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高校に行きたくない子の親の対応|不登校経験者からの4つのアドバイス

先日ラジオで、高校2年生の娘が不登校になって悩んでいるという相談を聴いた。娘が学校に行きたくないといい、かと言って他にしたいこともなくて、親としてどう接すればいいのかわからないという内容だった。

これを聴きながら筆者は「あぁ、この子15年くらい前の私をそっくりだなぁ」と思った。何を隠そう、マダムリリーも高校不登校&中退の経験があるからだ。

「不登校」と聞くと、勝手にいじめられていたと決めつける人がいるが、筆者の場合はそうではない。小さいころから明るくて社交的な性格だったので、友達ができないと悩んだことは今までで一度もない。成績も良い方で、定期テストではクラスで1位になることもしばしば。自己評価が低くて自分に自信がないタイプでもなかったし、かといって「優秀な生徒」でもなかったが、とにかく頑固で我が強かった。

昔から集団行動や周りに合わせるのが嫌いで、中学生の頃から学校が窮屈になり、次第に行きたくないと思うようになった。高校に入ると、ますます学校が嫌になり、こんな所に一日10時間近く拘束されるなんてアホみたいだと思った。

学校の何がそんなに嫌だったのか。今となっては、それこそアホみたいな理由だったと思う。意味不明な校則に縛られたくないとか、表面的で当たり前なことしか言わない教師が嫌だとか、友達と女子のグループを作らなくちゃいけないのがだるいとか、周りに合わせなきゃいけないのがしんどいとか、ノートの取り方まで指導されるのはバカみたい、自由に勉強させろとか、そんなようなことを当時は言っていたのだと思う。

そんなこんなで、高校一年のGW明けには学校に行かなくなり、後に中退。毎日バイトしながらブラブラして、友だちと遊んでは道を外しまくった。落ちるところまで落ちて、「人間一度道を踏み外すと、そこから落ちていくのは早い」ということを17歳にして学んだ。

何がきっかけだったのか今となってはわからないが、ある時「このままではいけない」と気が付き、高校2年で大学入学資格検定(大検)を取得。親に頼んで予備校に行かせてもらい、1年間必死に勉強して第一志望だった偏差値60の私立大学に同級生と同じタイミングで入学した。

今振り返ってみると、あの「高校行きたくない騒ぎ」は一体何だったんだろう?とも思うが、おそらく当時の幼い私なりに「生き方探し」をしていたんだと思う。義務教育が終わって働き始める友達もいる中で、自分にとって居心地のいい場所はどこか、どんな大人になりたいのか、どんな人に囲まれていたいか、自分らしくいられる場所はどこか…。そんなことを日々悶々を考え、「社会は厳しい」という大人たちに反抗して、甘えて、自堕落に過ごしていたような気がする。

ちなみに、2010年の調査によれば、全国の高校生のうち51,726名が不登校の状態に陥っているらしい。文部科学省が2009年に行った、高校生で不登校になったきっかけを調べる調査では、1番人数が多かった理由は、いじめや学業不振に当てはまらない「本人に関わる問題」(18,631名)だった。

不登校になる理由は子どもによって様々だが、このデータが示すように高校生の不登校に関しては、筆者のようにこれといった理由がないのに何となく不登校になってしまう人も多いのではないだろうか。若いがゆえに社会をなめていて、若いがゆえに根拠のない自信を持っており、その割にはやりたいことがわからない。

そんな子どもに周りの大人たちはどう接していけばいいのだろうか。そこで今回は筆者の不登校&高校中退の経験を元に、親御さんが不登校の子供にどう接すればいいのか4つのアドバイスにまとめてみた。全ての不登校の子供のケースに当てはまるわけではないが、子どもの気持ちがわからずにどう接するべきか悩んでいる親御さんの力になれたら幸いだ。

 

高校中退・不登校経験者からのアドバイス

原因を探りすぎない

子どもが学校に行きたくないと言い出したら、子どもの言い分を聞いてあげて原因を探るというのは親として当然のことです。しかし、ここであまりにも深刻に「うちの子の何が問題なの?」と追及してもあまり意味がありません。なぜ学校に行きたくないのかをうまく自分の言葉で説明できない場合もありますし、子ども自身がなぜそんなに学校が嫌なのかよくわかっていない場合もあるからです。

