国際結婚した方のおよそ40%が離婚をしています。離婚が多いと言われている国際結婚カップルですが、なかには夫婦仲良く協力し合って長続きしている夫婦もたくさんいるんです。この違いは一体何なのでしょうか?
そこで今回は、筆者の周りの国際結婚&離婚した人の話を参考に、国際離婚を回避する6つの方法をご紹介します。「ハーフの子どもが生みたい!」なんて、ふわふわした気持ちで外国人と結婚して、後悔することがないように、離婚しない国際カップルを目指しましょう。
語学力
夫婦で意思疎通ができることが良好な夫婦関係の基本。外国人との結婚では相手の母国語が日本語ではないので、誤解やすれ違いが生じやすいものです。国際カップル間のミスコミュニケーションを防ぐために最も重要な要素が、語学力。相手の国の言葉や共通語(英語など)を、上級レベルまで引き上げる必要がでてきます。
さらに、夫婦の両方が相手の国の言葉を理解できると、互いの家族付き合いもうまくいきやすいので、理想的です。どちらか一方が常に相手に合わせていると、「いつも自分だけが外国語で話している」、「外国語を話す苦労を相手が理解してくれない」という不満が溜まり、夫婦喧嘩になりやすいです。
今現在、相手の国の言葉が理解できなくても、「理解しようと努力する姿勢」が大切。母国語の違う相手と結婚したことをポジティブにとらえ、楽しんで外国語を学ぶようにしましょう。
経済力
帰省のたびにお金がかかる国際結婚は、正直なところお金がないと厳しいです。母国を離れる人は「本当は毎年母国に帰りたいのに帰れない」という不満が溜まり、母国に残る人も「お金に余裕がないのにしょっちゅう帰省されては困る」という喧嘩になります。さらに、子どもがいて海外生活をする場合は、日本語学校やインターナショナルスクールへの支払いもあるので、国際結婚は何かとお金のかかる結婚です。
欧米人と結婚する場合は共働きがスタンダードなので、夫と妻の“両方で”家計を支えるという意識をもつことが大切です。専業主婦ではなく、女性も働いて稼ぐことで国際結婚にかかる出費を2人で解決しようという心構えをしておきましょう。
第一子誕生の時期
筆者の周りで離婚する人のなかで多いのが、海外移住と第一子の出産時期がほぼ同時なケースです。結婚して共同生活を始めてから日も浅く、夫婦の絆が築けていないまま、慣れない子育てと海外適応までしていかなくてはいけないというのは、かなり負担が大きいです。
子育てという責任がない状態で海外にやってきた場合でも、孤独やストレスに打ち勝ち、海外に適応するには時間がかかるもの。その上、夫婦の関係を築いていくための衝突や子育ての不安を抱えるというのは、かなり難しいです。国際結婚の場合はすぐに子どもをつくるのではなく、夫婦が互いに「子どもの将来に責任の持てる夫婦になれた」と思えるときまで待つようにするといいと思います。
子どもがいる場合の国際離婚は手続きだけでもすごく大変です。離婚した場合の親権や面会はどうするかなど、日本人同士の離婚よりもより複雑で、子どもにも負担がかかってしまうものです。そういったことまで理解したうえで、覚悟ができてから子どもをもつようにするべきだと筆者は思います。
相手の家族と仲良くする
夫婦が互いに相手の家族と仲良くしようとすることは、スムーズにコミュニケーションができない国際結婚の場合、非常に重要です。義理の家族とベタベタくっついた関係を築く必要はありませんが、要所要所で頼ったり、甘えたり、逆にお世話をしてあげたり、家族間で「支えあう関係」を築けていると、精神的に楽になれると思います。
面倒だから、つまらないからと義理の家族と疎遠にならず、積極的に仲良くしようという意思を伝えること。言葉は通じなくても、どんな風に考えているかは不思議と相手の家族にも伝わるものです。
よく話し合う
国際カップルは、恋愛しているときから「とにかくよく話し合う」ことが大切です。相手の恋愛&夫婦観、家族観はどんなものか、自分の価値観との違いはあるのかを話し合いながら、互いに理解するようにしましょう。このときに重要なのは、「外国人はこんなものか…」と妙にお利口さんになって、相手の考えを鵜呑みにしないこと。結婚生活が長くなるうちに、ある日突然、不満となって爆発してしまいます。
相手の話を聞いて、相手を理解することも大切ですが、自分の考えもしっかりと伝えることが大切です。譲れない部分ははっきり譲れないと口にして、何でも相手の言いなりにならないよう気をつけましょう。
しっかり相手を見極める
やはり、しっかり相手を見極めることが一番重要です。結婚するときに、「健やかなるときも、病めるときも、これを愛し、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」と言いますが、この誓いを本当に守る人なのか、その覚悟があるのかを見極めることが大切です。
プロポーズされて一気に頭が舞い上がったり、「この先一生独身かもしれない」という焦りから結婚に走るのではなく、冷静に相手の倫理観、道徳観、人間性、人生観、家族観などを観察しましょう。この人なら大丈夫と思える人と結婚したなら、そこから先はあなた次第。「何があってもあきらめずに支えあう」をモットーに、絆の深い風夫婦を目指しましょう。
終わりに
フランスの劇作家、アルマン・サラクルーは言いました。
人間は判断力の欠如によって結婚し、忍耐力の欠如によって離婚し、記憶力の欠如によって再婚する。
結局のところ、離婚するかいなかは「忍耐力があるかどうか」なのではないかと、筆者も思います。結婚するときは目がくらんで誰しも判断力が多少は欠如しているもの…。だからこそ、「どの人となら忍耐力を保っていけるか」を基準に相手を選ぶというのが、国際結婚の場合は特に重要なのではないかと思います。