「ハーフってこんな感じ」と、イメージや憶測だけで決め付けていませんか。相手が大人ならば、失礼な発言も受け流してくれるかもしれませんが、ハーフの子どもに対しては知らないうちに傷つけることがないよう注意をしたほうがいいそうです。
そこで今回はハーフやバイリンガル教育の専門家であり、『Bringing up a Bilingual Child』の著者であるリタ・ローゼンバックさんのブログから「ハーフの子どもに言ってはいけない7つのこと」を紹介します。
“出身はどこ?”
これはハーフの子どもに限らず、純粋な日本人にも普通に聞いてしまう質問です。一見何の問題もなさそうですが、バイリンガルの子どもやハーフの子は出身を聞かれて傷ついたり、何と答えてよいかわからないと感じてしまうこともあるそうです。なぜなら、ハーフの子どもがこの質問をされると「あなたはこの国の人ではないんでしょう?」と言われたような気持ちになり、よそ者の外国人だということを強調されたような気がするからです。
“○○語で何か言ってみて”
本当に外国語が話せるかをみるためにこの質問をする人がいますが、これはやめましょう。言語とはコミュニケーションであり、自慢したり見せびらかすためのものではありません。
“○○語を話すときにあまり訛りがないね”
これを言われた側からすると、「訛りがあるね」と言われたのと同じことだと捉えます。ハーフの子どももバイリンガル教育に励む親もこの点にはとてもセンシティブで、言語スキルや訛りを気にしている人が多いです。それにそもそも、訛りやしゃべるときの癖なんてモノリンガル(1言語のみを話す人)でもあることでしょう?
“兄弟(姉妹、いとこ、友人)は○○語を話せるのに、何であなたはできないの?”
子どもの言語スキルを比較してはいけません。子どもが学ぶスピードは人によって違います。シャイな子どもは口数が少ないために口達者な子に比べて、ペラペラになるまでに時間がかかります。子どもが何も言わないからといって、話し方がわからないわけではないのです。
“これ、ちょっと通訳してよ?”
通訳や翻訳のスキルというのは大学で教えてもらうものです。バイリンガルの大人は通訳者として生まれたわけではありません。子どもに大人同士の会話を通訳させるプレッシャーを与えないようにしましょう。
“その言い方、間違ってるよ。”
バイリンガルの言語の間違いを指摘するときは細心の注意を払いましょう。最も重要なのは、他の人がいる前で間違いを指摘しないこと。「間違いを正す」のではなく、子どもが言ったことで正しい部分をまず最初に褒め、それ後にどうすればより自然ないいフレーズが言えるか提案するようにしましょう。これは子ども自身が自信をもって外国語を話せるために非常に重要なことです。
“○○語を話すとき、かわいい(面白い、違う)ね。”
違う言語を話すからといって、その人の性格まで変わるということはありません。言語スイッチをしたところで、子どもがよりかわいくなったり、面白くなったりするわけではないので、このような上から見たような批評はしないようにしましょう。モノリンガルでも立場や状況、会話の相手によって、話し方が変わりますよね。バイリンガルもこれと同じことです。アイデンティティー自体が変わるわけではありません。
まとめ
なかには「そこまで気にしなくてもいいのでは?」と思うものもありますが、感じたことをそのまま子どもに伝えるのではなく、相手の立場になって考える“配慮”が大人の側に必要なのは確かです。知らず知らずのうちに子どもを傷つけることがないように、ハーフの子どもが置かれている環境に目を向けてみてはどうでしょう。
