※ この記事は、言語学者で異文化研究の専門家である Richard Lewis(リチャード・ルイス)が Business Insiderに投稿した記事を翻訳したものです。
This Hiking Story Reveals Cultural Differences Between Finns, Italians, And Japanese
私は以前、イギリス・ウェールズ北西部のバンガ―にあるSt Mary’s Collegeで夏季英語講習の講師をしていた。毎年、様々な国籍の生徒が受講しに来たが、生徒の国籍には良い組み合わせと悪い組み合わせがあることに気が付いた私たちは、ある年から、生徒の募集で実験をするようになった。
例えば、スペイン人、イタリア人、ポルトガル人の組み合わせは最悪だ。食事時間にネオ・ラテン語で会話をするから英語の勉強にならない。ギリシャ人とトルコ人、イラン人とイラク人の組み合わせも同じ理由でダメだ。
だから私たちは、母国語が違いすぎるために英語で話さざるを得ないグループをつくることにした。文法も語彙もまるで違う3つの国の外国人を生徒に選んだのである。
3週間集中英語中級コースの生徒は大半が30代の若いビジネスマンで、生徒数は50人。
私たちは20人のフィンランド人、20人のイタリア人、10人の日本人を募集した。このクラスはとてもスムーズに授業が進んだし、生徒間でフレンドリーなトライアングルができて、とても良かった。それぞれの国が互いの異文化に興味を持って交換し、どの生徒も英語を学ぶ意欲に満ちていた。
そんなある日…。私たちは、イギリスで2番目に高い山・スノードン山に登ってみようという話になった。実はスノードン山の山登りは、それほど難しいものではない。ふもとからバスで途中まで登り、4時間ほど登れば頂上に着く。頂上からは息をのむようなノースウェールズのパノラマが眺められ、天気のいい日にはマージー川、アングルシー島、ランカシャーが眺望できる。
これにはどの生徒も大喜び。毎日6-7時間、教室で英語の勉強をしていた生徒たちにとっては、良い気分転換になるのだろう。私は、水曜日の朝8:30出発のバスに予約をした。
ハイキング前日の火曜日、夕食後に毎晩恒例のダンスパーティーが始まった。このパーティーではいつも同じような光景が見られる。
イタリア人男性が、ブロンドのフィンランド人女性とダンスをする。フィンランド人男性はというと、バーカウンターを占領し、一通り飲んだら、イタリア人女性とダンスする。そして、10人の日本人はと言うと、遠慮がちにダンスフロアの隅で、みんなの足元を観察しながら、ダンスステップを学んでいた。みんな、楽しい時間を過ごしていたのである。
しかし、夜8時くらいから雨が降り出した。それが8時半になると、窓に大粒の雨が叩くようなどしゃ降りになった。9時になってもザーザー降りが止みそうにないのをみて、3人のフィンランド人男性 (以下、「フ」で表記)が私のところに来た。
フ: ミスタールイス
私: なんだい?ジェントルマン
フ: 雨が降ってます。
私: そうだね。
フ: どしゃ降りですよ、豪雨だ。この雨で、スノードン山は泥だらけですよ、きっと。
私: 確かに、そうだね。
フ: ミスタールイス、明日のハイキングは中止にしましょう。
これには正直、賛成せざるを得なかった。以前に大雨の翌日にスノードン登山を経験している私は、これがいかに報いのない無駄なことかを知っていたからだ。パーティーのマイクに近づき、私はこうアナウンスした。
私: レディース アンドジェントルメン!悪天候のため、明日のハイキングは中止にすることにしました。
すると、イタリア人(以下、イ)のうろたえた声が聞こえてくる。
イ: どういう意味ですか、ハイキングを中止にするって!今週の一番の楽しみですよ!それに、僕らが支払った料金にも含まれているのに。一体、誰のアイデアですか?
私: いや、それはフィンランド人が…
イ: フィンランド人は、強い男じゃないのかよ!
イタリア人は叫んだ。すると、フィンランド人は顔をしかめる。イタリア人は続ける。
イ: 空から降る雨粒を恐れるなんて、それでも男かよwwww
イタリア人は、中止を言い出したフィンランド人を、からかい続ける。
このままでは冗談を通り越して、気まずい空気になってしまうかもしれない。そこで私はふと、とてもいいアイデアを思いついた。
私: 日本人に意見を聞いてみよう。
それを聞いた日本人グループのリーダーである50代の山本さんは、少しビックリした様子で私を見つめた。
私: ミスター山本、日本人はこれについてどう思うのですか?
