ホームエンタメ歴史でわかる!日本女は海外でモテるのに、男はモテない理由

歴史でわかる!日本女は海外でモテるのに、男はモテない理由

日本人女性は海外でモテますが、日本人男性はモテない…と、一般的には言われています。

海外の出会い系サイト”Are You Interested”が240万人のユーザーに調査したところ、白人、黒人、アジア人のなかで最も異性に人気があるのはアジア人女性と白人男性ということがわかりました。反対に最も人気がなかったのは、黒人女性とアジア人男性でした。

男性と女性の違いはあっても、どちらも同じ日本人。手足が短く、身長が低く、やせ形という身体的な特徴や、薄い印象の顔、小ぶりなパーツなどの顔の造りも同じようなのに、なぜ男性と女性でこんなにも評価が違ってしまうのでしょう…?

この疑問を解決するために海外のサイトを調べていたら、とても面白い動画を見つけました。そこで今回は、海外のアジア人男女に対する性的魅力に関するステレオタイプを、歴史の観点から捉えたものを紹介します。あなたは、なぜ日本人女性はモテて、男性はモテないのだと思いますか?

 

アジア人女性がモテる理由とは?

歴史でわかる!日本女は海外でモテるのに、男はモテない理由

アジア人女性に対する勝手なイメージ

アジア人女性は単にモテているわけではありません。アジア人女性に対して勝手な幻想を抱く男性が多く、そのせいでアジア人女性を盲目的に崇拝している男性もいるほどです。アジア人女性は、submissive(服従する)で、Hypersexuality(セックス好き)で、Exotic(エキゾティック)な魅力にあふれる女性だというイメージを持たれています。

アジアで生まれ育った人だけでなく、アメリカなどの欧米で生まれ育ったアジア人にもこのようなイメージを持たれるそうです。ちなみに、ビデオの0:58辺りで登場してくるアジア人女性はこれまでに、

  • “I’ve never dated one of your kind before. “「君のような種類の人とデートするのは初めてだよ」
  • “They are more docile. “ 「アジア人はもっと扱いやすいよね」
  • “They are just tighter” 「アジア人はもっと引き締まってるよね(色んな意味で)」

と、言われたことがあるそうです。

アジア人女性に対するイメージはいつ始まった?

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Madame Chrysanthèmeとは?

日本人女性がヨーロッパで注目を集めるようになったのは、今から100年以上前。1800年代後半に、日本や中国との貿易が盛んになったことと、フランスの小説Madame Chrysanthème(マダムr・クリサンテーム)が人気を集めたことに起因します。

彼女の小説は、長崎を訪れた海兵が、自分の出世のために一時的な妻をもつという話です。彼が妻として求めていた女性は、「小柄で、クリームのようななめらかな素肌をもち、黒髪で、猫目、可愛らしくて、人形よりも大きすぎない女性」だったそうです。

ある日、海兵の男性は現地の日本人女性に出会います。この時のことを、小説ではこのように表現しています。

“Grovel before me on the floor, placing all this plaything of a meal at my feet.”
— 僕の前で地面にひれ伏し、僕の足元におもちゃのような食べ物を並べていった。 —

ちなみに、playthingには2つの意味があり、1つは遊び道具やおもちゃと言う意味で、2つ目はおもちゃ扱いされる人、慰み者(一時の慰みにもてあそばれる者)という意味です。

しかし、当時はこの小説がヨーロッパじゅうで大流行し、ほぼ全ての主要なヨーロッパ言語に翻訳されていくのです。この本の人気は凄まじく、作者が生きている間になんと200回も増版されました。オペラ演劇の『蝶々夫人』はここからアイデアを得て、作られた作品だとされています。

戦後の日本人女性と特殊慰安施設協会

フランス人小説家がもたらした日本人女性の柔順でエキゾチックなイメージはその後も変わることなく、米国は中国、日本、ベトナムと戦争を始めます。

そして第2次世界大戦以降、約20万人の日本人女性が日本政府から性的奴隷として米軍兵士へ送られました。彼女たちは特殊慰安施設協会という場所へ送られたのですが、これを英語では Recreation and Amusement Association と言い、直訳は「余暇・娯楽協会」という、本来の意味とはかけ離れたひどいものでした。

