日本では東出昌大と杏夫妻のほほえましい結婚式が話題になっていますが、結婚式って国によって特徴があり、結構違うんです。日本では当たり前のことでも、外国人からすると驚きだったり…。
そこで今回は、フランス人の結婚式と日本の結婚式の異なるところを7つご紹介します。
余興は即興
興を添えるために行う演芸という意味の「余興」。日本では花嫁花婿の友人や同僚などがビデオを作ったり、その日のために練習したダンスを披露するなど、なかなか手の込んだ余興をすることが多いです。
しかし、フランスでは余興は当日の披露宴中に練習するものです。ほぼ即興で、ぶっつけ本番に挑むというスタイル。なかには数日前から打ち合わせをして余興を披露するという人もいますが、前々から準備をしたり、細かく打ち合わせたりするのが苦手なフランス人らしく、基本的には何でもその場でやってしまいます。ほぼ全てアドリブなのにアットホームであたたかく、面白いものに仕上がるあたりがさすがです。
ご祝儀は気持ち
日本で結婚式のご祝儀というと、友人やいとこが2~3万、叔父叔母が5万、兄弟が10万など、ある程度の金額が決まっているものです。しかしフランスは、ご祝儀でいくら払わなくてはいけないという決まりはありません。それぞれが、自分が思う額を渡すというスタイルです。
実際には、他の参加者と相談して額をあわせるのですが、ご祝儀の相場も日本の半分以下です。ご祝儀のほかには、リストドマリアージュという方法もあります。これは新郎新婦が欲しい物をリストアップし、友人や親族が手分けしてプレゼントしてくれるというもの。フランス人のなかには現金を渡すことに抵抗がある人も多く、この方法をとっているカップルもいます。
新郎新婦がもてなす
結婚式自体の考え方も、日本とフランスでは大きく異なります。日本では、結婚式は参加者が花嫁花婿をお祝いするものという意味合いが強いですが、フランスではどちらかというと新郎新婦が親戚・家族・友人をもてなすものという捉えかたです。新郎新婦がこれまでお世話になった人を集め、感謝の意味をこめて楽しい時間を提供するという考え方のフランス流結婚式。細部にこだわって、招待客をもてなします。
余興が即興なのも、ご祝儀の額が決まっていないのも、参加者の心理的・経済的な負担も少ないせいだと言えます。
長い!
フランスの結婚式はとにかく長いです。朝の11時頃から教会で挙式を行い、その後移動して昼の3時くらいから披露宴がスタート。宴会が夜中の2時~3時くらいまで続きます。朝の7時くらいまでずっと歌って踊るという人もいるくらいです。しかし、このフランスの披露宴の長さも世界的に見れば、普通。
エジプトやリビアなどの中東のほうでは3日間、ロシアでも2日だそうです。アメリカやイギリスでもフランスと同じくらいの長さなので、3時間程度で終わる日本の披露宴が短すぎるのかもしれません。
ジャルティエール
フランス結婚式の風習で定番と言えば、ジャルティエール。これは、ガータートスのことですが、英語圏でのガータートスとフランスのガータートスは少し違います。英語圏では新婦の足につけたガーターベルトを新郎がとり、それをブーケトスの要領で男性に向かって投げるというもの。ブーケトスの男版のような感じです。
これに対し、フランスのガータートスは高いところに花嫁が立ち、スカートを上にあげたり下げたりするもの。男性が「もっと上げろ!」と言い、女性が「下げろ!」と言います。スカートを上げるにも下げるにも、千円程度のチップを払います。この時、もっともチップを払った人が花嫁がしているガーターベルトをとる権利がもらえるというもの。日本人から見ると何だか妙なこの風習ですが、これで結構盛り上がります。
ざっくばらんな雰囲気
司会者がいて、進行がはっきりしていて、会社の上司も参加する日本の結婚式はとても形式ばっていて、かしこまっていますが、フランスの結婚式はざっくばらんでアットホームな感じです。
DJやオーケストラなどはいますが、アナウンサーのようなきれいな声で司会進行をしてくれる人はいません。知らぬ間に余興が始まり、ビデオのスライドショーが始まり、てんでばらばらにお開きになるという感じです。新郎新婦が上座の全員から見られる席に座ることもなく、家族や友人との円卓に一緒に座ります。ちょっと大きめなホームパーティーといった感じです。日本の結婚式よりも、肩の力を抜いた自由度の高い結婚式だといえます。
参加者の服装
日本では結婚式では、白や真っ黒はだめ、肩だしはだめ、黒タイツはだめなどの決まりが細かくありますが、フランスはこのへんも緩いです。女性は華やかなドレスを着て、髪型やメイクもばっちり決めてくる人が多いですが、男性は普段と変わらない仕事スタイルといった感じです。ネクタイをしていない人もいます。日本のような礼服に白のネクタイで来ている人はいません。なかには、デニムにシャツのラフな服装で着ている男性もいるので驚きです。
写真:tangi bertin