ホーム海外事情日本との違い【世界に広げたい日本文化】外国人の日本食の食べ方が残念すぎる件

【世界に広げたい日本文化】外国人の日本食の食べ方が残念すぎる件

果たして、日本食は外国人が想像しているほどヘルシーで体に良い食べ物なのか?

日本食好きな外国人と話していると、ふとそんな疑問を持ってしまうことがある。昨年末、和食が世界の無形文化遺産に登録されたこともあり、世界中から注目が集まっている日本食。世界で健康食品として認められるのは日本人として、とても嬉しい。

海外の人のなかで日本食に最も興味を持っているのは、健康に気を使っているタイプの人である。日頃から太っていることを気にしている人や、スーパーでは有機野菜のみを買うような人が日本食に一番興味を示す傾向にある。

カナダ人の友人は「日本食はとってもヘルシーで大好き」だと言っていた。彼女はベジタリアンで、かつグルテンフリー(小麦などの穀物の胚乳から生成されるグルテンを摂らないダイエット)。自然食愛好家の彼女は肉はもちろん、パンもパスタも牛乳も飲まない。そんな偏食気味の彼女はインターネットや本から、ベジタリアンでグルテンフリーな食事を検索すると日本の和食に行きつくそうだ。

しかしながら、世界で健康的な食事として日本食が取り上げられる反面、日本食の“正しい食べ方”に触れる人が誰もいないことがとても残念に思う。というのも、外国人の日本食の食べ方はちょっとおかしいからだ。

私はパリの日本食レストランで働いているが、そこに来るフランス人の8割は白いご飯に醤油をドボドボと真っ黒になるまでかけて食べる。他にも変な食べ方をする人が多いのでここで紹介してみよう。

  • お刺身に両面べったりとお醤油をつける
  • とんかつソースをご飯にドボドボかける
  • メインのお皿の上にご飯を入れてぐちゃぐちゃに混ぜる
  • ちらし寿司にとんかつソースをかける
  • メイン→味噌汁→ご飯の順に片付ける
  • うどんやそばなどの麺類を30分かけて食べる

これではせっかくの日本食が台無しだ。醤油で真っ黒になったご飯を食べながら、「日本食は本当に体に良いよね!」と語るフランス人を見ていると、何とも残念な気持ちになる。

なぜ、このような食べ方をするのか。それは、彼ら外国人が日本食の「食べ方」を知らないからである。フランス料理ではアントレ(前菜)→メイン→デザートのように、一つずつお皿を片付けるのがマナーだが、日本はご飯と汁物、主菜をバランスよく減らしていくのがマナー。ご飯に味がついていないのも三角食べをすることを最初から考慮しているからだが、フランス料理のように日本食を食べられてしまっては塩分過多で身体に毒である。そもそも日本食は新鮮な素材のそのままの味を楽しむものであり、フランス人のように何にでも醤油やソースをドボドボとかけられれば、それはもう本来の“和食”とは言えなくなってしまう。

農林水産省のホームページでは、「和食の特徴」として以下の四点が挙げられている。

・多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
・栄養バランスに優れた健康的な食生活
・自然の美しさや季節の移ろいの表現
・正月などの年中行事との密接な関わり

実際のところ、日本食のこれらの特徴を理解している海外の人はごく一部に限られるように思う。

日本食が世界遺産に登録されて以降、「何を日本食と定義すべきか?」という点が日本では議論されていたが、もっと他に世界に向けて発信すべき日本の食文化があるのではないか。食を文化として世界に広げるというのは、言葉で言うほど容易いことではない。

「食する」とは、文化を味わうということ。

外国人には日本食といっしょに、和食マナーの違いや四季折々の味など、文化もいっしょに味わってもらいたいと切に思う。

 

関連記事

13 コメント

人気記事

最新のコメント