市場調査会社BMIリサーチは、「未来の新興国市場トップ10」の最新版を発表した。これらの国は、この先10年間で最も経済成長が著しい国だ。
BMIリサーチの推定によると、これら新興国は2025年までに世界のGDPを4.3兆ドル押し上げるとされている。これは、現在の日本の経済規模と同じである。
一般的に、建設事業と製造業が、経済成長を支える産業だ。BMIの報告によると、バングラデシュやミャンマー、パキスタンなどで、この業界の成長が著しく、「未来の新興国市場トップ10」に大きく影響を与えている。逆に、鉱業、石油、ガスなどの産業は過去15年間に比べ、衰退傾向だ。
これから10年間で最も成長する新興国と、その成長を支える業界は以下の通りだ(※ 10か国を列挙したものであり、ランキングではありません)。
バングラデシュ

- 第一次産業部門: アグリビジネス(農業関連産業)
- 主要な輸出品: 衣服、農業商品
- 2015年のGDP成長率: 6.4%
- 失業率: 4.9%
- 為替: 1ドル、77.42バングラデシュタカ
エジプト

エジプトは、アフリカでは屈指の経済規模でありBRICsの次に経済発展が期待できると言われているNEXT11の一国にも数えられている。都市エリアへの移住が進んでおり、毎年100万人の人口移動が起きており、これはこの先10年間続くとみられていることから、エジプトの住宅産業への投資をしている会社も多い。(Data from the CIA World Factbook)
- 第一次産業部門: 天然ガス
- 主要な輸出品: 石油、野菜果物、綿
- 2015年のGDP成長率: 4.2%
- 失業率: 12.8%
- 為替: 1ドル、7.72エジプトポンド
エチオピア

急速な都市化と、インフラ整備のための建設業の発展が、この国の経済成長を押し上げるのではないかと予測されている。エチオピアの建設業の成長はサブサハラアフリカでトップである。2016年から2025年までの実質経済成長率は10.7%になると予測されている。(Data from the CIA World Factbook)
- 第一次産業部門: アグリビジネス(農業関連産業)
- 主要な輸出品: コーヒー、オイルシード、野菜、金
- 2015年のGDP成長率: 10.2%
- 失業率: 16.8%
- 為替: 1ドル、21.55エチオピアブル
インドネシア

- 第一次産業部門: アグリビジネス(農業関連産業)
- 主要な輸出品: 鉱物性燃料、機械部品
- 2015年のGDP成長率: 4.8%
- 失業率: 5.5%
- 為替: 1ドル、13,577.6インドネシアルピア
ケニア
- 第一次産業部門: データなし
- 主要な輸出品: 紅茶、園芸製品、コーヒー
- 2015年のGDP成長率: 5.6%
- 失業率: 40%
- 為替: 1ドル、 99.73ケニアシリング
ミャンマー
2010年にミャンマーは民政移管を果たし、2011年に就任したテイン・セイン大統領が経済開放を進めたことにより、ミャンマー経済は再び国際社会に復帰。「アジア最後のフロンティア」と呼ばれるまでに経済成長が有望視される国家へと変貌を飛げた。現在のGDP成長率は7%と他の新興国に比べても高く、今後ますます成長するのではないかと、世界の投資家に期待されている国である。(Data from the CIA World Factbook)
- 第一次産業部門: 鉱業
- 主要な輸出品: 天然ガス、木材
- 2015年のGDP成長率: 7%
- 失業率: 5%
- 為替: 1ドル、 1,171.8チャット
ナイジェリア

ナイジェリアはアフリカ屈指の経済大国であり、アフリカ経済の4分の1を占める規模を持つ。ナイジェリア統計局の発表によると、2013年のナイジェリアのGDPは約5100億ドルであり、日本の大阪府に兵庫県を加えたのとほぼ同じ経済規模である。 サハラ以南アフリカで最初にOPECに加盟を果たし、アフリカ大陸ではエジプトと共にNEXT11にも数えられており、日本を超える人口の多さも相まってアフリカ最大の規模である。このGDPの規模は、世界24位であり、G20のすぐ下に付けている。
- 第一次産業部門: データなし
- 主要な輸出品: 石油、カカオ
- 2015年のGDP成長率: 2.7%
- 失業率: 23.9%
- 為替: 1ドル、 196.9ナイラ
パキスタン
- 第一次産業部門: アグリビジネス(農業関連産業)、石油
- 主要な輸出品: 布、米
- 2015年のGDP成長率: 4.2%
- 失業率: 6.5%
- 為替: 1ドル、 101.45パキスタン・ルピー
フィリピン
キーセクターは自動車産業と建設業。健全な個人消費量と、建設ブームは相まって、乗客用の乗り物と商業用の乗り物の両方に大きな需要が生まれる。 汚職行為を防止する策ができたり、経済ビジネス環境の整備のおかげで、フィリピンへの投資を助けている。(Data from the CIA World Factbook)
- 第一次産業部門: データなし
- 主要な輸出品: 半導体、電子部品、 輸送用機器
- 2015年のGDP成長率: 5.8%
- 失業率: 6.3%
- 為替: 1ドル、 45.503ペソ
ベトナム
労働人口の66%が第一次産業に従事しているが、近年は第二、第三次産業が急成長。観光業の伸びが特に著しく、重要な外貨獲得源となっている。今後は製造業と建設業の成長が期待され、海外の投資家にとって魅力的な国であることは間違いない。サムスン電子とキヤノンは、莫大な資金を投じてベトナムで電子機器の生産・サービス拠点の建設を進めており、ベトナムが中国に次ぐ「世界の工場」の座を射止めることができるかが世界の企業家から注目されている。
- 第一次産業部門: アグリビジネス(農業関連産業)、石油の精製業
- 主要な輸出品: 衣服、靴、電気機器
- 2015年のGDP成長率: 6.7%
- 失業率: 3%
- 為替: 1ドル、 21,928ドン