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フランス独身男性が養子を迎えるワケ3 養父4人へインタビュー

フランスでは、少数ではあるが母親なしで養子を迎える独身男性がいる。彼らの多くは同性愛者だと誤解されたり、世間の偏見に立ち向かいながら子育てをしているそうだ。第3弾の今回は養子を迎えた4人の独身男性にインタビューの続き。シングルファザーとなった彼らのいきさつと、その理由を探る。

<ピエール、39歳、行政官 ~2004年8月、ウクライナから4歳の男の子をひきとる>

時が流れるにつれ、父親になりたいという私の願いは強くなり、願望は必要性へと変化しました。そうしたなかで養子縁組を検討するようになったのですが、わからないことだらけでした。

-一体私にできるのか?

-私の本当のモチベーションは何なのか?

養子縁組の計画を5年間胸の中であたため続け、あれこれ悩んだ結果、既成概念外にある家庭であっても幸せに生活することができるという結論に至りました。一度結論を出すと、その後は全く気に病むことなく養子を迎える準備を着々と進めていきました。しかし、最も複雑で大変だったのは“男”で、“独身”という2つのハンディを受け入れてくれる国を探すことでした。

私は2003年7月、ウクライナの孤児院へ向かいました。そこの中庭のベンチにいると、乳母がボリスを迎えにやってきました。ブロンド髪のボリスは複雑な笑みを浮かべていました。私は手に持っていたミニカーを彼に差し出しました。彼はそれを受け取ると、私と一緒に遊ぼうと膝をよじ登ってきました。

ひとめぼれでした。その時、相互愛を感じたのです。私は自分に言いました。「彼だ、彼が私の息子だ」と。

彼はすぐに私をパパと呼んでくれるようになり、その夜、私はホテルで一人“パパ”という言葉の持つ力を噛みしめました。

その後1年8か月まって、私は晴れて彼のパパになりました。その日は一晩中眠れませんでした。

私は父親と母親の役目をいっぺんに引き受けたのです。これは仕事が2倍になったというよりはむしろ、半分になったと言うべきではないかと私は思います。というのも、ボリスが家庭の中で女性の役割をしようとしてくれるからです。

きょねんは、母の日が近づくととても不安になりました。ブリスが学校で工作した母へのプレゼントを誰に渡すのかと、気をもみました。彼に“喜ばせたい人”は誰かと尋ねると、おばあちゃんを指名しました。

私たちは普通の家族ではないのかもしれないけれど、それぞれが自分の居場所・役割を見出し、とても幸せに生活しています。

<ニコラ、40歳、歯科医 ~ヴェトナムから1歳の男児を迎える予定>

私は愛する息子を待ちきれずにいます。ヴィンは今のところまだ、ヴェトナムの孤児院にいます。養父になるのが実現するには何年もかかるのです。

私が養子を迎えたいと思ったのは、周りで赤ちゃんが生まれた人がいたことがきっかけでした。そのことが私の中に欠けていたもの、とりわけ自分の一部を“受け継がせる”という欲求が開花したように思います。

2004年、私は養父へ向けた最初の一歩を踏み出しましたが、その道がどんなに過酷なものかすぐにわかりました。認可が下りるのに12か月かかり、私は子育てには“不安定”なタイプであることを何度も思い知らされました。

手続きの過程で、ある社会福祉アシスタントには「40歳の独身男性が!…普通じゃない!」と言われ、精神科医の先生によるチェックは「あなたが母親か姉妹と寝たかどうかということは聞きませんので…」という前置きから始まりました。

いくら私の養子を受け入れる決意が固くても、こうしたプロセスは本当に長い時間を要したのです。その後ようやく、私が望んでいた1~7歳児の子どもをひきとる認可が下り、養子申請のため、中国の国際医師へ連絡を取りました。

電話口の女性に「ご夫婦のお名前は?」と聞かれ、「私一人です」と答えると、沈黙が続いて気まずい雰囲気になりました。結局、中国政府は独身者による養親を許可していないことを理由に、私は断られてしまいました。中国では親のいない子ども全体のうち養子に出されることができるのはたったの8%のみだと、私は反論しましたが、電話口の女性は国際医師行政団体の指示というので、私は引き下がるしかありませんでした。

このような団体が今でも活動を続けていると思うと、何てけしからぬことだと思います。今日では、養子引受け許可証を持つ多くの独身男性が、プロフィールが合わないという理由で道の先に立たされ、とどまっています。

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