フランスに住む日本人が一番不満に思うこと。それは、フランスの郵便局ではないでしょうか。郵便局はフランス語でラ・ポストと言いますが、ラ・ポストは日本の郵便局とは似て非なるもので、まさに月とすっぽんの差です。「届けない、知らない、関係ない」がラ・ポストの基本姿勢。一応は先進国であるフランスの郵便がこれでいいのかと、ホトホト呆れます。
そこで今回は、マダムリリーが「フランスの郵便局って何なの?バカなの?」と思う郵便事情を5つ紹介します。ラ・ポストのテキトーっぷりはいつも想像以上、やらかしっぱなしです。これを読めば、日本の郵便局がいかにいい仕事をしてくれているかがわかるかも?
ラ・ポストは宛名が読めない
例えば日本で手紙を送る場合、封筒の表に宛名、裏に送り主の住所を書けばきちんと届けられますがフランスではこうはいきません。ラ・ポストは封筒の表と裏がどっちかわからないのです。送り主にはきちんと「Expéditeur:(送り主)」と書きましょう。
いや、もっと言えば、「送り主」と明記するだけでは不十分です。以前、手紙を同時に50通送ったことがありますが、封筒の裏に「送り主」と明記して自分の住所を書いたのに、5通が戻ってきました。
郵便局に行って抗議すると、「これじゃどっちが宛名かわからないよ。送り主の住所には大きくバッテンを書かないとダメです!」と言われました。「送り主」とわざわざ書いたのに…トホホ。
ラ・ポストは郵便受けの文字も読めない
ラ・ポストが読めないのは封筒の文字だけではありません。郵便受けの文字も読めないのです。たまに隣人の手紙や荷物がうちの郵便受けに入っていることがあります。そんな時は黙って、その人の郵便受けに入れてあげています。
しかし、フランス人はテキトーな人が多いので、宛名をしっかり確認せずに封を開けてしまう住人もいるのです。以前、郵便受けに上の写真のような、明らかに封を一度開けられた形跡のある手紙が入っていたことがあります。これはおそらく、ラ・ポストが間違えてうち宛の手紙を隣人の郵便受けに入れ、宛先が違うことに気が付かないまま封を開けてしまった隣人が、慌ててホチキスをしてうちの郵便受けに入れたのではないかと思います。
ラ・ポストは隣人に荷物を預ける
ラ・ポストは平気で他人に荷物を預けます。土曜日の朝早く、うちに荷物を届けに来た郵便局員からこういわれました。
「下の階の人の荷物を預かってくれませんか?どうもスーパーに行っているみたいで、不在なんです。」
寝起きで頭が回っていなかったので、思わず引き受けてしまいました。6キロの大きな荷物を残し、嬉しそうに消えていく郵便局員。荷物を預かっている旨のメッセージを入れようと思い、下の階の人の郵便受けをのぞいてみると、郵便受けが手紙で溢れていて、スーパーどころか数か月帰ってきていないようでした。結局、それから1か月以上、隣人が海外旅行から帰ってくるまで、他人の邪魔な荷物を預かる羽目になったのです。
しかし、このまま荷物を届けず、自分のものにしてしまうケースもあるようです。不在票も入れず、ましてや受け取ってもないのに、受け取ったように扱われてることがあるのはこのためです。誰かに届けてしまえば、郵便局としての責任は、そこで終了。その後の荷物の行方なんて、知ったこっちゃありません。
ラ・ポストは基本届けるのが面倒くさい
ラ・ポストは最後まで送り届けるのが、本当に面倒臭いのです。一日中家にいたのに、不在者票が郵便受けに入っていることはしょっちゅう。後で責任を問われたくないので担当者、配達時間の欄は空白のまま投函します。
郵便受けに入らないサイズの荷物の場合、ドアの前まで届けるのが面倒なので、郵便受けの下(地べた)に放置します。放置した荷物が他人に盗られようが、ラ・ポストには関係ありません。「宛先不明」「不在の為持ち帰り」などデタラメな理由をつけて、最寄の郵便局等に預けてしまうこともあります。もうね、はっきり言って仕事したくないんですよ。早く帰りたいんです、フランスの郵便局は。
日本郵便もラ・ポストは特別扱いw
あまりにひどいフランスの郵便局は、日本郵政公社も特別扱いしています。日本からフランスにEMS(国際スピード郵便)で荷物を送った場合、フランス国内ではクロノポスト社が請け負います。しかし、このクロノポストはラ・ポストの傘下会社なので、こちらも非常にテキトーです。
「宛先不明」という理由をつけて、勝手にクロノポスト本社に送り返します。しかも、クロノポストはサイン証明が必要な配送なので、クロノポストの営業時間内に自宅にいられない場合や、荷物の保管期限(原則15日間)が切れた場合は日本まで送り返されてしまいます。そうなると、フランスまでの郵送にかかったお金はすべて無駄です。
これまでは、「私共がEMSでお勧めしたばかりに…」っていうことで日本の郵便局の負担で再送してくれていたそうですが、2007年11月12日からクロノポスト社内にEMSジャパンデスクを開設し、そこが請け負ってくれるようになったそうです。海外に日本語によるお問合わせ窓口(カスタマーセンター)が設置されるのは初めて。ここでは、クレームを受け付け、フランス国内の送達状況をモニタリングし、早く送れよーと促してくれます。
要するに、フランスのラ・ポストのテキトーさは、日本郵便国際事業本部のお墨付きだということです。
終わりに
早い話、フランスのラ・ポストはとってもバカなんです。責任感ゼロ、やる気ゼロ、プロ意識ゼロの集団なんです。仕事のテキトーっぷりはいつも想像以上で、本当に期待を裏切るサービスを提供してくれます。
ラ・ポストにはフランス人もホトホト呆れており、ジョークにしてこんなビデオを作っています。
♪ 6か月前に配送された荷物がまだ届かないよ ♪
♪ くそくらえ ♪
♪ ラ・ポストが失くしちゃったのさ ♪
♪ メルシ―、ラ・ポスト(皮肉) ♪
2つ目は、態度の悪い郵便局員をパロディーにしたコント。「FERME(フェルメ)」とは、「営業時間終了」という意味です。
フランスのラ・ポストには心底やれやれ。真面目に怒るこっちがバカらしくなってしまいます。このヤロー!
