住む場所が変われば、子育て事情も変わるもの。海外に住む日本人ママが子育ての仕方に悩むように、日本に住む外国人ママも日本人の子育ての仕方に驚きや戸惑いを感じるそうです。
ニューヨーク出身のアメリカ人ママ、Maryanne Murray Buechnerさんもその一人。旦那さんと2人の息子を連れて、東京に引っ越してきたときは「保護者なしで登下校する日本の子どもたち」を見て、大変驚いたと言います。そこで今回は、日本で生活して5年になるアメリカ人ママの体験談より、「日本人ママのように子育てする方法」を紹介します。日本の子育て事情は、アメリカとはどんなところが異なるのでしょうか?
子どものことばかり話さない
アメリカ人のお母さんたちに比べると、日本人のお母さんはあまり子育ての愚痴をこぼさないそうです。アメリカ人は誰彼構わず子育ての大変ところを話しますが、日本人ママの場合は本当に親しい人のみと話すといった感じ。
また、アメリカでは「うちの子供は~校のサッカーチームに所属している」、「うちの子は~校に通わせている」という会話も普通ですが、日本では自慢しているように聞こえてしまうので注意しなくてはいけない点もアメリカとの違いなのだとか。これは、日本では競争するように子育てをし、いい学校に行かせようと必死になる親が多いことに起因しているのではないか、と彼女は語っています。
いつでもどこでも子どもと一緒、でもハグはしない
日本の親は、子どもが小学生になると子どもたちだけで学校に行かせるようになりますが、小学生になるまでは子どもと常に一緒にいます。日本のお母さんたちはどこに行くにも子どもと一緒で、赤ちゃんのときは抱っこ紐で片時も離れず、お店に行くときも、自転車に乗るときも、常に子どもと一緒です。
これ自体は驚くべきことではないですが、アメリカ人のお母さんにとって不思議なのは、こんなに一緒にいて愛情表現をするのに、子どもにキスやハグをしないという点。子どもが小さいうちは川の字になって一緒に寝たり、お風呂に一緒に入るなどのスキンシップをするのが日本の家庭ですが、アメリカの家庭ではそれらをしない分、キスやハグをして愛情を与えるという方法をとるのだそうです。
自己表現に蓋をする
日本人の子どもは小さな頃から「人の迷惑にならないように」と教育されます。「大きな声で騒がないの!周りの人の迷惑になるでしょ!」というフレーズは、日本全国のママが子どもに言い聞かせていることではないでしょうか。日本では常に周りの人に気を配り、その場の状況に応じて、和やかな雰囲気を保つことが、日本社会でやっていくために重要なことだと考えられています。
そのため、アメリカ人のママから見ると、小さなときから公共の場では大人しくしている子どもが多いそうです。大きな声で楽しそうに話す子どもは、ニューヨークでは「元気がよくて明るい子」としてみなされますが、東京では「凶暴、野蛮、しつけがなっていない」とみなされてしまうと彼女は語っています。
弁当作りに命をかける
「命をかける」というのはさすがに大げさですが、日本人ママの作るお弁当は手が込んでいて、海外でも関心されることが多いです。ちなみに、↑上の写真は、アメリカのスーパーで売られている子供用のお弁当、lunchable(ランチャブル)の内容を真似て、作られたもの。クラッカーとチーズとハムが主食というのは、日本人の感覚からすると、なんとも寂しいですよね。
その点、日本のママたちが作るお弁当は、彩りや栄養バランスまで考えられていて健康的なのに加えて、子どもが喜ぶキャラ弁を作るなど、かなり手間隙がかかっています。
「子どもに適切ではないもの」の線引きが曖昧
これは、フランスに住んでいる筆者もよく感じることです。欧米では映画やドラマ、アニメ、雑誌など全てのエンターテイメントがはっきりと「大人用」と「子ども用」に分かれていますが、日本ではこの線引きが非常に曖昧です。「トイストーリー3」を観るために行った映画館で、「バイオハザードシリーズ」の暴力的なシーンが予告編が流れてきたり、おもちゃ屋さんで本物にかなり似た拳銃が売られていたりする点を、アメリカ人ママは厳しく批判しています。漫画やアニメでエッチなシーンが何の警告もなく流れるのも、アメリカとの違いだそうです。
これは文化の違いだと片付けることもできますが、子どもが見る可能性のあるものには「保護者に向けた警告」をせめてのせるようにするべきではないかと筆者も思います。
花は重要
シーズンにお花見をするというのは、家族の大切な年間行事。赤ちゃんにとっての“初花見”は、絶対に写真におさめたい大切な機会です。桜のある公園や庭ではきちんと区画整理がされてあり、いつ&どこで子どもが走りまわって遊べるかが前もって決められています。
おとぎ話も真面目に受け取る
日本では、おとぎ話をより真剣に受け取っているとアメリカ人ママは言います。子どもに読み聞かせて終わりではなく、七夕や節分など、昔話や民話を元に年間行事としているものまであり、アメリカ人ママには驚きだそうです。
まとめ
以上が、アメリカ人ママから見た「日本の子育て事情の違い」でした。アメリカ人から日本のママがどのように見えるのかがわかって、興味深い記事です。スキンシップの仕方の違いや、自己表現方法の良し悪しなどは子ども時代の教育がそのまま、国民性の違いに繋がっていて、面白いですね。
参照:Time(英語)、写真:Kevin Jaako
4と5は特に共感します。特に5はコンビニに子どもと行ってびっくりしたのは私だけではないはずです。親的にはこういう区分けきちんとしてほしいです。4は時間の無駄と、親の見栄と、馬鹿馬鹿しいですね。海外の方がそういう面で子育てが楽だと思ったことは山ほどあります。