ホーム国際人こんな海外在住者にはなりたくない! 海外で嫌われる日本人の特徴

こんな海外在住者にはなりたくない! 海外で嫌われる日本人の特徴

海外での生活が長くなると、自分でも気が付かないうちにモノの考え方や行動が日本にいた頃とは変わってきます。例えば私は、日本にいた頃はスケジュール帳に予定をいっぱい詰めて、時間に追われていないと何となく落ち着かない気がしていましたが、フランスに来てからはそうしたいと思わなくなりました。

他にもサービスの悪い店員が多いフランスでの暮らしに慣れると、久しぶりに帰った日本でのサービスに過剰に恐縮してしまったりもします。海外で生活するとその土地に順応しようとするあまり、感覚や価値観などが昔とは変わってしまうのは、避けられないことなのかもしれません。

しかし、ここフランスで生活していると、「何でこの人はこんな風に変わっちゃたんだろう?」と残念に思ってしまうような変化を遂げてしまう日本人に少なからず出会ってしまいます。海外生活が原因なのか、それとも元々の性格なのかはわからないですが、海外生活が長くなっても、こうはなりたくないなと思ってしまいます。

そんな海外で日本人に嫌われる在住者のタイプは大きく分けて2つあります。

1つは、無知な日本人をだます人。現地の情報に無知な日本人学生などをだます人が少なからずいます。例えば、アルバイトの契約時にフランス語で書かれた「雇用契約書」と「退職届」を同時にサインさせ、ブラック従業員として働かせる事業主です。

フランスで仕事をする場合、当然ながら雇用に関する契約書は全てフランス語で書かれています。フランスに来たばかりで、フランス語もあまりわからないという人には、フランス語で書かれた契約書を理解できるわけがありません。そういった弱い立場にある人を信用させ、契約書にサインをさせたあとで問題が起きてもノータッチという日本人の事業主がいるそうです。

他にも、オーナーが日本人だから大丈夫だと思って部屋を借りたのに、いざ帰国する段になったら「水道が壊れてる」だの、「壁紙が破れている」だの文句をつけて多額の請求をさせられたという話も聞いたことがあります。

この例では騙される人にも現地の情報に無知だったという落ち度があります。しかし、海外で外国人として生活することの「弱さ」を知っている、同じく外国人である人がそれを利用してお金を巻き上げるというのが、私はどうしても許せません。

もう1つは、日本人にだけ冷たい人。海外で生活する人のなかには明らかに日本人にだけ冷たく接する人がいます。現地の人に話しかけられたらニコニコ笑顔で応対するのに、日本人に話しかけられたら冷たい表情になる人です。おそらくは、現地の言葉や現地の人と仲よくしようという意気込みが強く、そのために日本人を排除しようと考えているのかもしれません。

それでもこちらが日本人だと思って親近感をもったのに冷たく接されると、何だか同じ日本人に差別されたような気がしてとても不快です。現地の人や言葉に慣れようと努力することは大事ですが、だからといって日本人に冷たく接したところで何か得することでもあるのだろうかと不思議に思います。

これら2つのタイプの日本人に共通して言えるのは「助け合いの精神が欠如している」ということ。私たち日本人は日本から一歩外に出ると、「外国人」になります。そして外国人というのはどこの国でも弱い立場にあるわけです。言語の障壁もそうですが、その土地の常識や慣習に無知だったり、助けになってくれる家族や友人がいないこともあって弱い立場にあるのです。今

では海外生活に慣れきっているように見える日本人でも、最初は誰もが海外生活に慣れるのに苦労をし、いろんな壁を乗り越えてきているのです。しかし、こういった外国人としての苦労をわかっているはずの人が、同じ国から来た日本人を貶めたり、邪険に扱ったりすることがあるのも事実です。

私が思うに、海外に住んでいるからこそ、私たち日本人は日本人同士助け合って生きていくべきなのではないでしょうか。弱さや痛みを共感できるからこそ、お互いに助け合い、励まし合って生活できれば、どんなに幸せだろうかと思います。

いや、もっと言えば、海外で生活している日本人に限らず、日本で生活している日本人も、他人と互いに助け合って生きていこうという意識があればもっといい日本、もっといい世の中になるのではないでしょうか。世の中、自分の利益だけを追求するから殺伐とするわけです。

 

道元禅師は言いました。「天地同根、万物一体(てんちどうこん、ばんぶついったい)」

生命の根っこの部分はみんな同じで、だれもが一体となって宇宙の生命を生きている…という意味です。誰もが同根、誰もが一体という気持ちがあって、初めて人を思いやれるようになるのかなと思います。日本がそんな思いやりの溢れる人があふれる国になればいいな、と思います。

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