マダムリリーブログを始めて7年。これまで1,137本の記事を書き(外部記事は除く)、読者の方から8,237コメントを頂きました。1カ月のページビューは約100万PV。フランスで個人事業主として登録し、起業してから、かれこれ5年ほどたちます。
そこで今回は、筆者がブログを7年間書き続けてきて感じた「海外在住ブログを始める前に知っておきたかったこと」を7つ紹介します。これからブログを書き始めてみようかと考えている海外在住者はぜひ参考にしてみてください。
短期滞在者にメリットなし
このブログを開設する前、それはそれはありとあらゆる個人ブログを読み漁りました。読者数の多い海外在住ブログと読者が少ないブログの両方を読み、自分なりに分析。最初の頃は、他ブログの良いところの「マネ」ばかりしていたように思います。しかし、7年以上たった今、当時参考にしていたブログで現在も残っているものは一つもありません。
これは非常にもったいないなぁと思います。ブログというのは書き続け、更新し続けることが成功の鍵だと思うからです。
海外在住ブログは、たとえ読者の数が多くて内容が面白くても、日本に帰国するのと同時に更新をやめてしまうというパターンが非常に多いです。これは、ブログタイトルが「○○のイタリア滞在記」のような”海外在住”ありきでブログをスタートさせているから。
もし、海外滞在期間が最初から数年だと決まっているなら、「海外在住」を前面に押し出したブログを書くのはやめたほうがいいと思います。「海外に住むことになったからブログを書こう」という発想ではなく、「海外経験のある自分」という角度からブランディングしていくほうが長続きしやすいブログが書けるでしょう。
海外在住者は身バレしやすい
ブログを始める際、顔出しするか実名を公表するかで悩む人は多いかと思います。この判断は「有名人・芸能人のような生活がしたいかどうか」で判断するといいでしょう。マダムリリーはブログ開設の際、顔出し&実名公表すべきか悩みましたが、結果として隠しておいて正解だったと思っています。
その理由は、海外在住者の「日本人コミュニティが非常に狭い」からです。例えば、パリ在住の日本人コミュニティというのは、「友人の友人は私の友人」というくらいとても小さい世界です。「中村江里子さんがこの前○○で買い物してたよ」とか、「うちの子は雨宮塔子さんと同じ幼稚園だったんだけど、あの人なんか感じ悪いわ」、「中山美穂がレストランで旦那と揉めてた」というような在パリ芸能人の噂はあっという間に広まります。
同じように在仏の私の友人がある日、「人気フランス在住ブロガーの○○さんをこの前、見かけたんだけど、ナント○○と付き合ってるみたいなの!ビックリした!」と噂しているのを聞いた時は、つくづく顔出ししなくて良かったなと思いました。
このように、ある程度アクセスのあるブログを書くようになると、顔出ししたら最後私生活はなくなってしまうと思います。YouTube動画やブログで、日本在住国際カップルとして人気だったアメリカ人女性のグレイスさん夫妻も顔出ししていましたが、将来生れてくる子供の顔がネットに公開されてしまうのではないかと心配してブログをやめてしまいました。
やはり、先々のことを視野に入れると、顔出しするかどうかは慎重に考えるべきでしょう。月間PVが100万に近づくあたりから、テレビ出演の話もでるようになります。顔出しはいつからでもできますが、一度顔出しすると元には戻れません。有名人・芸能人のように自分を世間に売り出して有名になりたいのか、その覚悟があるのかを考えたうえで顔出し&実名公表を選択しましょう。
ネタ探しは365日休みなし
マダムリリーはブログ1記事当たり、大体3-4時間くらいで書き上げています。こういうと、実労働時間が3時間だと捉えられがちですが、実際のところは365日起きている時間のほとんどをネタ探しに費やしているので、感覚的にはもっと長いような気がします。常に何か面白い話はないか、ブログネタになる発見はないかと探している状態をもう7年も続けています。
週に3-4本のブログ記事を書くとなると、アイデアが尽きてしまっても当然です。色んなところから情報を仕入れ、それについて他人と話したり、頭の中でこねくり回すように思考したり…という作業がなければ、ブログ記事を量産することはできません。
