ホームジャパン外国人から見た日本の「学習塾」は異常。日本の塾に対する海外の反応

外国人から見た日本の「学習塾」は異常。日本の塾に対する海外の反応

以前書いた記事『【外国人】日本の学校教育制度ってどう思う?日本教育の特徴と問題点』では、日本人ではない外国人が、日本の学校のシステムや子どもたちを取り巻く環境をどう思っているのかを紹介した。

結論から言うと、大体の外国人が「小学校までは最高だけど、それ以降は最悪」という意見であった。「受験のための勉強する制度」に対する批判が多く、忙しすぎる学生生活や非効率的な学習指導システムを問題視する意見が目立った。

なかでも、中学生頃から通わせる「学習塾」に対する批判の声が多く、ほとんどの欧米人は「学習塾反対」のようだ。それではなぜ、ここまで日本の学習塾に対する海外の反応は悪いのだろうか。

そこで今回は、外国人側のビジョンを探るために「日本の学習塾に対する外国人の意見」を集めてみた。日本の将来を担う子どもたちには、どんな学習環境が好ましいのだろうか。彼らの意見を聞いてみて、これを機に少し考えてみようと思う。

 

「日本の学習塾」ってどう思う?海外の反応

Devinさん
日本に引っ越すかどうかの話になった時に、いつも頭を悩ますのが「日本の教育」なんだよな。私立の小学校と学習塾に高い授業料を支払って、それでいて子どもは厳しいルールにがんじがらめになって…。日本の文部科学省は、日本在住外国人の親たちのための小冊子を作るべきだと思う。そうすれば僕らも少しは理解できるようになるかもしれない。

Ndee -Jkid- Okehさん
学習塾は、日本の教育の本当の問題を隠している。それは、学歴による職業差別だ。日本の多くの仕事は、超難関大学出身の学生しか就職を受け入れなかったりするよね。日本にはきちんとした大学がたくさんあるのに、この国で普通にきちんとした生活をしようと思ったらトップの大学に行くしか方法はないんだよ。

Ron NJさん
この国の教育制度は完全にいかれている。日本の学生はどうしたら試験に合格できるかを教えられ、どう考えるべきかは教えられない。与えられた情報をどのように捉え、分析し、評価し、批判的思考力をもって答えを出す方法は教えてくれないのだ。

日本の教育は、100%公式に従ったもの。a + b = cのようなフォーミュラを教科書を見つめて脳に浸透させるまで徹底的に叩き込むだけ。日本の教育方法がいかに失敗しているかは、日本の学生たちを見ていればわかる。例えば、「日本の教育制度についてどうおもう?」なんていう簡単な質問をしたところで、誰ひとり自分の言葉で自分の意見を述べることはできないんだから。

Concernedさん
だから私たちは、子どもたちをインターナショナルスクールに通わせることにしました。

DNALeriさん
↑通わせられるだけの収入があって良かったな。

外国人から見た日本の「学習塾」は異常。日本の塾に対する海外の反応

Nevin Thompsonさん
私は妻と日本で学習塾の経営をして、もう5年以上になります。私たちの熟でも数学や理科、英語のような教科は試験を用いています。これまで教えてきた生徒は70人くらいで、パートタイムの塾講師も何人か雇ってきました。

日本での塾の経営は、よくある「英会話スクール」と違って面白いですよ。成績がDだった生徒がCになったり、Cだった生徒がBになったりするのを見たり、志望校に合格する中学・高校生などを見ていると、やりがいのある仕事だなと思います。

私が思うに、日本や他のアジア諸国では「試験」に関しての長い歴史があり、これはもはやアジア文化であるのではないでしょうか。この点は在日外国人が理解しなくてはいけないと思います。事実、日本の大学・高校では、それぞれの学校が独自の入学試験を用意していますし。

私たちが日本で10年前に学習塾を開校した当時は、インターネットの夜明け時代で、多くの大学や高校の入試問題、試験対策問題集を研究しました。同様に、塾のある地域の高校の入試問題がそれぞれどのように異なり、どのように対策を打つべきなのかを、塾講師に指導しました。

とはいえ、塾に行かなくてもいい高校や大学に行っている学生がたくさんいることも事実です。しかしながら、しっかりと試験対策をして、よりいい高校に入ることはやはり大切です。学校によって、入試問題が全然違うからです。

学習塾は必要なのか?個人的には、私が教えてきた英語が特に役に立つと思ったことはありません。英語試験のための学習というのは、TOEICテストのための学習と同じです。自分一人でもできます。私がやってきたことは、生徒に週3時間は集中してもらって、くそテストを受けてもらうだけです。