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連合国軍占領下の日本政府によって作られた、同軍兵士の相手をする売春婦

日本とアメリカでの売春は、その後韓国やベトナムにも流れていきます。ちなみに、当時のアメリカ軍の85%は、売春を目撃したことがあると回答。

つまり、歴史上最初にアメリカ人に与えた日本人女性のイメージは、「服従的な、セックスの対象とされるだけの人」だったというわけです。このときのイメージが戦後3世代経った今でも完全には消えておらず、さらに日本の風俗や水商売の存在や日本のAV産業の発展ぶりなどが、日本人女性=服従的というイメージを後押ししているのです。

 

日本人男性がモテない理由とは?

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米国にやってきた移民、アジア人男性

対するアジア人男性のつくりあげられたイメージはひどいものでした。1800年代から、アメリカへ低賃金労働者として多くのアジア人が移住してきましたが、ここでアジア人男性は人種差別を受けることになります。

例えば、当時はアジア人男性に土地や不動産を所有することを禁じた法律がありました。法律的に、アジア人男性は「一人前の男」ではなかったのです。

また、当時はアジア人男性が重工業で働くことを禁じた法律もあり、アジア人男性は料理や洗濯などの”女っぽい仕事”をするしかなかったのです。このような状況から、アジア人男性=女っぽいという偏見がつくられていきました。

1882年には、中国人の米国入国を禁じる法律ができました。これにより、すでにアメリカで生活していた中国人がアメリカで結婚することができなくなったのです。

当時存在した”anti-miscegenation low(雑婚禁止法)”により、アジア人男性はアメリカの多くの州で、白人女性と結婚することを禁じられていたからです。事態はさらに加速し、1920年には白人以外の女性がアジア人男性と結婚したら、永住権をはく奪されるという法律ができたのです。

これらの法律による攻撃によって、アジア人男性は結婚して家庭を築くという選択肢を奪われてしまいました。アジア人男性は次第に無気力になり、性的魅力がないと判断されるようになりました。

ハリウッドに見るアジア人男性のイメージ

当時のこのような時代背景は、ハリウッド映画にも反映されています。例えば、映画『すてきな片思い』に出てくるlong duk dong。

他にも、アメリカのテレビドラマ『NYボンビー・ガール』に出てくるアジア人男性。

最近では、映画『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』に出てくる、ミスターチョウが記憶に新しいのではないでしょうか。

このようにアジア人男性が映画やドラマに登場してくることはほとんどなく、あったとしてもハリウッドで伝えられるアジア人男性のイメージは、”カッコイイ”とはほど遠いということがわかります。

嘘だと思うなら、アジア人男性がロマンティックにきれいな女性とキスするシーンを海外の映画やドラマで観たことがありますか?ほとんどの人が「見たことない」と答えると思います。

 

おわりに
今現在のアジア人女性&アジア人男性に対する偏見やステレオタイプの原因のすべてが、これらの歴史のせいで、それが現在にも続いていると言うのは少し無理があると思います。しかし、その昔、まだアジア人がどういうものかがわからなかった時代につくられたイメージをもとにして受け継がれ、演劇や映画、ドラマが作られてきたとすれば、アジア人が一部の人に偏った見方をされている理由も納得がいくのではないでしょうか。

それと同時に、アジア人に対するイメージも時代とともに変わってきているようにも思います。例えば、2010年から製作されている大人気ドラマ『ウォーキング・デッド』では、グレン役のアジア人男性が初めて、コミカルでオタクではなく、”ごく普通の”男性として描かれており、人気を集めています。

歴史でわかる!日本女は海外でモテるのに、男はモテない理由
映画『walking dead』 グレンとマギー

このように、アジア人の偏見を覆すようなメディアがこれから増えれば、アジア人に対するイメージがより本物に近づいていくのではないかと期待しています。

アジア人だから好きだと言うのも、アジア人だから嫌いだと言うのも、どちらも人種差別。
歴史から学び、同じことを繰り返さない世の中になるのを願っています。

↓ 参照動画(英語)

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