これはブログを開設する前には想像していないことでした。情報を集め分析し、他人に話して視点を広げて、また考えて記事にする。この一連の流れが好きか、楽しめるかでブログが続けられるかどうかが決まってくるように感じます。
「アンチ海外在住者」を愛すべし
海外在住者としてブログを書く場合、日本と外国の比較文化論に行きつく人が多いと思います。すると、現れるのが右か左か?という議論です。つまり、海外在住者ブログは他の生活情報ブログに比べて(内輪盛り上がりでない場合)アンチができやすいということ。
海外在住者に偏見を持っている人もいますし、外国人男性と国際結婚した女性を良く思っていない人もたくさんいます。しかし、アンチも含めた「海外在住者をとりまく全体の市場」を理解するように努めることが新しい記事のアイデアに繋がると筆者は経験上思います。
特に、論理的な思考を持ったアンチの意見には耳を傾けること。彼らが思わぬ発見や発想の転換をもたらしてくれることがあるからです。また、アンチマダムリリーの読者のなかには、攻撃的なコメントをするために律儀に何度もしつこく訪問してくれる人もいます。こうなると、ファンとアンチの違いは紙一重だなぁと…。自己主張を中心にしたブログの場合は、ある程度反対意見が出てきて当然です。これを嫌がらず、むしろ迎え入れるくらいの気持ちでつきあっていく姿勢が大切だと思います。
「仕事何してるの?」にうまく答えられない…
まだPV数が少なかった時代は友人にこのブログをしていることを話していましたが、最近は「パソコンでちょっと仕事している」というようにごまかして説明するようになりました。
すると、フルタイムで働く人と同じくらいフランス政府に税金を納めているにも関わらず、そのことを実生活で誰にも話せなくなってしまいました。私生活に関わりのある人に読まれるとなると、自由な発想で記事を書けなくなってしまうので隠しているのですが、一日中グータラしていると誤解されているのではないかと心配になることもあります。
フランス人に聞かれたときは「ブログをしている」と言いますが、この場合も具体的に「月間100万PV」と言って初めて仕事として認めてくれるといった感じです。会社勤めだと、「仕事何しているの?」と聞かれた時にすぐに答えられ、納得してもらえましたが、今はそうもいきません。これは海外在住者に関わらず、プロブロガー共通のあるあるではないかと思います。
一番難しいのは「日本の今」を把握すること
海外在住者が日本語でブログ運営をしていく上で、一番難しいのは「日本に住んでいる感覚」を持ち続けることだと思います。海外生活が長くなると「日本の今」を把握するのが難しく、日本で日本人として生活する感覚を忘れてしまいがちです。
日本で今暮らしている普通の日本人が、普段どんなことを考え、どんなことに悩み、何に関心があるのか。これを時代の流れとともに正確に掴んでいくのは、海外で距離が離れていると至難の業です。
それにやはり海外で暮らしていると、正直日本のニュースが自分には関係ないことが多く、どうでもよくなるというのもあります。去年大騒ぎした「SMAP解散」なんかは個人的に本当にどうでもいい。しかし、多くの人が今話題にしていることを扱ったほうがたくさんの人に読んでもらえるという特性から考えると、「日本の今」に興味を持って把握するのが難しい海外在住者には不利です。
誰からも好かれるブログは書けまへん
海外在住者は「ちょっと海外で生活したぐらいで、世界を知った気になって、日本を見下す海外かぶれ」だと思われるリスクが高いです。日本在住の日本人が「日本の労働環境は異常」と発言しても問題にならないですが、海外在住者が同じことを言えば、「上から目線の日本批判」だと思われてしまいます。
マダムリリーの読者のなかにも「このブログは日本叩きのフランス崇拝ブログだ」と認識している人もいますが、実際には筆者は日本嫌いでもなければ、フランス好きでもありません。しかし、海外在住者は「日本絶賛型」か、「日本嫌い型」かの2者択一のように白黒はっきりつけられやすい存在のようです。
