な恋愛はしばらくお休みにしよう。そう思っていたある日、彼は言った。
「もう一度、カップルに戻ろうか・・・。」
“国際ラブストーリー3~信じきれない痛み”に続く・・・