ホームジャパン日本に住むアジア系外国人の苦労、アジア人差別の実態とは?

日本に住むアジア系外国人の苦労、アジア人差別の実態とは?

 見た目がアジア人だと、日本では外国人として見てもらえない…

 日本で生活しているタイ系アメリカ人の筆者の友人が、ポツリとこのように語っていたのを覚えています。彼曰く、白人や黒人のアメリカ人とアジア系アメリカ人では、明らかに日本人の態度が違うのだそうです。

 そこで今回は、あまり語られることのない『日本で生活するアジア系外国人が感じていること』をテーマに、GaijinPotで紹介されていた関東地方に暮らすシンガポール人女性の記事を紹介します。

アジア人が日本に住むとどうなるのか…

 2年前、日本に初めてやって来たときは待ちに待った留学生活への期待と夢で胸が一杯だった。旅行で使える程度の初歩的な日本語しかわからなかったけど、邦画やドラマ、J-POPを通して知った日本のイメージはとても美化されたものだったと思う。

 その頃の私は、「夢の世界」に来たのだと信じていた。でも、勘違いしないで!私は今でも日本が大好きだし、最近では日本の表面的な魅力だけでなく、もっと深い日本を理解し始めていると思う。

私は中華系シンガポール人、シンガポール育ち。母国語は英語で、第2母国語はマンダリン中国語。文化的に、日本はシンガポールとは同じアジアで共通点も多いし、さほど変わらない。だから、いわゆるカルチャーショックもそんなに大きくはなかった。

日本の生活に慣れるのも、大して問題ではなかった。書類の理解や手続きには困ったけど、それ以外は本当に全てが今でも楽しいの。学校では新しい友達もできたし、外国人の子とも仲良くなれて、授業が始まる頃には外国人留学生と日本人学生の両方の友達ができたわ。

しかし、そのうち、他の外国人と私とでは扱われ方が違うことに気がつき始めた・・・

日本では、全てがうまくいってたわ。外国人留学生はみんな私みたいにうまくいっていると思ってたの。でも、他の外国人から話を聞いたり、ブログやサイト記事を読んで、外国人が日本でどのように扱われているかを知った。彼らのなかには必要以上に注目されたり、目を丸くするような驚きや道端で英語で急に怒鳴られるといった経験をした人もいるみたい。面白いものから、変なもの、迷惑なものなど、それらの経験も様々。でも、こんな経験、私はしたことがなかったんだよね。私に注目する人なんていなかったし、特に気づかれることなく行動してた。私はこれで良かったし、変なことがなくてラッキーだとも思ってたのよ。何も嫌なことが起きていない私は感謝しなくちゃとも思ったわ。

でも、そのうち、他の外国人と私では扱われ方が違うことに気がつき始めたの…。もしあなたがアジア人なら(アジア人に見えるなら)、日本人は「あなたの日本語はうまい」と判断するみたい。欧米人の友達とレストランに行ったら、店員はアジア人のあなたに向かって話をするはず。根拠はどこにもないのに、アジア人のあなたが一番日本語がうまいと信じて疑わない日本人。アジア人のあなたがどんなに英語メニューが見たいと思っても、店員さんはあなたにだけ運んでこないってこともあると思う。

日本語がとても流暢なオーストラリア人の友人とカフェに行ったときのこと。店員さんがメニューを運んできて、「英語のメニューがなくてすみません」と言って、まるで私が代表して注文するかのようにじっと見つめられたの。私は何が書いてあるのか全くわからなかったので、オーストラリア人の友人が私に訳してくれたのだけど、それを見た店員さんの驚いた顔と言えば、とっても面白かったわ!

日本では、「アジア人は英語が下手だ」という誤解があるみたいね。見た目だけで判断して、“白人”に見えるなら英語がうまく、ネイティブだと思っている人も多いみたい。アジア人でもネイティブイングリッシュスピーカーになりえるという観念は、日本では存在していないみたいだわ。

“アジア人にしては”英語が上手だね!とこれまで何度言われてきたことか…。その度に、「シンガポールでの母国語は英語だ」と説明しなくてはならなかった(これは日本だけでの話ではないけれど)。日本人に間違えられることもあったし、私が英語で話すとショックを受けて、本当に日本人じゃないのかと疑う人もいたわ。

前に一度、電車の中でシンガポール人の友人と英語でおしゃべりをしていたとき。おしゃべりで興奮しやすい私は、ついつい電車の中でも大きな声で話してしまったの。そしたら、私たちの背後にいた日本人男性が隣の友人に、「見てよ、こいつら。英語で話せるのを自慢してやがる。」って言ってた。

日本に住むアジア系外国人の苦労、アジアそれにもう一つ気がついたんだけど、学校でもテレビでも、「外国人アンケート」なるものはいつもいつも“アジア人”は除外されているよね。誰もアジア人には近づかない。もしアジア人にアンケートしてしまったら、日本人が思う「典型的なアジア人」のステレオタイプに当てはまらないからアンケートしないんじゃないかしら。

白人のように行動が目立たないというのは、一見良いように聞こえるけど、問題は日本人の思う「アジア人のイメージ」にも当てはまらない場合。私はうるさくて、我も強いし、これは日本では受け入れられないでしょう。私は周りの白人と同じようにジョークを言ったり、服装も同じような感じだけど、彼らよりも言動を判断され、批判されているような気分になることがある。

ある先輩に言われたんだけど、私は積極的に授業中に質問したり、ディスカッションにも参加するから「声が大きくて、やかましい」らしい。日本人なら授業中は静かにしておいて、質問は授業後に個人的にするのだとか…。時々、日本での習慣を忘れてしまったり、間違えたことをしてしまったら、欧米人なら「外人カード」を使って、外国人だからしょうがないで許してもらえるけど、アジア人の場合はそうはいかないのが現実。

社会的な場面では、外国人として注目されたほうが得することが多い。アジア系外国人にとって、目立たないと言うのは、絶対に得することではないの。欧米人のほうが特別扱いされて良い思いをすることだってあるし、彼らはいつも周りが助けてくれて、いつも褒められて、いつも話しかけられて、いつも近寄ってくる人がいて、いつも求められている。日本人は欧米人と友達になりたくて、アジア人のあなたには話しかけもしない、なんてこともよくあるのよ。

日本では「デートしたい好みの外国人タイプ」も決まっているわ。欧米で“イエローフィーバー”があるように、日本では絶対に“ホワイトフィーバー”が存在すると思う。アジア人のあなたは日本人の恋人がほしいだって?まぁ、がんばって。無理ではないけど、大して見込みはないはずよ(完璧に髪の毛をセットした日本人女性/男性がライバルになるからね…)。

どの外国人でも日本に適応していくには、それぞれ個人で悩みがあるはず。でもあなたがもし、アジア人なら悩みがもう一つ増えてしまうのではないかしら。多くの外国人の記事や「外人ティップ」は、欧米人の観点で書かれたものが多いけど、それとは全く違うアジア人の経験は少しショックな内容になるかもしれない。

日本に来る全てのアジア系外国人に、私から2つのアドバイス:

  1. “スーパースター”の扱いを期待しない
  2. デフォルトとしての通訳者だと期待されても驚かない

以上。

参照:GaijinPot、 写真:tokyoform

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