海外で働く人、結婚する人、子育てする人、学ぶ人にはそれぞれいろんなドラマがある!海外で頑張る人のドラマを「これから海外に行こう」と考えている人に伝えたいと思い、海外在住者にインタビューしていきます。第4回目の今回は、日本で少年時代を過ごした韓国人へのインタビュー。竹島問題、教科書問題、生活保護問題など、様々な問題を抱えている日本と韓国について、日韓両方の意見に詳しいドギュンさんに語ってもらいました。 |
-ドギュンさんは何歳の頃から日本に住んでいたのですか。
ドギュン 5歳の頃から小学5年生までの6年間、東京に住んでいました。両親は韓国人ですが、少年時代を日本で過ごしたおかげで、今でも日本語の方が得意かなと思います。小学6年生の時に韓国に戻ったのですが、韓国語よりも日本語の方がうまくなっていたので、僕の場合はむしろ韓国語の習得に苦労しました。韓国の大学の日本語学科へ進学して、日本へ交換留学生として1年間留学しました。
-子ども時代を日本で過ごし、中学・高校時代を韓国で過ごしたというドギュンさん。ドギュンさんにとって「日本」とはどんな所ですか?
ドギュン 小学6年生で韓国に戻ってからは、日本を「ユートピア」として見ていたところがあると思います。少年時代の記憶を美化していた部分もあるのでしょうが、日本は「行きたくても行けない場所」だと思っていました。大人になってから日本は「行きたければ行ける場所」になったわけですが、今でもそのユートピアのイメージはあまり変わりませんね。
-小学6年生で韓国に戻って、周りの韓国人の反応はどうでしたか?
ドギュン 日本から韓国の小学校へ転校しても、すぐにはクラスに馴染めませんでした。当時はまだ韓国語がおぼつかなかったことも関係しているのでしょうが、周りとの考え方が違うなぁと感じることもよくあったと思います。特に「日本が嫌い」という反日教育や日本を悪く言う韓国人に対しての抵抗感がありましたね。「日本に住んでいた」、「日本語が話せる」というだけで嫌がる人もいました。おそらく僕のような日本に行った帰国子女は、日本で言うところの「北朝鮮に行った帰国子女」のような見方をされていたのではないかと思います。一般的に韓国では「日本から来た人」を良くは見てくれませんね。日本人を蔑む言葉の「チョッパリ」という言葉を韓国人から聞いた時も、何で日本人をそんなに悪く言うのか理解できないと憤りを感じました。
-反日感情を抱く韓国人もいますが、日本のドラマとか芸能人に興味を持っている韓国人もたくさんいますよね?
ドギュン それはもちろん、日本のドラマやアニメ、芸能人などが好きな人は韓国でも多いですよ。昔も今も、日本のエンターテイメントは韓国にも普及していますし。韓国で親日だと言っている人は大抵がこういった日本の「文化面」のファンが多いです。しかし、表向きは日本好きでも、裏では反日感情を持っていることも少なくないです。日本のドラマやアニメの話では盛り上がれても、歴史や戦争などのトピックになると人が変わる。「韓国側の意見が正しい」と言って譲らない人も多いと思います。僕もよく韓国人に「日本との歴史問題についてどう思うか?」という質問をされることがありますが、韓国側が正しいと言ってほしいという期待感を感じますね。
-ドギュンさん自身は日本と韓国の歴史的背景についてどういう意見を持っていますか。
ドギュン 僕はどちらかというと「日本より」の意見なんですよね。日本語でも韓国語でも、どちらからでも情報収集することができますが、どうも日本から入ってくる情報の方が信ぴょう性が高いような気がします。韓国側の歴史的見解には疑問を持ってしまうことも少なくありません。フィリピンのマニラに半年間語学留学してたことがあるんですけど、そこで知り合った日本人に「1965年の日韓基本条約」のことを初めて聞きました。こういった情報は韓国人から聞くことはがなかったので、ビックリしました。彼らの話を聞いて、後に自分でも調べてみての僕の見解では、この1965年の条約で国同士の交渉は終わっているべきなんです。当時の韓国大統領が日本から得た経済協力金を個人や企業ではなく「国の復興金」に当てたせいで、国民にあまり知れ渡っていないのかもしれませんが、偏った情報のみが伝えられ、未だに賠償と謝罪を要求する人が絶えない韓国の歴史教育には疑問を抱かずにはいられません。
