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イギリス流リーダーの育て方

先日、ある方に聞いてとても驚いた話をしよう。

ロンドンは、言わずと知れた金融の中心地。世界中の金融機関がもれなくオフィスを設けている。先般、日本人なら知らない人はいない某金融機関が、新しい現地トップの派遣を決めてイギリスの監督官庁(FSA)に申請を出したところ、書類審査で跳ねられたという話を聞いた。

イギリスでは、金融機関の現地トップについて、書類審査及び面接で適性を審査する制度(fit & Proper rule)があり、当局の審査を通らなければ、現地トップとしての赴任は認められないのだ。

その金融機関は、おそらくはイギリスの現地法人として、社内エリートを選任したと思われるのだが、当局の回答は、「経営者としての経験のないからNG」というものだったそうだ。その会社は、慌てて、アジアの事務所のトップ経験のある人に差し替えたそうだ。

おそらくは、日本の場合、子会社の社長というのは、上がりポストである場合も多く、将来の経営者への登竜門という意識は薄い。金融機関のトップとなる人が経営経験がある人ばかりかと言えば、そんなことはないだろう。

しかし、イギリスの場合、企業経営こそプロフェショナルなスキルで、経験もない人が出来るという根拠が理解できない、という発想だ。

どちらが正しいのかはよくわからない。ただ、日本の政治の混乱などを見ていると、少なくとも組織経営を成功した人に担当させるべきだと思うのだ。というのも、人を動かして組織を回すのは結構大変だからだ。イエスマンだけ侍らせたり、自分が一番詳しいと言って細部に口出ししたり、相談に来た部下を怒鳴り散らしたりして、うまく組織の力を発揮するなんてありえない。

やはり、行政組織を運営する人は、地方自治体とか色々経験した方がいいんじゃないでしょうか。組織を動かすには人を動かす必要があって、人を動かすには人の心を動かす必要がありますから、組織をうまく動かした人というのは、人間としての魅力がある人であると思う。

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1コメント

  1. 上から4行目
    >新しい現地トップの派遣を決めて

    派遣→覇権 では?

    派遣:人をある業務に向けて送り、働かせること。
    覇権:制覇する、と使う時にもこの覇と言う漢字を使いますが、これには「支配」と言う意味があるようです。

    この記事のみならず、知的で且つ楽しい情報を発信してくれて有難う!とても嬉しい。

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