周りの大人は、とにかく深刻になりすぎないこと。ネットで「不登校」で調べると、「克服」だの、「立ち直る」だの、「問題」などのキーワードがたくさん出てきますが、当の本人はそんなに大きな問題だとは思っておらず、「行きたくないから行かないだけなのになぜそんなに騒ぐの?」と思っているはずです。まるで高校中退や不登校は人生の終わりのようなマイナスの表現を使って脅す人がいますが、これは子どもを追い詰めるだけでいいことはありません。

さらに、「私の育て方の何がいけなかったんだろう?」と言って悩む親がいますが、これも子どもは結構傷つきます。私はそんなに問題児だったのか!と思い知らされたようで、ショックで心が荒れていきます。小さい子どもがすねるように「はいはいどーせ私は問題児ですよ」と思い、親にますます心を閉ざしていきます。

元・不登校経験者の立場から言うと、子どもが不登校になったぐらいのことで、それまで親としてやってきたこと全てに自信をなくす必要はありません。堂々としていればいいんですよ。高校に行きたくないと言い出すのは、その子の「問題」ではなくて「個性」だと筆者は思います。どう生きるかと進路に迷うのは、正常な子どもの成長段階なわけで、それがちょっと他の子より不器用なだけです。

ですから、不登校生を問題児扱いするのはやめましょう。子どもを精神的に孤独にし、追い詰めるだけです。

色んな生き方があることを教えてあげる

筆者のようにはっきりとした原因もなく不登校になった子には、「色んな生き方がある」ことを教えてあげるといいでしょう。何も高校を卒業しないと人生終わりというわけでもないですし、世界中に色んな生き方をしている人がいることを、いろんな選択肢があることを親が子どもに教えてあげると良いと思います。

その方法の一つとしておすすめなのが、海外留学です。日本の常識が通じない国に行ってみて、文化の違いや言葉の壁を経験し、自分がいかに周りの人に支えてもらって生きてきたかを学べるはずです。また、海外という全く違う場所へ行ってみることで周りの目を気にすることがなくなり、「自分らしさ」と向き合う機会にもなります。要するに、可愛い子には旅をさせよ戦法です。

日本を飛び出すと、本当にいろんな人がいて、人生にはいろんな選択肢があることがわかります。そして、日本や自分のいた環境がどういうものだったのかを理解できるようになります。ひょっとしたら、日本よりも個人主義社会のほうが向いていると気が付くかもしれません。日本人の間に生まれてきた日本人だからと言って、その子にとって日本の社会が「一番住みやすい場所」だとは限りません。いろんな世界を見せてあげる機会をつくるのは、親として子どもにできることの一つだと思います。

親が「高校中退」を恐れない

親自身が「高校中退」を恐れないことも重要です。高校をやめたからと言って人生お先真っ暗になるわけでもないですし、若いのでいくらでも挽回できます。ありがたいことに日本の「大検」はそんなに難しいテストではなく、中学校の基礎がある人なら独学でも3カ月くらい真面目に勉強すれば誰でも合格できると思います。筆者のように中退しても、同級生と同じタイミングで大学に入学することだって十分可能です。

海外の高校に留学するという手もありますし、働きながら資格をとったり、ビジネスチャンスを学び、起業することもできます。通信制や定時制の高校以外にも色々な可能性があることを、まずは親が学ぶことが大切です。

それに、経験者から言わせてもらうと、高校を中退したからこそ得られる能力というのもあると思います。高校を中退して「普通の道」を外れるというのは、そこから這い上がってきたときにとても大きな「自信」となりますし、何といっても度胸がつきます。新しいことや新しい環境を恐れず、「なんとかなる」と楽観的に捉えてリスクをとったり、果敢にチャレンジし、ちょっとやそっとのことでは倒れない「強さ」が身についたように筆者は思います。これはのらりくらり高校生活を送っていた人には得られない能力なのではないでしょうか。

コンセクエンスを理解させる

とはいえ、不登校になって高校を中退すれば、ネガティブなコンセクエンス(結果)があるのも事実です。この厳しい現実を子どもにわからせるのも、周りの大人ができることのひとつです。

具体的には、やはり高校を中退した人はその後の就職が厳しいです。筆者の場合、最終学歴が大学なので、あまり就職には影響が出ませんでした。これまでの面接で「何で高校やめたの?」と聞かれたこともありません。しかし、現実的に高校中退者で大学に行く人はあまりいません。高校を中退した後に、大検をとって大学に進学するという選択をしないと、最終学歴が「中卒」になってしまうので、仕事の選択肢の幅が狭くなり、収入が少なくなることは覚悟させたほうがいいと思います。

