「女性は文系、男性は理系」
「女性のほうがコミュニケーションスキルが高い」
「女性のほうが言語習得の才能がある」…
このような話をあなたもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。「女性のほうが外国語が得意」というのは単なるステレオタイプなのかもしれませんし、男性と女性の知性の違いに過ぎないのかもしれません。
しかし、これらのステレオタイプが生まれる理由は一体何なのでしょうか?そこで今回は、海外の外国語学習アプリMosaLinguaより、「女性のほうが男性よりも外国語習得が早い?」を紹介し、女性と外国語学習の興味深い関係を探っていみようと思います。
女性と外国語教育の歴史
まずは女性と外国語学習の歴史から探ってみましょう。歴史を数年さかのぼってみても、若いブルジョワ階級女性にとって外国語の学習が欠くことのできない要素だったことがわかります。ここで、“若いブルジョワ階級女性”とされているのは、19世紀までは教育がエリート階級にのみ限定されていたからです。
1789年に英語とイタリア語を学習していたレベッカ・ロジャーという女性の言葉を引用すると、当時はこの2言語が女性の立場の向上に貢献していたそうです。女性は1日最低1時間、もしくは自由時間の4分の一はこれらの言語学習に使わなければならなかったといいます。当時から上品な職業であった翻訳家は、女性が得意とする職業のひとつでした。このように、言語学習は若いブルジョワ階級女性の教育の大部分を占めていました。
歴史は現在まで、女性の多国語話者
その現象は現在まで続いており、女性の言語学習者は相対的に多いです。例えば、フランスでは95,540人の文系学生のうち、70.1%が女性です。そのうちの外国語を専門とする110,813人の学生のうち、74.1%は女性です。また、言語と社会科学の2つを専攻する学生の74%は女性です。これはフランスに限った話ではなく、他のヨーロッパの国でも同様の傾向にあることがわかります。(日本もそんな感じですね)
レベッカ・ロジャーによると、「言語学習は中等教育において女性的な領域である」といいます。しかしながら、これらの傾向が性による知性的スキルの違いからくるものなのかは、未だ判明されていません。
1930年代に入ると、「男性と女性の言語能力の違い」について話題になることが多くなりました。しかし、女性は言語学習を好み、数学には時間を費やさないことからこのような結果になるのか、それとも男女の知性の違いなのかというのは、さして重要なことではありません。
大切なのは、女性の多言語話者が真新しいものではなく、現在までずっと至る所にあったユビキタスであったということ。これが「女性は外国語が得意」と言われる所以です。
お世話になっております。
面白い記事をありがとうございます。
>>海外の外国語学習アプリMosaLinguaでは、外国語を学習する読者にアンケート調査を実施しました。
こちらの詳細を知りたいのですが、原典となるURLを教えていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
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