山本: どう思うか?…
山本さんは聞き返した。日本人はみんな頭をあちこちに向ける。
山本: ちょっと待ってください。
山本さんはそう言い、日本人は隅に集まって、日本語で何か相談し始める。5分ほどたって、山本さんは私に顔を向けた。
山本: ルイスさん、日本人は決断しました。もしイタリア人が勝ったら、喜んでイタリア人と一緒に山登りをしましょう。もしフィンランド人が勝ったら、日本人グループは喜んでフィンランド人と一緒に居残ります。
なんだ、その解決策は。彼を大学から追い出すこともできたが、私はこういった。
私: ありがとう、ミスター山本。とても役に立ったよ。
その後も、イタリア人の嘲笑は続く。最終的には仕方なく、フィンランド人は言った。
フ: Sitten lähdetään! わかったよ。それなら行こう。
その後、中止を言い出したかわいそうな3人組はまたバーカウンターのほうへ行き、イタリア人はダンスを続けた。フィンランド人は早めに切り上げて、就寝した。
その夜は一晩中雨がふって、私はろくに眠れなかった。朝8時に起きて、コーヒーを作り、昼食のサンドイッチを荷物に入れた。古着を着て、macを持つ。下でバスが停車したエンジン音が聞こえたので、8時31分ちょうどに玄関へ降りて行った。バスに乗り込むとまず、憂鬱な表情をしているバスドライバーが、私に挨拶をした。
ドライバー: おはようございます、ミスタールイス。
私: おはようございます、運転手さん。
生徒たちに挨拶をしようと振り返ると、そこには不愛想なフィンランド人20人と、ニコニコ笑顔の日本人10人がいた。イタリア人は一人もいなかったのである。
そのハイキングは最悪だった。泥沼のなかで山登りをし、午後1時に頂上にたどり着いたころには全身泥だらけだった。何より霧のせいで、頂上からの眺めは最悪。50メートル先すら見えない。標高3000フィートまで登ってきたのに、頂上からの絶景を堪能できず、何の意味もない。もちろん、そんななかでも日本人は写真を撮る。フィンランド人と、私と、自分たちだけの写真3パターンだ。フィンランド人は魔法瓶に入ったコーヒーを飲み、早めに下山しようと提案した。その後、泥の中を下山するのは、登りよりも大変だったのは言うまでもない。
重い足取りでくたくたになった私たち31人は、午後4時ごろ大学に戻ってきた。
イタリア人を見かけた。その頃には嘘のように太陽が出てきていたのだが、日の当たるテラスでイタリア人は優雅にも午後4時のティータイムを楽しんでいた。フィンランド人が大好きなチョコレートを食べながら…。
イタリア人の近くを通り過ぎるとき、一人のフィンランド人が厳しく言った。
フ: お前ら、何で山登りに来なかったんだよ?
イ: 行くつもりだったさ。でも朝起きたら、雨が降っていたんだよ。
イタリア人は瞬きもせずに言った。
正直何が言いたいのか分からないけれど、日本人はケンカ(戦争)に勝った方に従う民族だと言いたいのかしら?日本人は自分の家の農業用水路やらハウスを確認しに…以外は災害に敏感でイノチダイジニな民族だと思うんですが。豪雨で登山とか絶対危ないからやめようと率先して言う方だと(谷川岳が世界一死亡事故の多い山だったり山の怖さはニュースで耳タコ)。ジョークとして国際的に通じるの、これ。
うーん、というか、話し合うわりにはっきりとした結論を出さない、と言いたかったのではないかと私は解釈しています。
このコメントを書いた後、今回の豪雨で農業用水路に落ちて亡くなられた方が二名いらっしゃいました。ご冥福をお祈りするとともに、災害時はなにより自分の身の安全を図ることを第一に。(書いた内容が内容だったためいささか後味の悪さを感じております)毎年夏になると毎日の様に水の事故、山での遭難による犠牲者のニュースが流れます。これを思うと陰鬱な気分になります。私もですが、野生の勘を信じ危ない橋は渡らない、皆様生きて秋を迎えましょうね。
日本人は主体性がなく事なかれ主義で人に決めて貰うとそれなりに楽しむって事かな
でも実際の日本人なら災害の怖さを知ってるから中止を提案すると思うな
