英語を勉強し始めたころ、母国語が英語の人がとても羨ましかったものだ。英語を勉強しなくても生まれたときから、いろんな国の人とコミュニケーションがとれる。それだけいろんな人に出会え、視野を広げられる。
一方、日本語は基本的には日本でのみ使われている言語で、日本人としか会話ができない。だから昔は「生まれ変わるなら英語圏に生まれたい」などとよく思ったものだ。
その後大学に進学し、周りに日本語を勉強する留学生が増えるにつれ、外国人が「日本語を話せることのメリット」を知るようになった。おかしなことだが、私は日本語の良さを外国人から教わったのだ。では、彼ら(欧米人)が述べる「日本語を学ぶメリット」とは何だろうか?なぜ彼らは第2・3言語として日本語を選ぶのだろうか?
国際交流基金の「2009年海外日本語学習機関調査」によると、日本語を学ぶ目的として、「日本の文化(歴史・文学等)に関する知識・情報を得るため」、「日本の文化(アニメ・マンガ・J-POP等)に関する知識・情報を得るため」、「日本語という言語そのものに興味があるため」、「日本語によるコミュニケーションができるようになるため」の4つが、各教育段階共通の主要な学習目的として挙げられている。
日本独特の文化に興味を持つ外国人は確かに多いようである。歴史的に見ても、1639年から215年間続いた「鎖国」により日本は他国にはない独特な自国文化を繁栄させてきた。近代においても、「ガラパゴス化」で知られるように、文化・制度・技術・サービスなどが日本の市場において独自の進化を遂げ、世界基準から掛け離れてしまう現象が見られる。そんな“日本独特”のものに引き寄せられるようにして、日本語を学習し始める外国人が多いようだ。
経済面からみても、日本語を勉強することのメリットは大きい。例えば、日本語を学習するフランス人の大半は英語が話せるが、「なぜ第3言語として日本語を勉強するのか?」と尋ねてみると、「日本は世界第2位の経済大国だから」という答えが返ってくる。フランス語を母国語としている彼らにしてみれば、同じラテン語を起源にしているイタリア語やスペイン語を勉強するほうがはるかに簡単なのだが、敢えて“日本語”を選択するのは日本の経済力(GDP)を評価し、将来ビジネスで使えると踏む外国人が多いようだ。
しかし今年の年間GDPで見るならば、高成長を続ける中国が日本を上回って世界2位に浮上することが確実とされているため、それに伴って日本語学習者数も減少する可能性がある。実際、日本語学習者が中国語へ流れるというのは結構前からあることのようだが、それでも日本語を学習するものはこんなことを言う。
「中国とビジネスをする場合、たいていの中国人は英語が話せるよね。だから敢えて中国語を勉強しなくても英語さえできれば何とかなるけど、日本人相手だとそうはいかない。大半の日本人は英語が話せないし、日本とビジネスをする場合を考えたら、日本語を話せた方が絶対に有利だと思う。」
英語が苦手とされる、アジア一の経済先進国を相手にするにはその国の言葉を勉強することが必要であり、またそのメリットが大きいと考える人も多いようである。
そんな学習のメリットが高い日本語であるが、欧米ではまだまだ日本語を流暢に話せる現地人というのは珍しく、外国人にしてみればそれだけ重宝される存在になれるのだ。欧米人にしてみれば、日本語は難しい。文法的にも曖昧な言語であり、欧米のアルファベット言語とは根本的に異なる。さらに、“漢字”が一層理解しにくくさせる。そんな難しい日本語を習得するのは困難であり、だからこそ他の欧米人と比較した場合、日本語習得者には大きなアドバンテージがあると言える。
日本に留学していたアメリカ人のチャド(19)はこんなことを語っていた。
「日本人もフランス人も中国人も羨ましいよ。みんな英語以外の言葉が話せる、シークレットコードみたいに。それに引き替え、僕がアメリカ人相手に英語で話しても、周りの人みんな理解できちゃうだもんなー。英語圏以外で生まれた人が羨ましいよ。」
私は全く反対のことを考えていたのだが、彼の言うことは的を射ているのかもしれない。日本語は多くの人が話せる言語ではないからこそ、その価値も高い。その証拠に、日本語学習者は年々増えている。(1979年から2009年の間に機関数は13.0倍、教師数は12.2倍、学習者数は28.7倍に増加、。この3年間に、学習者数は671,941人増加: 国際交流基金調べ)
この調子で日本語学習者が増えれば、日本経済におけるメリットも大きいのではないか。日本の国際化のキーは、日本人が英語を習得することの他に、海外の日本語習得者の数を増やすことにあるのかもしれない。
写真:Luke Ma
現在フランスの高校で日本語を教える者ですが、外国語としての日本語教育について意見を単刀直入に言います:
日本のサブカルチャーという架け橋がある今、経済的な面などあんまり関係ないと思います。少なくとも若者の眼中にない基準です。
子供が日本語を選ぶ最大の理由が漫画です。これは、とにかく凄いことです。経済大国としての立場も大きいですが、中国にニ位を譲ったとはいえ、これからなんだと強調したいです。文化的な面で勝負できます。そして何より日本人が諸外国で日本語をもっとアピールすれば、日本の可能性がさらに広がります。日本が平和外交大国になる種はもう撒き散らされました。隠語めいたと言われる日本語を是非、外化しましょう!!!
私も最近、日本語を勉強しようと思ったきっかけを思い出そうとしていたんですが、この記事を読んでわかったんですよ。とか言いまして。日本語を勉強している私の友達の中でも、皆それぞれの理由ですが、私が思うには、日本語を勉強なさっている方は皆、日本の何かに好きにならないのと、とても難しい勉強です。興味深い記事をありがとうございました。
英語がいろいろな所で使えるからこそ、英語を母国語にしてる人たちはすごい弱点があります。
英語が母国語であることで、他言語を勉強することが少ないことによって言語力がかなり弱いです。他言語を学ぶ必要がないと言っても、脳の働きにはかなり重要だと思われます。しかし、それよりも、「英語で十分」だったら、コミュニケーションがとれても、その国の言語じゃなければ、文化のギャップが超えられないこともあります。
僕は日本語を学びはじめた理由は日本語・文化・自然・歴史・食事など色々興味を持っていましたから。それは色々な外人と同じだと思いますが、現在は日本語を学ぶ理由は興味のためよりも日本で生きるためのツールとなっています。英語じゃないと生きられないと言うわけではなく、日本語が十分でないと文化のギャップは完全に超えられません。僕はオランダ出身であっても、個人的には日本のほうが快適で、これからも自分の日本語を磨いて日本と言う素敵な国で過ごしていきたいと思います。
日本語教師を目指している高校生です。
この記事を読んで、ものすごく嬉しくな
りました!日本語は本当に貴重なものだ
し、その重要性を改めて考えさせられま
した。外国の人々が日本語を勉強してい
るということが、とても嬉しくてたまり
ません!早く日本語教師になって、世界
に日本語の素晴らしさ、日本の文化の素
晴らしさを伝えたいと思います!
希望をありがとうございました!