しかし、注意したいのが日本ではどの高校を卒業したかで、子供の将来がどれだけ狭まっていくのかという点です。大都市でキャリアを形成するような人生が歩みたいのなら、やはりいい大学に行く必要があるでしょう。地方で暮らしたいなら、地方の大学に行けばいいです。

Scott Durandさん
日本の政府は意味のない道路整備をする前に、日本の義務教育の教育制度にもっと資金を費やすべきだ。普通のそこらへんにある、小・中・高校の学校施設を見てごらんよ。築40年以上でとても古いし、生徒に指導したり学ぶためのテクノロジーやコミュニケーションツールがほぼないから。テクノロジーに関する教師の十分なトレーニングすらない。

親としては、子どもが東大に行くかどうかには興味がない。それよりも、私の子供には立派な社会の一員として、一人の人間としてどう生きるかを教育で教えてくれることに関心がある。教室に閉じ込めるような教育はダメだと思う。

どう生きるかを学ぶことが一番大切だと思うし、だからこそ私の子どもには日本よりもオーストラリアの教育を受けさせることに決めた。

自分の子供には、日本ではなく海外で学ばせたいと考える親もどんどん増えているし、なかには父親だけが日本に残って、母親と子どもが海外生活をして学ぶという極端なケースもあるらしい。

しかし、日本がこの先もグローバル社会のプレイヤーとしてやっていきたいと思うなら、社会が情報革命に対応していかなくちゃいけないし、日本の教育はもっと革新的でないといけないことを理解する必要がある。でないと、日本は置いていかれる一方だろう。

Striker10さん
日本の学習塾カルチャーは、もうコントロールできないところまで来ている。塾は「半強制」であってはならないし、普通の学校で学ぶことが「学習の全て」であるべきだと思う。塾は家庭教師のように、学校の授業に本当についていけない子どものためのものであるべきだ。中学・高校にまで影響を及ぼす学習塾の存在は異常だと思う。

外国人から見た日本の「学習塾」は異常。日本の塾に対する海外の反応

cwhiteさん
日本の少子化が、次の世代の生き方やビジネスカルチャーを変革するチャンスになればいいと思う。この機会に、日本のワークライフバランスの問題を解決するようにすればいいのでは?

gogogoさん
塾は「学校の残業」。学校の授業で必要なことを学ぶべき。塾はいらないはずだ。

kurisupisuさん
学校で先生の注目を集められる生徒は2つのタイプにわけられる。とても優秀な生徒と、とても出来が悪い生徒だ。これに当てはまらない中間層の生徒は塾で必要なケアをしてもらう必要がある。

残念なことに、塾というのは日本の教育制度のそんな悲しい一面を反映しているのだ。

itsonlyrocknrollさん
子どものとき、父は私の隣に座って、いつも宿題を手伝ってくれました。父の答えはいつも間違っていたけど、それでも父が私のために時間を割いてくれたことに対して、感謝の気持ちでいっぱいです。それに、父が間違えることで私のどこが間違っていたのか考えて勉強にもなりました。

Asakura Cowboyさん
妻と私は、小5の息子を塾に通わせなくても済むようにできることは全てしています。それでも、普通の小学校の授業と宿題以外に勉強時間が必要です。小学校の授業だけじゃ、とてもじゃないですが、良い私立中学に通わせることはできません。最悪ですが、日本ではこういうものなんです。自分たちにできる限りのことをして、対応するしかありません。

Disillusionedさん
日本の学習塾って結局のところ、僕にはよくわからない。日本の子供は週に5日学校に行ってるのに、なんで学校の授業以外のことを学ぶために塾に行かなくてはならないの?国の教育指導が悪すぎるから、他の学校にも行かなきゃいけないってこと?

僕自身、これまで色んな塾で教えた経験があるけど、なんだか塾に通っている子どもたちって親に言われているから通っているだけっていう子が多いよね。授業中にふざけている子もたくさんいるし。

塾が本当に成績の悪い子や、病気や旅行のせいで授業に遅れた子供のためのものなら理解できるけど、毎日の学校の授業がためにならないからって塾に通うってのは、何だかとても馬鹿げているように思うわ。

 

おわりに
外国人の意見としては、「学校の授業だけで十分であるべき」というものが大半だった。確かに、本来なら必要な知識は「学校教育」だけで足りるべきというのも一理あると思う。

しかし、現実として志望校に入学するためには、他の子に負けないように塾に行って勉強が必要と考える親&子どもの気持ちもわかる。現に筆者も子供時代はそう考えて塾に通っていた一人だ。

しかし、これから少子化が進み「生き方」を重視する社会に変容していくのなら、今の子どもたちを取り巻く環境も変わってくるのかもしれない。

あなたは、日本の学習塾文化についてどう思いますか?

参照:japantoday
japantimes

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