メルシー、ラ・ポスト♥
今回のエントリー、興味深く読ませていただきました。
インドや北朝鮮の方がマシかもしれませんね。
ところで、Amazonは、フランス国内ではどの配送業者を使っているのでしょうか。
その販売システムだけでなく、物流にまでイノベーションを押し付けた同社は、こんな体たらくな会社に黙っているとは思わないのですが。
Amazon.frは、ストアによって配送会社(クロノポスト、upsなど)が違います。不思議なことに、Amazonの商品はきちんと届くことが多いです。100%確実っていうわけではないですが。
ラポストでは、Amazonはきちんと届けるように教育されているのかもしれません。憶測ですが。
クロノポストは最悪ですね。俺も少し前に、配送予定日に一日中家にいたのに来なかったので電話したときのやりとりが
「行ったけど不在だった」
「いや、一日中家にいたけど、誰も来てないですよ?」
「違った!住所がよく分からなくって辿りつけなかったんだよ!」
という感じでした。もう怒りを通り越して呆れました
他にも、ある日いきなり配達員が来たと思ったら
「この荷物の送り先の人、日本人っぽい名前だからもし知り合いだったら渡しておいてくれない?」
と言われたこともありました。
あるあるある!と思いながら読ませていただきました。
私はハンガリー在住ですが、ここの郵便事情も大したものです。
EMSの追跡機能で配達、保管となってるのに不在届がないので、担当の局まで出向いて番号を言って受け取ったこともあるし、大事な書類が裂けた状態で「ハンガリー到着時にこの状態でした」と一筆添えて届いたことも。これは日本の郵便局が送料全額返してくれましたが。
こんな有り様にもかかわらず、ハンガリーからEMSを送ろうとするとべらぼうに値段が高い。110gの物を日本へ送るのに6000円近く取られました。
普通郵便が家の門柱の上に置き去りにされていたこともありました。
日本発で3回、ハンガリー発で1回、消滅した郵便物もあります。
まとまりがなくて申し訳ありませんが、エピソードを挙げ始めたらキリがありません。
ちなみにあまりの郵便事情の悪さに、Amazonはハンガリー国内への配達は行っていないそうです。
うわぁ・・・ハンガリーの郵便事情もひどいですね。
110gで6千円なんてボッタくりじゃないですかw
フランスはそんなに高かったっけ…
初めまして、このサイト面白い記事がたくさんありますね。
私はドイツに多く滞在しています。フランスで義務教育を受けました。主にパリとサンジェルマンアンレーに滞在していました。郵便局はお国柄が出るような気がしますね。
経験上、ドイツとチェコの郵便はLa Posteよりちゃんとしています(笑)ちゃんと届きますよ。
チェコに住んでた時なんか旧共産圏のみすぼらしいアパートでエレベーターがない最上階の5階まで20kgの段ボールを汗流しながらせっせと配達員がちゃんと運んできたくらいですから。
La PosteとアメリカのUSPSのサービスは、先進国中最悪だと思います。La PosteはEMSをよく紛失するから普通郵便を使った方がいいとよく言われました。高い郵便物目当てのネズミが局内にいたんでしょうか(笑)最近のLa Posteにはまだネズミはいるんでしょうか・・・(震え声)
初めまして。
記事とても参考になりました!
現在ebayで落札した商品がフランスのラ・ポストから発送されて一週間経つのですが
届くかどうか不安になって、たまたまこちらの記事を拝見しました。
ちなみに、日本からフランスに発送する時と同様、フランスから日本へ発送される時も危険なのでしょうか…。
ラ・ポスト!!郵便局はフランスではそう呼ぶのですね。響きが可愛いんですね。
記事の中で何度もラ・ポストの名前が出てくるのが何だかツボに入ってしまいました(笑)リリーさんのブログ、とてもためになるだけでなく、言葉のテンポもとても好きなんです!!魅力的な方なんだろうなぁ…。
郵便局ですが、スペインも結構すごいです。
スペイン人の夫とまだ友人関係だった頃、日本から送った荷物(ポッキーなどのお菓子入り)が税関で二週間止まってしまい、数回の交渉の後、なぜか夫が20ユーロ超えの税金を支払ってやっと受け取ることができたそうです。
夫が来日する2ヶ月前に送ったお菓子の荷物も税関で止まり、日本で結婚して忘れた頃に送り返されて来て、二人で開けて食べたこともありますね。
ちなみに今はスペイン在住なのですが、日本からの手紙が行方不明です(笑)
思わず噴き出しました。 でも手紙や荷物を近くまで持って来るから未だましな方。 イタリアと来たらこれ配達しないといけないの?が普通、配達局の片隅、場合によっては税関の置き場に3ヶ月も置かれたままなんて日常茶飯事です。
インドネシアでは「小包が来たから取りに来い!」との連絡があってのこのこ取りに行くと即座に手が出て手数料(袖の下)よこせが普通です。
DMLとKPNも適当なところがありますが、フランスに比べると荷物の遅延はあっても紛失率は少ない。
ポーランドやカナダにも送ったことがありますが、無事に届いています。
日本だとすぐに喧々諤々のクレームになってしまいました、フランス人はエスプリありますね~。