実際はこの両極端の間で揺れている感覚なので、日本のここは素晴らしいと思ったことも正直に記事にしたりするのですが、すると今度は「日本絶賛して日本を褒める人は気持ち悪い」と、これまた批判されていまします。
要するに、誰からも好かれるブログは書けない、ということ。これが最初からわかっていると、ブログ運営の上で読者に振り回されず、自分らしいブログを続けられるのではないかと思います。
まとめ
とはいえ、ブログも十人十色。自己満足のために日記を書くように続ける人もいれば、稼ぐためのアフェリエイトのようなブログを作る人もいて、それぞれのやり方から得られる”学び”は千差万別です。
なので、これからブログを始めようという人は他人の意見や経験から得た学びを分析し、「自分なりの答え」を出すことが大事だと思います。あなたらしいブログを書くことが他との差別化に繋がり、他ではないあなたのブログを読みたい!という動機につながるのではないでしょうか。
私はほぼ全ての記事を拝見していますが、記事によっては、やはり日本人は特に、右の人は激しいコメントしてくるんだろうなーという印象を受けていました。
マダムリリーさんのブログは、日本好きでもなく、フランス好きでもなく、というニュートラルな視点だと、海外在住者ならわかると思ってますが。
どうしても、海外在住者というだけで、見下すだのなんだの言われますからね。私の姉もそうです。
私が海外に住むことになった途端、日本の悪いところを言うと、悲しくなる、と言っていました。
本人も日本の政治や社会に対して問題点を数多くあげているのに、です。
今では良いところをあげても、いや、こう言うところが悪いよ、と反論してきますし、もうどうしようもありません(笑)
日本社会の現実に疲れているのでだと思いますが。
ブログを書き続けるのも一苦労あるかと思いますが、私はマダムリリーさんのニュートラルなブログを楽しみにしています。気にせず書き続けて欲しいです!
うわぁー。とっても嬉しいです!ありがとうございます。
このコメントは永久保存です!ありがとうございます。
個人情報を隠したのは大大大正解だと思います。
特に日本に批判的な内容を書くと実生活で身の危険を感じるレベルまで悪化することもある様です。有名なところでは海外クソニートさん(シンガポール)や個人的に知っていたスロバキア(スロバキアですよ!)の日本の労働環境批判ブログ主さん。実生活で攻撃を加えようとする人が集まり、自身や日本にいるご家族の身の危険からサイトを閉鎖せざるを得なくなってました。とても恐ろしい話です。
ブログが学術論文でない以上、主観や根拠のないロジック、好き嫌いや感情論的な話になるのは当然なのに、それを揚げ足とって攻撃する人は当然いますし、また、ふいに攻撃的になる自分もおります。ネット上では嫌な気分になるだけで済みますが、実生活に影響し出すと深刻度は段違いです。十分身バレにはご注意ください。
私も細々ながら、ブログを書いているので、批判的な事を書かれたりすると、やっぱり悲しくなります。
近々フランスに旅行に行く予定で、こちらのブログを拝見したのですが、海外に住んで更にプロブロガーとして、生計を立てるまで継続されているのは、素晴らしいなと思います。
ほかの記事も読んで、パリ旅行の参考にさせていただきます(^^)
日本人の多くの人の個人としてのアイデンティティが国家や国籍のそれと一緒になっている事は、
とても残念です。多くの(すべてではないですよ~)日本人は自分自身を哲学することをあまり生きていく中で学ばないし(協調性を重視する風土の中でそれは難しい)、国家や社会を批判するよりも、個人への感情的な攻撃を好みます。客観性を持った冷静な議論がなかなか苦手な民族というか、なにより教育と社会システムなんだの問題なんだと思います。
余談ですが、私はアンチは限りなく熱愛に近いファンだと思います。だって、本当に嫌いなら、見ないしなにより、どんなことをしても避けるでしょ笑
私もマダムリリーさんのブログ大好きで、何かと検索するとリリーさんのサイトに行きつきます。文章も非常に読みやすく、どんどん読み進めても疲れない。だからついつい読んでしまいます。これからも応援しています