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また?フランスで広がる子ども自殺~うつ病の真相

「子ども自殺」。この言葉から連想されるのは、「いじめによる自殺」ではないだろうか?日本では子どものいじめ自殺が報道されるようになって久しい。しかし、増加する子どもの自殺というのは日本だけに限ったことではないようだ。フランスにも、原因はいじめではないにせよ、子どもが自ら命を絶つという悲しい事件が起きているようだ。

先月の新聞のインタビューに応じた児童精神医学者のオリビエール・ルボルは、近年フランスのメディアで度々取り上げられる子どもの自殺について語った。仏紙『ジュルナル・デュ・ディマンシュ』によれば、2008年には26件の子ども(8~14歳)の自殺が報告されている。オリビエールは語る。

「子どもの自殺件数だけを見れば、ごく稀なことのように思えますが、その背後には多くの子どもたちが抱える“うつ”があるのです。」

「こころの風邪」ともいえる軽症から、時には自殺に至るケースもあるという、うつ病。うつが不登校、AD/HD(注意欠陥/多動性障害)、摂食障害などの陰に隠れていることもある。リオン(ローヌ県)大学病院センター(C.H.U.)に勤める子どもの神経精神科医医院長は、その原因の一つとして、「思春期を昔より早く迎えるようになったこと」を挙げている。

「CM1、CM2(小学4年、5年生)を終了後すぐに子どもたちは先輩のあとを辿るようになります。見た目をまねしたり、過度にfacebookを利用(18歳以下は使用禁止にも関わらず)するようになったり。」

「時期尚早な発見と興奮を抑えることが出来ない子どもたちは、性意識や幻滅、大人の汚れた考え、欲情の挑発、ドラッグなどのような思春期特有の関心事に直面し、一番に影響を受けているのです。」

もと、うつ病の原因は色々なところにあるものだが、今の段階で1つ確かに言えるのは、若者の“うつ”というのは、いつもある出来事が原因となって引き起こされる結果であるということだ。オリビエールは明言します。

「状態が悪くなってしまった子どもには、両親の離婚や仲の良かった友達の転校、ペットの死など、鮮明に記憶に残ってしまうような“別れ”を過去に経験しているものです。」

今年2月上旬、パリ北東部の工業都市、リブリ=ガルガン(セーヌ=サン=ドニ県)で、11歳の男の子が部屋で首をつって亡くなりました。

その少し前の1月、リオン近郊では9歳の女の子が5階から飛び降り、死亡。

悲劇的な子どもの事件の連続である。これに対し、若者を担当する政府機関の秘書、ジャネット・ブグラは児童精神科医グループに子どものうつ病件数を見積もるよう指示している。

思春期のうつ病というのは、最近になって増加傾向にある。それまでは複雑な思考をもつ大人のみがかかるストレス障害として見なされ、軽視されていたようだ。

いずれにせよ、ストレスが原因で引き起こる“うつ病”は子どももかかる。自由にのびのびとしていていいはずの子どもが、ストレスで病気になる現代社会というのは何とも虚しい。

写真:David D

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1コメント

  1. 日本でフランス系インターナショナルスクールを経てパリに移住した知人が言っていたこと。
    フランス人は、レイプが多いし、パリは特に拒食症が多い。

    私もヨーロッパ某国で、高校生団体(修学旅行的なものだと思います)に遭遇したのですが、
    明らかに痩せすぎな子が多く、朝からオシャレすぎる、他の女の子を非常に意識している印象を受けました。
    Beauに対するこだわりや、押しつけが多く、男性からも女性はセクシーであるべき、という風潮に疲れ果てている女性もいる気がしますね。

    随分昔のデータですが、フランスは胃薬と精神安定剤(抗鬱剤かもしれない)の服用者が世界一多いというデータを読んだことがあります。そして、個人主義すぎて甘えられない、自分の弱みや悩みを他者に見せられない、
    という事も関係していると思います。

    西欧的な自立は、孤独と紙一重ですから、自殺やうつが増えても当然の流れカナ、と思いました。

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