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いいことばかり!外国語を話すバイリンガルになると得られるメリット

To have another language is to possess a second soul.

「外国語を習得するというのは、2つ目の魂を得るようなものだ」

これは、元神聖ローマ皇帝のカール大帝の言葉です。彼の名言通り、外国語を習得してバイリンガルやマルチリンガル(多言語話者)になるメリットというのは、知識が増えるという表面的なこと以外にもたくさんあります。

そこで今回は子どものバイリンガル教育を応援する海外サイトMultilingual Livingより、世界の様々な言語学者が立証した「外国語を話せるようになる利点」を紹介します。バイリンガルのみなさんは、このようなメリットを実感したことがあるのではないでしょうか。

 

外国語を習得してバイリンガルになるメリット

1. バイリンガルは言語への洞察力が鋭くなり、鋭い感性を持つようになる。子どもは外国語を学ぶことによって、言語がどのように機能しているかを深く理解し、多言語を巧みに操作することによって思考力と問題解決能力の発達を助ける(言語学者Cummins 1981)

2. バイリンガルは言葉と“それが意味すること”を、きちんと分けて考えられるようになる(イスラエルの哲学者Ben Zeev 1977; 言語学者Bialystok 1986)

3. バイリンガルはモノリンガルに比べて、第一言語での覚えが早い。外国語の学習と読解力には相関関係があり、バイリンガルになると読解力があがる。 (Yelland et al. 1993), (Garfinkel & Tabor 1991)(Dumas 1999)

4. 第一言語でのコミュニケーション能力が上がり、より効率的になる

5. 心を乱したり気を紛らわす物事への対処力が上がる(Bialystok et al. 2004)

6. 母国語への理解と感度、熟達の程度が著しく上達する(e.g. Johnson et al. 1963).

7. 語彙力が高まり、語彙の幅が広がる (cf. Kosmidis 2006)第一言語が英語の場合、ラテン語ルーツの言語(仏、伊、西)を学ぶと、英語の語彙力があがる(Masciantonio 1977)

8. リスニング力、および記憶力が鋭くなる(Ratte 1968; Lapkin et al. 1990)

9. バイリンガルは2つ以上の言語で読むという経験を積んでいるため、効率的に読む読解法を身につけている(Nayaket al. 1990)

10. バイリンガルは会話力だけでなく、空間認知能力も高める(Diaz 1983)

バイリンガルの脳

11. 意味を周りの人とは違う要領でカテゴライズする。例えば、英語では信号をグリーンと表現するが、日本語ではブルーで表すように、色の認識も言語によって異なる。(Athanasopoulos 2001)

12. バイリンガルは一般的に認知の柔軟性が高く、問題解決能力、思考力のいずれも高い。 (Hakuta 1986)

13. 多言語話者は2つ以上の視点から物事を見るので、立体視的な世界観をもてる。考え方がより柔軟になる。よって、マルチリンガルは一つだけの世界に限定されず、他の視点からの見方への理解が深くなる。(Cook 2001)

14. マルチリンガルになることによって、視野を広げることができる。内(インサイダー)と外(アウトサイダー)を同時に経験することにより、自分の文化を外から見るという経験ができる。モノリンガル(一言語のみ理解する人)にはわからない、文化の比較やコントラスト、文化的コンセプトの理解を深めることができる。

15. 物事を多面的に捉え、問題解決能力の高い人になれる。(Kennedy 1994)

16. 批判的思考力が高まる。

17. 自分の国の人をより理解し、感謝できるようになる。新しい言語を学ぶことによって新たな文化を知り、人種差別的な考えや外国人嫌悪、不寛容さがなくなる。 (Carpenter & Torney 1974)

18. その他の言語を習得するのも早く、効率的に学べるようになる。(Cummins 1981)

19. バイリンガルは認知症になるのが4~5年遅れる。(カナダ・ヨーク大学の研究チーム)

 

おわりに
多言語話者は思い当たる部分がいくつかあるのではないでしょうか。筆者の場合は、2の「言葉と“それが意味すること”をきちんと分けて考えられるようになる」という部分が納得しました。

外国語を学んでいると、同じ意味の言葉でも文化や習慣の違いによって、ニュアンスが違う意味になることがわかります。例えば日本語では、誰かのお宅にあがる時、「お邪魔します」といって入りますが、これをフランス語で“Je vais vous déranger”なんて言ってしまえば、「この人は一体うちで何をする気なんだ?」と怪しまれてしまいます。

このように言語を言葉のまま捉えていてはミスコミュニケーションが生じるという経験を重ねているうちに、言われたことを言葉通りにとるのではなく、「この人が本当に意味していることは何か?」に敏感になってきます。すると不思議なことに、日本語でも同じように意味を推し量る癖がつきました。

外国語を勉強するって本当に大変ですが、このようにプラスになることが多いとわかれば、モチベーションアップにもつながるのではないでしょうか。

参照:Multilingual Living

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