それと、今は強がっているようでも、いつか必ず「やっぱり高校行っておけばよかった」と思う日がくるはずです。筆者はアニメの青春映画なんかを観たときに、「高校生活ってどんな感じだったんだろう?やっぱり高校行っておけばよかった」と思います。やはり高校に行けるのは高校生の間だけですし、もっと若さを堪能しておけば良かったなぁ…と。それと、「もしあのまま高校生活を続けていたらもっといい大学に入れたかも?」と妄想することもあります。こういったマイナス面を経験者に聞いて、脅すのではなく子どもに本当にわからせるのは大切なことです。

 

おわりに

筆者が不登校になったときは、親も学校の先生もそれこそ真剣に「学校に行きなさい」と言ってくれました。当時は学校に行くか、行かないか、To be or not to beといった感じだったのですが、結局一番大切なことは、「子どもの幸せ」。高校を中退しようが、高校に通おうが、その子が幸せに生きられるのならどっちだっていいわけです。

筆者は難関大学出身のエリートでもなければ、都会の大手企業でバリバリ働くかっこいいキャリアウーマンでもありません。しかし、心から愛する人と平和に暮らし、自分にとって居心地のいい国に住め、ほしいものは買えて、好きなことをしてお金を得ることができる生活をしています。元不登校生&高校中退ですが、毎日とても幸せです。高校をやめたことも含めて、これまでの自分の人生にとても満足しています。

だから、高校にどうしても行きたくないという子は行かなきゃいいんじゃないの?と思います。というか、高校に行かないと幸せになれないということはないんです。必ずどこかに道はあるし、みんな一緒の道を歩まなくたっていいじゃないですか。

不登校も、高校中退もその子の「個性」。

高校中退したら人生終わりなんて、大嘘です。

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5 コメント

  1. >高校中退したら人生終わりなんて、大嘘です。

    これとほとんど同じ事を京都大学のカウンセリングルームが言っています。

    「そうした不条理な現状を踏まえた上で、だからといって中退したら人生が終わりだとか、破滅だとかいうわけでは決してないということにも目を向ける必要があります。」

    これはネット上でも話題になり、多くの人から好意的に受け止められています。私も全く同感です。

  2.  私も不登校生でした。「このままベルトコンベアー式に大学にいってもいいのかな」と悩み、将来が見えず、高校は途中で行くのをやめて、フリースクールに行き、その後、通信制高校を卒業し、そのまま海外の大学へ行き卒業しました。おっしゃる通り、海外に出るとイッキに視野が広がって不登校も一つの選択肢なんだなあと思うようになりました。その代り、海外留学は不登校とは別のしんどさがあり、頑張って卒業しましたが、それはそれで大変でしたし、文化の違いや孤独感などで、しんどくなり途中帰国してしまった留学仲間も何人も見てきました。
     自分が不登校したころに比べると、日本はもうちょっと多様化されてきたのかな、と思いますが、もっと柔軟で色々な生き方や道が選べる。そして、そんな生き方が子供の目にも見えやすい社会になるといいなと思います。

    • >もっと柔軟で色々な生き方や道が選べる。そして、そんな生き方が子供の目にも見えやすい社会になるといいなと思います。
      本当にそうですね。

  3. 私も中学校に行っていませんでした。マダム・リリーさんと同じ大検取得です。
    大学を出ないと職業選択の幅が狭まるというのは事実だし、高校辞めたらお先真っ暗というのも真っ赤な嘘だと思います。
    同感です。そして海外に出たほうが、私のようなタイプの人間は性に合ってたみたいです。今は日本人駐在員社会も近くにありますので、そこではやっぱり日本は息苦しくて面倒だな〜と感じることもあります。そう考えてみると、自分には日本の社会が合わないのかな、とも思います。お互いに自分にあった人生がいつも側にあるといいですね。

  4. 学校のカリキュラムが硬直的、大人が理想の子供像を押し付けすぎ、管理しやすいようにいろいろなレーベルや、
    ルールを作る。それが日本の学校だと思います。教室が密室になりがち、生徒の自主性をうたいながら、実際は学校が監視の場になっている。
    私は高校を中退しましたが、義務教育でドロップアウトしておくべきだったと今でも後悔しています。
    大学は勉強が好きだったので、紆余曲折を経て卒業しましたが、海外の学校の方が数十倍楽でした。

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