これまた古い。この方、80〜90年代に流行った各国の国民性を入れた小噺を元に小説を書かれた様ですね。(地球の歩きかたなど、旅行ガイドブックのコラムにもこの手の小噺がよく書かれてました。)
●身勝手に生きて人生を楽しむイタリア人。●いろんな意味で野暮ったいフィンランド人。●集団で固まり、主体性がなく周りに合わせて言動する日本人。首からカメラをぶら下げ、どこに行っても写真ばかり撮っている。
今はどうでしょうか。日本の若い世代の生き方は昔とは違うし、
世界が日本を見る目も大きく変わったと思いますが。
昔は日本人旅行者は欧米でよく馬鹿にされてましたからね・・・。
まぁ、古いのは確かですが、今でも欧米の年配の人は日本人に対してこんな印象を抱いていますよ。そう外れた考察でもないと思うのですが。
ここで書かれてる内容に限らず、基本的に国民性ジョークの類は古臭いものが多い気がします。旧ソ連時代のロシアの政治的アネクドートは面白いと言えば面白いんですが、今のロシアの情勢と合ってるかどうかと言われると、一部を除けば合ってないでしょうね。逆に、今のロシアの情勢を反映させたジョークを作っても、旧ソ連時代のものほど面白くならない気もします。
あくまでジョークなので、事実をそのまま書いてるわけではなく、多少(場合によってはかなり)脚色してネタにしてるものが大半かと思います。
日本人が写真を撮りまくってるイメージも、単に昔は日本人が他国の人間と比べてカメラの所有率が高かっただけの話で、今のようにスマホなどで気軽に写真が撮れる時代だと、日本人はむしろ写真を撮ってない方みたいです。ただ、一度出来あがったイメージというのは、例え事実とは違っていても簡単には消えないのが現状でしょう。
職場に身長170cmくらいある女性がいますが、海外(たしかアジア)に行った時に中国人に間違えられたと言っていました。間違えられた理由までは知りませんが、日本人は身長が低いというイメージが未だに残ってるのも理由にあるかと思います。実際には日本人の身長はアジアの中ではそこそこ高い方みたいですが。前に、アジア圏出身の男性が日本の電車内で日本人の身長が実際は低くない事を語ってる動画をネットで見かけましたが、細かくは見てませんが彼は自国では平均以上の身長があるようですが、日本の電車の中では埋まってしまったようです。
日本人も中国人も、欧米では身長が低いイメージだと思うのですが…。英語やフランス語で書かれた「アジア人の見分け方」のような記事にも、身長で見分けるなんてことは書いてないです。体型(体重)の違いは書いてますが。
まぁ、アジアなら頷ける話です。どこの国でしょうかね。気になります。
別に欧米云々の話はしてないですが、日本人の身長が低いというイメージは欧米に限らず、日本よりも平均身長の低い国々でも浸透してるようです。
職場の女性と同じように、ある程度身長の高い日本人女性が、アジア人やブラジル人あたりに身長が高いから中国人だと思ったと言われたって話はネットでも散見しましたので、恐らく職場の女性も同じ理由で中国人に間違えられたんだと思いました。西洋人に身長を理由に中国人だと間違えられたという話は見かけませんでしたが。中国人は北方系は身長の高い人が多いらしいですが、南方系は背の低い人が多く、平均で見ると若干日本人の方が身長が高いというデータがあります。
前に、中国嫁日記の作者の井上純一氏が、在住場所の深センにて、奥さんが買ってきた現地では一番大きいらしいサイズの服すら小さかったという話を書いてた事があります。この人は太ってはいるようですが、日本ではサイズがあるみたいなので、少なくとも深センで売ってる服のサイズは日本よりも小さい事になると思います。
中国人女性は、日本人女性の平均身長よりだいぶ高いですよ。
男性はむしろ、日本人のほうが平均すると高いようですが。たぶん、男はアジアではあんまり差がないと思います。
そういや、自撮り棒で写真撮りまくってるひとは多分中国か韓国の観光客ですが、女性は若干自撮り棒を使ってなかったり、そもそも写真撮ってなかったりする人のほうが背が低い印象があります。たぶん、国内旅行なのでわざわざ写真を撮りまくらないのでしょう。
同じ日本人だけど、話に出てる日本人がどうしようもないやつなのは分かった