それに韓国では文化面での親日は許されても、歴史面での親日は許されないんです。例えば韓国で「日本側の歴史的見解の方が説得力がある」という主張しても、それは「国を裏切る行為」と見なされることが多いです。竹島問題に関しては、韓国人側の主張では「自分たち韓国人の言っていることは正しい」、「だからそれに反する日本人の見解は間違っている」という主張をよく耳にしますが、日韓がお互いの主張が正しいと言うのなら、なぜ同じ歴史的忠実にたどり着かないの?と疑問に思ってしまいます。結局は自分に有利なものばかりをお互いに主張し合うから話が平行線になるのかな、と思います。
ただ、僕が韓国に比べて日本の方がましだなと思うのは、日本ではインターネットの掲示板などで韓国批判の意見ばかりではなく、「韓国を擁護する意見」や「日本を悪く言う意見」なども目にすることが多い点です。これは韓国のインターネット掲示板ではあまりないことですね。僕が思うに、人の数だけ色んな意見があるべきだと思うんです。それなのに、韓国ではみんなが一貫して「韓国が正しい」と主張し、そうでない人に対しては「愛国心がないのか?」と詰め寄り、「国への裏切り行為」だとして感情的に批判される。韓国の酒場でも「韓国側の歴史的見解はおかしい」と言うと、白い目で見られる。よく言えば愛国心なんでしょうけど、みんなが同じ意見を持っているという点に異常性を感じます。「信じたいものを信じている」というか、これも韓国の教育がなせる技なのかな、と。その点、まだ日本では冷静な意見交換ができる印象があります。
しかし、やはり反日韓国人の行動では理解できない点も多いです。例えば毎年8月15日に行われる靖国神社参拝。これに反対する韓国人学生が韓国でもニュースなどで報道されますが、韓国ではこういった場所や行事を妨害する人の方が正しいという見方をされます。でも、靖国神社って240万柱以上の英霊が祀られている場所ですよね?これって韓国にあるUN墓地や6.25戦死者墓地(国立ソウル顕忠院)と変わらないと思うんです。そこにお参りするのが海外の戦死者墓地にお参りするのとそんなに違うのかな?と思います。東條英機やヒトラーなどの個人のお墓にお参りするのとはわけが違うと思うんです。それなのに、靖国神社の歴史的背景を考慮して「不謹慎」だの、「世界征服(他国の植民地化)を企んでいる」だの言う韓国人の主張には同意できません。国を守るために戦い、戦死した英霊のための行事を妨害し、その妨害を褒める国柄が個人的には嫌いです。
-日韓問題を双方から見つめてきたドギュンさんは、今後日本と韓国の関係がどうなればいいと思いますか?
ドギュン 日本と韓国は仲が悪いとはいえ、個人レベルでは何の問題はないと思います。日本人も韓国人も普通に人間同士のお付き合いができるので。韓国が嫌いな日本人は最初から韓国人に近づこうとはしないですし、それはそれでいいかなと。日本と韓国の間に挟まれて嫌なのは、韓国人に対して本心を言えないことぐらいでしょうか…。僕が日本人よりの意見を持っているからなんでしょうがそれでも、相手の話にテキトーに合わせることもできるので、これといって問題だとは思いません。僕は日韓関係は現状のままでいいと思います。
-最後に、日本嫌いな韓国人、韓国嫌いな日本人へメッセージをどうぞ!
日本嫌いの韓国人へ
「自分達が習い、信じている事を盲信するのは簡単かもしれないですけど、自分達が全て正しいと割り切らないで欲しいです。相手の意見を受け入れ、理解した上で改めて自分達の信念を信じて欲しいです。」
韓国嫌いの日本人へ
「韓国を嫌うのは同感です。ですが、個人レベルでの付き合いでは個人差は有るものの、全員が皆“嫌な奴”では無い事を心の隅に残して頂けないでしょうか。(でもタブーには触れないでください。キケンです。相手(韓国人)から触れてきたら口裏を合わせるか、その場を速やかに離脱してください)」
インタビューを依頼した時に「僕の意見は大半の韓国人とは違うから参考にならないかもよ」と言っていたドギュンさん。そんな彼の意見はとてもクールなもので、日本側と韓国側の2言語の相反する主張を冷静に判断し、分析し、慎重に意見する姿勢が感じられた。手にした情報をすぐに鵜呑みにするのではなく、「本当にこれが正しいのか?」と一旦は疑い、自分なりに吟味する大切さを彼から学んだように思う。
私生活では、先月2人目が生まれたばかりという新米パパのドギュンさん。日本と韓国という双方の視点をもった彼が次の世代に何を伝えていくのか、今から楽しみである。
金 鍍均(きむ どぎゅん) |
1983年韓国生まれ。1988年、5歳の時から日本・東京に住む。小学6年生の頃に韓国の小学校へ転校する。大学は日本語学科に進学し、2008年福岡の大学へ交換留学生として1年間留学する。彼よりも早く日本へ留学していた韓国人女性と結婚し、2人の子宝にも恵まれ、現在はソウルで暮らしている。 |