円安の影響で、日本からの海外旅行者の数が減少傾向にある昨今。2014年訪日外国人数が過去最高の1,341万人を突破したのと裏腹に、2014年の日本人の海外旅行者数は3.1%減の1,693万人という結果でした。
円安円高の傾向を見ることは大事ですが、旅先での出費がどれくらいの程度になるのかを知っておくことも重要です。さらに、どうしても物価の高い所を訪れたい人は、無理なく節約するワザを知っておくとためになります。
そこで今回は、海外の旅行情報サイトsmartertravel.comより、「旅行費が割高な世界の都市ランキング」をご紹介します。
※ このランキングは、UBSのCIOウェルス・マネジメント部の研究であるPrices and Earnings report、並びにホテル予約サイトHotels.comによるホテル宿泊費インデックス、グローバル物価調査サイトのエクスパティスタン(Expatistan)による生活物価インデックスを元に作成されました。尚、為替レートは2015年6月3日現在のものを参照しました。
1. ノルウェー、オスロ
中東の裕福な国と同様、ノルウェーも石油による経済的恩恵を受けている国であり、世界第6の原油輸出国です。Prices and Earnings reportによると、オスロは世界で最も物価の高い都市です。オスロでの滞在を満喫するには、西ヨーロッパの物価より20%多く払わなくてはいけません。また、商品やサービスは世界平均物価より70%高いです。
旅の裏技: Oslo.comにアクセスしてみてください。割安な宿泊施設、安い食事処、無料で楽しめるアクティビティーなどが記載されています。
2. スイス、チューリッヒ
Prices and Earnings reportによると、それなりのホテルの宿泊費、ワインつきのレストランでの夕食費、交通費などを考慮した「週末旅行費」の世界ランキングではチューリッヒが世界で最も旅費の高い都市です。また、チューリッヒの公共交通機関やタクシーの費用は世界で最も高いとされています。タクシー代は5キロで$28(約3,488円)です。
旅の裏技: タクシーは高いのでできるだけ避けましょう。5月~10月は無料で自転車を借りることができます。The Zurich on Wheels programでは身分証明書と預かり金を支払えば、誰でも借りられます。
3. アメリカ、ニューヨーク
ニューヨークは東京と同様、中級クラスと高級クラスホテルの平均宿泊費が最も高い都市です。高級ホテルの一泊の値段は$730、中級クラスで$340です。宿泊費、レストランでの食事、交通費などを含めた「週末旅行費」のランキングでは、北アメリカで第1位です。
旅の裏技: 高い宿泊費や食費を相殺するために、ニューヨークの無料で楽しめるアクティビティーを満喫しましょう。ブロンクス動物園やThe Museum of American Illustration、ニューヨーク植物園などの入場料無料の日をチェックしてみてください。
4. フランス領ポリネシア、ボラボラ島
海の美しさや透明度の良さから世界中の観光客がやってくるボラボラ島。U.S. News & World Reportによれば、世界で最も美しいビーチとされています。人気があるため旅費はとても高く、水上バンガロー(↑写真)1泊のお値段はなんと$1,000。日本円にして、約12万5千円です。高いのは宿泊費だけでなく、航空券もかなり割高です。東京→ボラボラ島の片道は7月で38万円~です。
旅の裏技: 観光客の少ない12月と3月を狙っていきましょう。水上バンガローを含めた宿泊費が抑えられます。
5. オーストラリア、シドニー
エクスパティスタン(Expatistan)によると、シドニーは世界で最も生活物価の高い都市のひとつです。ドイツ銀行グループの調査によると、「週末旅行費」ではニューヨークよりもシドニーのほうが高いという結果になりました。オーストラリアドルはインフレの傾向が続いているため、公共交通料金や観光スポットの入場料金は年々値上がりしています。
旅の裏技: ワインやビールなどのアルコール類はレストランで注文すると高くつので、シドニーでは BYOレストランを利用しましょう。BYOはBring Your Ownの略であり、アルコール類の持込がOKなレストランのこと。スーパーで好きなお酒を買い、 BYOレストランで飲むようにすればかなりお得です。
6. 日本、東京
アジアの他の都市に比べ、50%の高い東京は世界で最も物価の高い都市の第3位にランクインしています。食費やショッピング分野のみでのランキングでは、世界で最も物価の高い都市です。また、ニューヨークと並び、中級クラスと高級クラスホテルの平均宿泊費が最も高い都市のひとつです。
旅の裏技: 食費を安く済ませたいのなら、立ち食いレストランがおすすめ。
7. イギリス、ロンドン
ロンドンは生活費が世界で最も高い都市であり、旅行者に与える影響もはかりしれません。4ツ星ホテルでの1泊は400ドル(約5万円)、3ツ星で200ドルです。物価も満遍なく高く、例えばコーヒー1杯の値段はローマより60%高いです。また、ロンドンの地下鉄運賃の値段は世界で最も高く、ヨーロッパ全体の平均額より70%高いです。
旅の裏技: VisitLondon.comにアクセスしてみましょう。無料で楽しめるアクティビティーやセール情報、割安なウォーキングツアーなどが掲載されています。
8. アメリカ、ラスベガス
ラスベガスのカジノで遊ぼうと思ったら、それなりのお金を用意しておかなければいけません。1泊4万ドルのホテルや5千ドルのハンバーガーなど、値段のつけ方がおかしい代物も存在するのだとか。シルクドソレイユのショーは250ドル~。1度に5000千ドル賭けることのできるブラックジャックのテーブルなど、値段の感覚がおかしくなってしまいます。
旅の裏技: カジノで遊ばなければいいです。ホテル代だけなら、ラスベガスはアメリカの相場の半額以下。歩いてまわることができるので交通費はかかりません。人の少ない週の中ごろを狙って行きましょう。
9. モナコ、モンテカルロ
2013ねんのHotels.comによるホテル宿泊費インデックスでは、モンテカルロは全クラスのホテル代の平均が最も高い都市であり、1泊の平均は308ドル(3万8千円)です。また、モンテカルロゴルフクラブでの ゴルフ場使用料は176ドル(2万1千円)で、健康センターの1デイパスは130ドル(1万6千円)です。
旅の裏技: モンテカルロのホテルはとても高いので、泊まりはモナコではなく近くの都市のニースにしましょう。モンテカルロから電車で20分という近さなので便利です。
10. シンガポール
少し前までは物価の安い国だったシンガポールも、通貨の強さが増し、裕福な海外からの駐在員が増えたこともあって物価が非常に高くなりました。経済紙エコノミストとエクスパティスタンの調査によると、シンガポールは世界で最も物価の高い都市のひとつです。
旅の裏技: B級グルメファンに根強い人気のホーカーやフードコートでの食事は気軽に食べられる値段です。ローカルフードをこよなく愛する人にはぜひチャレンジしてほしいです。