ホーム海外事情日本との違い日本のテレビ番組はつまらない?日本の特徴と海外の違い5パターン

日本のテレビ番組はつまらない?日本の特徴と海外の違い5パターン

日本のテレビ番組がますますつまらなくなった。

2012年の朝日新聞に記載された記事によると、国民の75%が「最近のテレビ番組はつまらない」と回答している。平日でも平均3時間半もテレビを見て、「世界に冠たるテレビ好き」と言われる日本人。しかし、最近のテレビ番組に対する不満は年々高まっているようである。
筆者も年末年始に一時帰国をして、久しぶりに日本のテレビ番組を見た。噂には聞いていたが、やっぱりつまらない。よくこれで日本国民は我慢できるなぁと思ったりもした。海外のテレビ番組が面白いわけでは決してないが(あっちのテレビも違った意味でひどいが)、日本のテレビ番組は海外とは明らかに違うポイントがいくつかあり、これが「最近のテレビ番組はつまらない」と言われる原因になっているのではないかと思う。

そこで今回は、最近つまらなくなったと揶揄される日本のテレビ番組の特徴と海外との違いを5つ紹介する。ここではフランスのテレビ番組を主に比較するが、他の国との共通点も多いと思うので参考にしてほしい。

 

1.食べ物

外国人が日本のテレビ番組はつまらないと言う一番の理由がこれ。日本のテレビ番組は「食べ物」を扱った番組が異様なほど多い。芸能人によるグルメリポートから料理の作りかたを教えるものまで、とにかく食に関する番組ばかりだ。どの時間帯であれ、テレビをつけると必ずどこかのチャンネルで食べ物が出てくる。これは少しやりすぎな気がする。おいしそうな食べ物を画面に映せば瞬間的な視聴率は取れるのかもしれないが、長期的に見ると果たして正解なのか疑問である。

よくあるグルメリポート
よくあるグルメリポート

また、テレビに出てくるおいしそうな食べ物を芸能人が食べ、「おいしーい!」と連呼するお決まりのパターンもとても日本的。フランスの番組では料理の評価は非常にシビアで、褒め言葉を連呼するような場面はない。むしろ、「これはもっとこう味付けするべき」などの辛口なコメントがされることもあり、より真実味があるという印象だ。

 

2.消費を促せ系

日本のテレビ番組はつまらない?日本の特徴と海外の違い5パターン
家電芸人

日本のテレビ番組は「国民の消費を促す」内容のものを多く扱っている。例えば、「芸能人のぶらり鎌倉散策」のようなヒルナンデスでよくありそうな内容のモノ。街歩きをしながらその土地で有名なレストランに行ったり、おみやげを買ったり…といった番組が日本には非常に多い。

また、芸能人が商品をすすめする番組も多く、視聴者に「買え買え!」「消費しろ!」というメッセージを暗に送っているとも言える。このような消費を促す番組のおかげで、日本人はもっとお金を使い、そのおかげで日本の経済が保たれているのなら大万歳。しかし、「消費できることが幸せ」というおかしな価値観を知らぬ間に植え付けられないよう、視聴者も注意しなければならない。

 

3.タレント、アイドル、芸人

日本の番組はどの局も、どの時間帯も大体同じような有名人を使っている。「今が旬な人」をこれでもか!というぐらい番組に起用するのが日本のテレビ局の特徴だ。反対に海外ではタレントやアイドルよりも、むしろ一般人のほうがよくテレビに出てくる。一般人を番組に使えばギャラを支払わなくていい分、経費を抑えられるが、番組が面白くなるかどうかの予測がつけにくくなってしまうのではないかと思う。そのぶん、だいたいどんな働きをするか予測できる芸能人を起用すれば、番組の出来上がりにバラつきがなくなる。しかし、このメリットが反対にデメリットであり、「どの番組もみんな同じような感じ=つまらない」という印象を与えてしまうのではないかと思う。

 

4.右向け右!

おもてなし
おもてなし

皆が右を向けば右、左を向けば左で同じ方向向いて進む。日本のテレビ番組はどれを見ても同じことばかりを放送している。昔なら松本サリン事件、小泉フィーバー、ホリエモンフィーバー、酒井法子の逮捕、島田紳助の引退、宇多田ヒカル母の自殺など…。昨年はあまちゃんの「じぇじぇじぇ」、半沢直樹の「倍返しだ!」、林先生の「今でしょ?」、滝川クリステルの「おもてなし」。

もうわかったよ、と突っ込みたくなるくらいどのチャンネルも同じことを繰り返す。世の中とは反対のことを放送しようとか、独自路線で行こうとする局がないことが非常に不思議なくらいだ。視聴者が飽き飽きするまで放送するのが日本のテレビ局の特徴で、日本のテレビ業界の病的な部分ではないかと思う。

 

5.ゆる~い規制

日本のテレビ番組がおもしろくなくなった理由のひとつに「規制が厳しくなったから」という理由も挙げられているが、日本のテレビは海外に比べてむしろゆるい方ではないかと思う。例えば、欧米では夜11時以降の民放の番組で「16歳以下の子どもには見せないで下さい」というテロップが表示されているものがいくつかある。この表示は放送中ずっと画面から消えることがないので誤って子どもに刺激の強い番組を見せることを防げるが、このような仕組みは日本にはまだない。

また、アルコールのCMや芸能人がお酒を飲んでいる画をテレビで放送するのも、ヨーロッパではまず考えられない。さらに、私が最近日本のテレビで驚いたのは創価学会のCM。これはフランスでは一度も目にしたことがない。いくらスポンサー料を支払っているからといえ、宗教団体のCMをテレビで放映していいのだろうか。

 

まとめ

 結局のところ、最近のテレビ番組はつまらなくなったと言われるのは「テレビ局側にお金がない」ことが一番の原因なのではないかと思う。だから、必ずアタル食べ物の番組をつくり、どの局でもひっぱりだこの人気芸人を使って確実な番組をつくる。スポンサー料を貰える商品紹介の番組コーナーをつくり、宗教団体のCMですら放映する。裏事情が分かれば仕方のない部分もあるのかもしれないが、今の日本のテレビばかりを見ていると日本人は馬鹿になると切に思う。

 視聴率ばかりに走らず、国民のためになるような面白い番組が増え、「最近またテレビが面白くなってきた」と言われる日が来ることを願いたい。

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